【京大逆転合格】E判定から掴んだ戦略的勉強法とは?武田塾・高田史拓が語る受験の極意

【京大逆転合格】E判定から掴んだ戦略的勉強法とは?武田塾・高田史拓が語る受験の極意

2025.12.25

E判定という絶望的な状況から、日本屈指の難関校・京都大学経済学部に逆転合格を果たした高田史拓さん。大学1年生から「武田塾」の運営に携わり、現在はYouTubeなど様々なメディアで教育に関する情報を発信。若い層から多大な支持を得ています。今回は、長年受験の最前線で分析を続けてきた高田さんに、目標を達成するための「逆転の思考法」と「具体的な学習プロセス」を詳しく伺いました。

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高田史拓。E判定からの逆転で京都大学・経済学部に合格。大学一年生のときから武田塾の運営に携わり、学生ながらに新設校の立ち上げにも参画。現在は運営本部で塾全体のPR、指導の質の向上を担う。現在はYouTubeなど様々なメディアで教育に関する発信をしており、若い層から多大な支持を得ている。

学歴が高ければ、未来の選択肢が無限に広がる

ーー高田さんはなぜ京都大学を目指したのでしょうか?

高田:理由は二つあります。一つは、高校一年生の頃、武田塾創業者の林尚弘さんに「今からなら可能性は無限大」と言われたことです。当時の僕は、自分が京大に入れる器だなんて微塵も思っていなかったので、その言葉は衝撃でした。「スモールステップで一歩ずつ進めば大丈夫」という武田塾のメソッドを聞き「それなら挑戦してみたい」と思ったんですよね。

もう一つは、京大を卒業すれば未来の選択肢が無限に広がると考えたからです。当時好きだったアイドルの話を林さんにしたとき、「応援する側だけでなく、一緒に仕事をする側を目指してはどうか」と提案されたんです。大手広告代理店やテレビ業界に入るといった具体的な目標が、勉強の原動力になりました。

そもそも僕は淡路島の出身で、地方特有の閉塞感を感じていました。小・中学校時代にあまり良い思い出がなかったこともあり、広い世界へ飛び出したいという渇望があったんです。

勉強は「逆算」がすべて

ーー高田さんはいつから、どのように大学受験の勉強を開始しましたか?

高田:高校1年生から受験勉強を始めたので、早いほうだと思います。最初に行ったことは、徹底的な「合格者データの分析」です。京大合格者のブログや本を読み漁り、どの時期に何をしていたかを調べ上げました。特に自分と同じ地方出身者の独学情報を参考にしました。

受験勉強において最も大切なことは「逆算」です。多くの生徒は学校の教材を盲目的に進めますが、それが自分のレベルや志望校に合っているとは限りません。

何から手をつけるべきか迷うなら、まずは情報収集をしてください。YouTubeや参考書ガイドを活用し、「合格までに必要なステップ」をスケジュールに落とし込む。僕の場合も、京大合格に必要な各科目のレベルを細分化し、月ごと、週ごと、そして「今日1日」の行動まで徹底的に落とし込みました。目標達成の術は、すべて受験から学べます。

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本質を捉えることが”応用力”を鍛える

ーー高田さんが行った勉強方法を具体的に教えてください。

高田:僕が勉強するうえで鉄則としていたのは、「1冊の参考書を徹底的にやり込むこと」です。全問正解は当たり前として、さらに「解法を他人に説明できるレベル」まで理解することを目指していました。そうすることで、問題の形が変わっても本質を捉えて考えられるようになります。

そのためには教材選びが重要です。分厚すぎるものより、分量が半分でもエッセンスが凝縮された薄めの参考書を選び、それを完璧に仕上げる。そのほうが圧倒的に身につきます。

実は最初、映像授業の塾に通っていましたが、受動的になりすぎて効率が悪いと感じ、すぐ辞めました。アメリカの「ラーニングピラミッド」でも証明されている通り、受動的な学習は定着率が低い。自学自習こそが、最強のアウトプットなんです。

ーー武田塾流の学習ステップについても伺えますか?

