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離乳食後期の進め方。取り入れられる食材や調理のポイント
離乳食が1日3回になり、手づかみ食べも始まる離乳食後期。赤ちゃんの食べ物への関心を引き出し、自分の意思で食べようとする力を育めるよう、さまざまな食材を取り入れたメニューを用意したいですよね。離乳食後期の進め方や取り入れられる食材、調理のポイントについてまとめました。
「カミカミ期」と言われる離乳食後期
厚生労働省の資料によると、離乳食後期とは生後9~11カ月頃を指し、カミカミ期とも呼ばれるようです。大人と同じ食事のリズムに近づけるため、離乳食は1日3回にし、食欲に応じて離乳食の量を増やていく時期とされています。
後期に与える離乳食の固さや量の目安、取り入れられる食材について、厚生労働省の資料を参考に紹介します。
離乳食の固さや量の目安
離乳食後期の赤ちゃんは、舌で食べ物を歯ぐきの上に乗せられるようになり、歯や歯ぐきで潰すことができるようになるとされています。歯ぐきで潰せる、バナナくらいの固さの離乳食を用意し、くぼみのある離乳食用のスプーンを下唇に乗せ、上唇が閉じるのを待ちましょう。
授乳・離乳の支援ガイドに記載されている、離乳食後期における1回の食事量の目安は、以下の通りです。
・穀類:全がゆ90g~軟飯80g
・野菜・果物:30g~40g
・魚:15g
・肉:15g
・豆腐:45g
・卵:全卵1/2個
・乳製品:80g
1回あたりの総量の目安のため、野菜や果物の場合は、野菜を20g与えたら、果物は10~20gにするなど調整しましょう。
母乳やミルクは離乳食の後に与え、このほか、授乳のリズムに沿って母乳は子どもの欲する分だけ、ミルクは1日2回程度与えるとよいとされています。
発育・発達に必要な手づかみ食べ
手づかみ食べは、子どもの発育及び発達にとって、重要な役割があると言われています。始める時期は、生後9カ月頃からがよいようです。
食べ物を目で確かめ、手指で掴み、口まで運ぶという動作は、目・手・口の協調運動の訓練にもなるとされています。また、食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験することで、食べ物への関心にもつながるようです。
ご飯はおにぎりに、おかずは柔らかさに注意して一口大にするとよいでしょう。また、前歯で噛み切れるものはかじり取らせ、自分なりの一口量を覚えていくのがよいようです。
手づかみ食べをする際は、周りが汚れても片づけやすいよう、エプロンをしたり新聞紙やレジャーシートを敷いたりなどして工夫をしましょう。
家族でいっしょに食べることも大切
離乳食後期は、共食を通じて、食の楽しい体験を積み重ねていく時期でもあるとされています。徐々に家族でいっしょに食卓を囲むことで、赤ちゃんが食事が楽しいと感じるようになっていくようです。
子ども用の椅子やテーブルを用意し、家族みんなでいっしょに食事をする機会を増やしていくとよいでしょう。
離乳食後期に取り入れられる野菜
離乳食後期になると、初期や中期のころと比べてさまざまな野菜が取り入れられるようです。赤ちゃんが噛む練習ができるよう、歯ぐきで潰せる程度の固さを意識して調理を行いましょう。
夏はトマトやなす、冬は白菜やキャベツなどの葉物野菜など、旬の野菜を積極的に取り入れ、季節を感じられるメニューを作ってみてはいかがでしょうか。
根菜類
ごぼうは繊維が多く、離乳食期の子どもには向かないのではと考える方もいるかもしれません。皮むきとアク抜きを行い、やわらかくなるまでしっかり煮れば、後期の離乳食に使えるようです。
れんこんは寒くなり始める11月頃から、本格的な寒さを迎える2月頃が旬のようです。れんこんを離乳食に使用する場合は、下ごしらえをした後、茹でてからすりおろし、ペースト状にして調理すると赤ちゃんが食べやすいでしょう。
葉茎菜類
離乳食後期には、えのきやなめこ、まいたけなどのきのこも取り入れられるようです。赤ちゃんに与える際は、細かく刻んでやわらかくなるまで茹でたものを使って調理しましょう。
きのこの種類によっては傷みやすいものもあるので、新鮮なうちに料理に使うとよいようです。下ごしらえをした状態で冷凍保存しておくと、ほかの野菜と合わせたり、麺類やおかゆの具として使ったりと、さまざまなメニューに活用できるため便利でしょう。
果菜類
とろみをつける際に役立つオクラは、食物繊維が豊富に含まれているため、離乳食後期頃の赤ちゃんは消化不良を起こすことがあるようです。オクラの産毛や種はしっかり取り除き、赤ちゃんの様子を見ながら、少量ずつ与えるとよいでしょう。
オクラの産毛やネバネバした成分が刺激となり、痒みや腫れなどの症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
離乳食後期に取り入れられる果物
離乳食後期には、栗も取り入れられるようです。調理の際は、歯ぐきで潰せる固さになるまでしっかりと茹で、鬼皮と渋皮は丁寧にむきましょう。
