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“自分時間”はもっと気楽であるべき?あえて「何もしない」を選択してもいい
現役保育士のてぃ先生、1児の母であるpecoさんの「令和時代の子育て」をテーマとした対談企画第3弾。司会には自身も2児の母である、タレントの鉢嶺杏奈さんをお迎えしました。前編のトークテーマは、ママの自分時間の過ごし方について。
(左)てぃ先生。現役保育士。SNS総フォロワー数は180万人を超え、保育士としては日本一の数を誇る。育児アドバイザー、顧問保育士、講演活動など、メディア出演なども多数。(中央)peco。1995年 大阪府出身。原宿系のファッションモデルとして若者を中心に絶大な人気を集め、現在は自身のブランド「Tostalgic Clothing」のプロデューサーを務める。1児の母。(右)鉢嶺杏奈。1989年 東京都出身。映画やドラマ、CMで女優として活躍する一方、TBS系バラエティー「日立世界ふしぎ発見」のミステリーハンターを務めるなど、タレントとしても活躍。2児の母。
ママたちは自分時間を取れている?
鉢嶺:今回のテーマは「ママの自分時間」です。子どもが生まれてから、出産前のように自分の時間を取ることが難しくなってしまったという方は多くいらっしゃると思います。忙しい毎日の中でどうやって確保するか、どのように楽しむか、その間子どもはどうするのか、など議論できればと思います。
今回、KIDSNA STYLEではママの自分時間についてアンケートを実施しております。まず「普段、自分時間が取れているか」という質問に対し、「取れている」が39%、「取れていない」という回答が61%でした。
また「1日にどのくらい取れているか」についても調査したところ、約60%が「1時間未満」、約30%が「30分未満」という結果となっております。
てぃ先生:想像していたより、自分時間を取れていると感じている人が多くて安心しました。
peco:確かに!でも、自分時間を取れていると感じるかどうかの感覚は人それぞれなところはありますよね。
てぃ先生:そうそう。量なのか、質なのか。たとえば2時間以上空いている時間があったとしても近くに子どもがいたとしたら満足度は低い。逆に、15分間だけでも本当にひとりきりになれたらリラックスできるかもしれないですよね。
鉢嶺:pecoさんは普段どれくらい自分時間を取れていますか?
peco:私の場合、仕事がない日かつ子どもが学校に行っている間はがっつり自分時間ですね。大体7時間くらいでしょうか。仕事があったとして、息子には毎日19時半には寝てもらっているので、夜は自分のために使っています。息子の成長のためにというのもありますが、とにかく自分時間を確保したくて毎日早く寝てもらっています(笑)。
鉢嶺:すごくわかります!夜のほうがゆっくり過ごしやすいですよね。私は朝起きたときから子どもの寝かしつけを考えてしまうくらいです。
てぃ先生:たまに朝活を勧める方もいますが、意外とハードル高いですよね。
鉢嶺:まさに朝活に憧れて試したことはありますが、子どもの起床時間も早くなってしまい結局続きませんでした(笑)。
スーパーは必ず子どもと一緒に
鉢嶺:他にも、自分時間を確保するために工夫していることはありますか?
peco:「一人では絶対にスーパーには行かない」と決めていることでしょうか。一人でスーパーに行けば、せっかくの自分時間を買い物に使うことになる。でも、買い物を子どもと一緒に済ませてしまったら、その分浮いた時間を自分時間に使えると思っていて。それがかなり自分時間を確保するために役立っていると思います。
鉢嶺:目からうろこです……!
peco:周りを見ていると、子どもが学校や保育園に行っている間に買い物を済ませたい方が多いのかなと?確かに子どもと行けばおやつをねだられたり、商品を触らないように注意したり大変なのはよくわかります。でも、私は息子とできることは息子と一緒にしたいと思っています。別に感動的な話ではなくて、そのほうが自分時間を確保できるから(笑)。
てぃ先生:なるほど。例えばおもちゃで一緒に遊ぼう、絵本を読んであげよう、みたいに子どもとの時間を別で取ろうと思うと、”自分の時間を削って”と思ってしまいがちだけど、生活導線の中に子どもとの時間を上手く組み込めば、あえて別に設けなくてもいいということですね。
peco:そうです!私はスーパーに行くことをちょっとしたイベントみたいにしています。元々一緒に遊ぶことが得意ではないので…。それにスーパーは、子どものことを尊重してあげやすい場所なのかなと。「これ買って」「あれ買って」と言われても、食べたいものをおねだりされるくらいなので、おもちゃ屋とかに行くより叶えてあげやすいです。
てぃ先生:新しい視点ですね。この方法であれば親御さんも「今日全然遊んであげられなかったな」とモヤモヤする気持ちが減りそうです。
鉢嶺:自分だけで動けるところは自分でやっちゃおうと思っていたので、今までもったいないことしていたと思いました…。
てぃ先生:スーパーに一緒に行くだけでなく、家事を遊びの一部にして、子どもと一緒にやってみるのもいいと思います。「ハタキでここポンポンして」とか言ったら子どもなりに一生懸命やって、かつ楽しんでくれると思うし、その間に親御さんも掃除を進められる。親が家事をしている間、子どもは遊んでいてほしいという固定概念があるかもしれないけど、大人がやっている家事に巻き込むのはおすすめです。
peco:そうですよね。子どもは、大人がやることに憧れていたりもするし。息子は6歳になってから家中を掃除機かけてくれたりします。私は食器を洗っているふりをして、こっそりスマホを見てたりします(笑)。
あえて「何もしない」を選択する
鉢嶺:自分時間に何をしたらいいかわからなくて、家の用事や家事に使ってしまう方もいるようです。pecoさんは一時間あったら何をしますか?
peco:ソファの上から動きません。何もせず、ひたすらSNSをスクロールします。
一同:(笑)。
peco:子どもがいるとそういう時間の過ごし方が一番できないので、ここぞとばかりにダラダラしたいです。
てぃ先生:「無駄だな」という時間こそ、幸せを感じたりしますよね。その時間に有意義さを求めると苦しくなるけど、時間を無駄づかいしている感じが逆に気持ちよかったり。
peco:無になる時間はすごく大切だと思いますね。「せっかくひとり時間だから好きな映画見よう!」などと張り切ってしまうと、ハッピーにはなるけどリラックスはできないのかなと。
てぃ先生:頭を空っぽにするのが大事ですよね。
鉢嶺:でも、無駄だなと思う時間を選ぶことって難しくないですか? せっかく一時間確保できたら、最大限有効に使おうと思ってしまう方も多いのかなと。
てぃ先生:たしかに、たいして興味もなかったピラティスに通ってみたものの逆に疲れが溜まってしまう、みたいな現象もある気がします。何かしないといけないように思っちゃうんですよね。
子育ては誰にも褒めてもらえないし、目に見えるような直接的な報酬がないです。子どものことを想ってやっているのにイヤイヤ言われたり、特に子どもが小さいうちは、お世話を頑張っても見返りがない。天使のような笑顔を見て幸せをもらって頑張れるけれど、「きついな」とふと思った瞬間に一気に崩れてしまいがちです。
だから、ゆっくり甘いものを食べる時間を設けるといった、自分に対するご褒美の時間は絶対に必要だと思います。子どもから見返りがない代わりに自分を労わる。自分をどんなときでも褒めてあげられるのは自分だけですから。
鉢嶺:大人になってもみんな褒められたいですよね。私はいつもママ友たちとみんなで褒め合っています。「今日も頑張ってるね!」「雨なのにお迎え偉い!」と褒め合える仲間がいることで救われています。
続く中編は、7/7(月)20時に公開予定です!お楽しみに!