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「子どもの中にある答えを見出す」子育てコーチング実践5つのポイント【専門家監修】
コーチングが子育てにも活用できることをご存知でしょうか?子育てコーチングについて知りたいという保護者の方に向けて、子育てコーチングのメリットや、実践のポイント、子育てコーチングの身につけ方などをご紹介します。
「子育てコーチング」とは
主にビジネスにおいてよく知られる「コーチング(Coaching)」ですが、最近では子育てや教育の現場でも注目が集まっています。
コーチングとは、コミュニケーションを通じて相手の中にある答えを見出すサポートをすること。つまり、子育てにおけるコーチングとは、親子の対話を通じて、子ども自身の中にある答えに自分で気づけるように関わることです。
大人の知識や経験を元に子どもを導くティーチング(Teaching)と異なる点は、既に自分の中にある答えを見つけたり、答えを創り出したりするところに違いがあります。
子育てコーチングのメリットとデメリット
子育てにコーチングを取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょう。また、デメリットはあるのでしょうか。
子育てコーチングのメリット
子育てコーチングでは「〇〇しなさい」という命令形ではなく、「どうしたらいいと思う?」「どう感じる?」という子どもの思いを聞く質問をして、子どもの内にある答えを探るサポートを行います。そのため、子どもは思考力や自主性などを身に付けることができるでしょう。
また、子育てコーチングでは、子どもの言葉を否定することなく傾聴します。そのため「話を聞いてもらえた」という承認欲求も満たされるようです。
保護者が子育てコーチングを学ぶことで、結果的に親子関係の悩みが少なくなるというメリットがあるといえそうです。
子育てコーチングのデメリット
子育てにコーチングを取り入れても、一朝一夕に変化が現れるものではありません。日常生活の対話の積み重ねによって、子どもは少しずつ自分の中にある答えを形作っていくため、子育てコーチングには時間がかかることに留意する必要があります。
また、子育てコーチングによって全ての問題を解決できるわけではなく、方法の一つとして捉えることも必要です。
子育てコーチングスキルを身につける方法
コーチングを子育てに取り入れるには、どうすればよいのでしょう。子育てコーチングスキルを身につけるための方法をいくつかご紹介します。
コーチングを受ける
実際にコーチングがどのようなものか、まずは体験してみたいという人は、コーチングを受けてみることが最もわかりやすい方法かもしれません。
子どもにコーチングを行う前に、まずは保護者がコーチングを受け、「どのような子育てをしたいか」自分の中に答えを作り上げることで、子育てのゴールが明確になり、子どもへのコーチングも取り入れやすくなるでしょう。
子育てコーチングの関連書籍を読む
コーチングに関する書籍は多数出版されていますが、子育てコーチングの関連書籍もたくさんあります。複数の本を比較し、読み進めやすく、目的に合った本を選ぶとよいでしょう。
本なら隙間時間を活用するなど自分の好きなタイミングで読めるため、子育てコーチングについて知りたいと思った時に気軽に学び始めることができそうです。
子育てコーチングのセミナーに参加する
単発のセミナーやイベントなら、費用を押さえて子育てコーチングの概要を知ることができます。テーマを限定して開催されている場合もあり、ピンポイントで学ぶことも可能です。
オンライン開催も多いため、子育て中で継続して学ぶことが難しい保護者でも子育てコーチングを学ぶことができます。
コーチングの資格を取得する
コーチングは子育てに応用することができるため、資格を取得することはコーチングスキルを身につけるための方法の一つといえるでしょう。
また、コーチングの資格を取得すれば、自分の子どもだけでなく、他の保護者や子どもに向けたセッションや講座を行うことができるかもしれません。
子育てコーチング実践5つのポイント
コーチングを子育てで実践するためにはどのようにすればよいのでしょうか。実践のための5つのポイントを見ていきましょう。
子どもの現状を確認する
はじめに、子どもが今どのような状況にいるのか、「最近どう?」など、現状を知るための質問をしましょう。どう感じているのか、困っていることはないか、何が問題でできていないのか、など具体的な質問を重ねて子どもの状況を確認します。
ゴールを設定する
子どもが達成したいことや、ありたい姿などを明確にしてゴールを設定します。そのために、「今と比べてどうなりたい?」「最高の結果はどういうもの?」「いつまでに達成したい?」という質問で子どものゴールを明確化していきます。
さらに「ゴールにたどり着いたら何が手に入ると思う?」と、その先を見据えた質問をしてみるとよいかもしれません。
行動計画を立てる
目標を達成するために、具体的な行動計画を立てることも必要です。最初に何をやるか、次はどうするか、いつまでにやるか、などの質問をして具体的な行動計画を立てましょう。
オープンクエスチョンの質問をする
コーチングでは質問の仕方がとても重要です。「はい」か「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンではなく、制約なく自由に答えられるオープンクエスチョンの質問を子どもに投げかけることで、子どもは自分自身で考えや気づきを得ることができるでしょう。
子どもの話をよく聞く
コーチングでは傾聴することも、大切な要素とされています。子どもの答えを途中でさえぎったり否定したりせず、最後までよく聞き、共感の態度を示すことで子どもは安心して質問に答えることができるようになるでしょう。
子育てコーチングの資格はキャリアに活かせる?
コーチングの資格はさまざまあり、子育てに焦点を絞った資格もあります。
年齢や発達段階に応じたアプローチや、子ども一人ひとりの気質に合わせた支援の方法を学ぶことができる資格の他、さまざまな資格があるため、目的に合わせた資格を取得できるとよいですね。
注意点としては、いずれも民間資格であること。公共施設や就職等での評価を保証するものではない点を理解しておく必要がありそうです。
子育てコーチングの体験談
子育てコーチングに関する体験談を保護者に聞きました。
なかなか思い通りにならない子育てにイライラしていた時に、子育てコーチングの本を読みました。限りある子育ての時間を、かけがえのない時間に変えるきっかけとなった大切な本です。
興味があってコーチングを受けたことがあります。スキルを身につけるのは難しそうですが、確かにコーチングは子育てにも活かせると思います!
コーチングを学び、プロコーチとして活動していたこともありますが、子育てにコーチングを取り入れるのは難しい場面もあり悩みました(笑)。今では、うまくいかないことも含めて育児の楽しみだと思っています。
コーチングを子育てに取り入れてみよう
子どもの中に答えを見出す、子育てコーチング。普段の会話の中に取り入れてみることで、子どもは考える力や主体性を身につけるといいます。
子育てコーチングのスキルが身につくまでには、少し時間がかかるかもしれませんが、できるところからコーチングを子育てに取り入れられるとよいですね。
監修
Profile
石川 尚子
株式会社ゆめかな代表取締役、ビジネスコーチ。経営者、起業家、管理職、営業職へのパーソナル・コーチングを行う傍ら、主として、「コミュニケーションスキルの向上」「夢を叶えるコミュニケーション」「自発的な部下の育成」「子どもの本音と行動を引き出すコミュニケーション」などをテーマにしたコーチング研修、コミュニケーション研修の講師として活動中。小中学生、高校生、大学生から企業の経営者まで幅広く講演活動を行う。通信教育講座『チャイルドコーチングアドバイザー資格取得講座』の監修、指導。著書に『子どもを伸ばす共育コーチング』『オランダ流コーチングがブレない「自分軸」を作る』など。
頭ではわかっていても実践するのは難しいので、子育てコーチングは学びと実践を続けることが重要だと思います。