細かく刻んだりペーストにするほか、手づかみ食べが盛んな時期には、大きめに切った栗を与えると、子どもがよろこんで食べたという声もありました。離乳食の進み具合に合わせて、のどにつまらない大きさを意識し、与えてみてもよいかもしれません。
離乳食後期に取り入れられる魚
さんまやさばなどの青魚、たらなども離乳食後期になると取り入れられるようです。赤ちゃんに与える際は、様子を見ながら少しずつ与えましょう。
加熱した魚のパサパサ感が気にならないよう、豆腐と合わせてハンバーグにしたり、ほかの野菜と合わせてトマトソースで煮込んだりして、アレンジを加えると、赤ちゃんが食べやすいようです。
離乳食後期に取り入れられる肉
牛肉や豚肉は、離乳食後期から取り入れられるようです。鶏肉に慣れたタイミングで、脂肪の少ない赤身を少量から与えましょう。
鉄分補給ができるレバーもこの時期に与えてよい食材とされています。レバーは臭みが強いため、しっかりと下処理した上で他の食材といっしょに調理したり、市販のベビーフードのレバーペーストを使ったりすると、赤ちゃんが食べやすいかもしれません。
離乳食後期に取り入れられる卵・乳製品・加工品など
ちくわは魚のすり身でできているため、食材のバランスを考え、魚の代わりに使う家庭もあるようです。赤ちゃんに与える際は、細かく刻み、湯通しし塩抜きをしてから与えるとよいでしょう。
手づかみ食べの時期にべたつく納豆をどう取り入れようかと悩む方もいるかもしれません。おやきや卵焼きに混ぜ込むと赤ちゃんが食べやすそうにしていたという声があったので、参考にしてみるとよいでしょう。
卵・豆腐
卵や豆腐はさまざまな食材と合うため、おかずからおやつまで、離乳食作りに活躍する食材でしょう。高野豆腐は、乾物であるため長期保存が可能で、すりおろしてとろみづけに使うなど、離乳食作りにも向いているようです。
海藻
離乳食にわかめを取り入れる場合は、種類によって下ごしらえの方法が異なるようです。
鮮度がよくやわらかい生わかめは、赤ちゃんでも食べやすく離乳食に向いているかもしれません。水洗いした後、固い茎の部分を取り除き、赤ちゃんが食べやすい大きさに切り分けます。加熱しない和え物などの料理に使う場合は、10秒ほど茹でるとよいでしょう。
塩蔵わかめを使う場合は、水に漬けてしっかりと塩抜きし、水を2~3回替えながらもみ洗いしましょう。塩蔵わかめも、汁物以外の離乳食に使う場合は一度茹でるとよいようです。
乾燥わかめを離乳食に取り入れる際は、一度水で戻して細かく切るとよいようです。乾燥わかめも塩分を含んでいることがあるため、離乳食を作るときは水で戻して塩抜きすると安心かもしれません。
離乳食後期に取り入れられるご飯・麺・パンなど
離乳食後期には、手づかみ食べができるよう、そうめんやうどんなどの麺類をおやきにアレンジする家庭もあるようです。
使用する麺類は短く切ってやわらかく茹で、野菜と混ぜ合わせて焼くと、カミカミの練習にもぴったりかもしれません。多めに作って冷凍保存しておくと便利そうですね。
離乳食後期に取り入れられるおやつ
プリンやゼリーなども、離乳食後期には取り入れられるようです。離乳食の進みに合わせて、卵黄から全卵へと進めていくとよいとされているため、全卵を食べられるようになってから、手作りプリンを与えるのもよいかもしれません。
ゼリーを固める材料として使われる寒天は、海藻から作られているため、離乳食後期に取り入れやすいようです。やわらかく加熱した野菜や果物を入れることで、見た目も鮮やかなゼリーになり、赤ちゃんが進んで食べてくれるかもしれません。
離乳食後期に取り入れられる調味料など
離乳食を進めるなかで、食べ物の好き嫌いが出てくることもあるでしょう。そんなときにドレッシングを手作りし、食材の味や食感などが気にならないよう工夫している家庭もあるようです。
風味づけにコンソメを取り入れたいと考える方もいるかもしれません。塩加減を自分で調整できるため、野菜や鶏肉を煮込んで手作りする方もいるようです。できあがったコンソメスープは製氷機に入れて冷凍保存しておくと、すぐに取り出せて便利でしょう。
離乳食後期は食べ物や食べることへの興味を育んで
歯ぐきで潰せる固さのものが食べられるようになり、離乳食の幅が広がる離乳食後期。
手づかみ食べには、発育や発達につながる重要な役割があるとされています。赤ちゃんが自分で食べられるメニューを積極的に取り入れられるとよいでしょう。子どもと食卓を囲み、食事は楽しいものということを学ぶきっかけを作ることも大切です。
自分で食べる意欲や、食べることの楽しみを育みながら、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食が進められるよいですね。
※今回の記事でご紹介したものは、離乳食・幼児食の一例です。
新しい食材・料理を取り入れる際は、お子様の消化機能の発達に合わせた適当な食材・調理法を選びましょう。