高田: 武田塾では、まず「基礎」を徹底します。英語ならいきなり長文を読まずに、まずは単語と文法。次に一文を正確に訳す英文解釈。その後に、ようやく易しい長文からスモールステップで進めていきます。

学校の授業は平均的なレベルに合わせるため、基礎が抜けている子は置いていかれがちです。武田塾には、そのような「つまずき」を抱えた子がたくさん来ますが、自分のレベルに合ったところから一歩ずつクリアしていくことで、成績は必ず伸びます。

ーー勉強ができる人とできない人の差は何だと思いますか?

高田:「失敗を恐れずに挑戦する数」ではないでしょうか。伸びる子は、解けないとわかっていても早めに過去問に挑みます。一方で、苦手な子ほど「まだ実力がないから」と先延ばしにする。

最初から解ける人なんていません。3割しか解けなくてもいいんです。その「解けなかった7割」の中に、「何が足りないか」という宝の山が埋まっているからです。スポーツの練習試合と同じで、負けて初めて自分の弱点が見えてくるんです。

勉強がしんどければ「慣れる」ところから

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ーー受験期のスケジュールと、息抜きの方法を教えてください。

高田:受験勉強ピーク時は、朝6時半に起床、7時前に家を出て、学校に着くのが8時15分頃。授業が16時頃まであり、その後は自習室に行き、21時半くらいまで勉強。そこから帰宅し、家に着くのが23時頃で、あとはお風呂に入って寝るだけという生活をしていました。学校が休みの日は最低でも12時間は勉強時間にあてていました。ちなみに、授業中も体育以外は内職をして、自分の勉強を進めていました。勉強時間が足りなかったので……。

正直、僕は「息抜きはいらない」と思っています。合格を確実にするまでは、誘惑をすべて断ち切る。受験は誰かにやらされるものではなく、自分が決めたこと。その覚悟を持てるかどうかが成長の分かれ道です。

どうしても疲れた時は、志望校に関連する動画を見たり、キャンパスを舞台にした漫画を読んだりして、合格後の自分を想像して鼓舞するのがおすすめです。

僕自身、受験を「田舎者が京大を目指すストーリー」というゲームのように楽しんでいました。ブログで発信して読者に応援してもらうことも、よい刺激になっていましたね。

もし勉強がしんどいと感じるなら、まずは「慣れる」ことから始めましょう。学習習慣がゼロの状態なら、無理に机に向かおうとするのではなく、とりあえず自習室に行くだけでいい。遊びに行くような軽い気持ちでも、周囲が必死に勉強している環境に身を置けば、嫌でもやる気になります。自分の意志の力に頼るのではなく、まずは「環境」を変えることが、一歩踏み出すための第一ステップです。

親子の信頼関係は受験にも大きな影響を

ーー幼少期からやっておいたほうがいいことはありますか?

高田: 海外や国内のさまざまな場所を訪れ、多様な価値観に触れる体験をしてほしいですね。日本の常識が世界では通用しないことや、世界には生きることに必死な人々がいるという現実を肌で知ることは、将来の大きな活力になります。英会話もそのための重要なツールですので、僕自身、もっと幼少期から学んでおけばよかったと感じることもあります。

ただ、それ以上に大切なのは、「親子の信頼関係」を築くことです。子育てには叱る・褒めるなど様々なスタイルがありますが、土台に信頼関係がなければ、親の言葉は子どもに届きません。

親は子どもの一番の味方であるべきです。家庭をリラックスできる場所に整え、受験期には共に試練を乗り越える「最強のパートナー」になること。それが、子どもの可能性を最大限に引き出す鍵だと思います。

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ーー最後に、これから受験勉強に臨む子たちにメッセージをお願いします。

高田: 大学受験というのは、自分を鍛えるための絶好の場です。同世代の何十万人という人間が、一斉に同じ目標に向かってがむしゃらに頑張る場なんて、人生で他にはありません。もちろん、受験は受かる人より落ちる人のほうが圧倒的に多い、厳しい試練です。でも、その厳しい壁をどうやって乗り越えるか。本気で考え抜き、目標に向かって狂ったように努力する経験は、一生の財産になります。

僕は、淡路島という田舎で鬱屈としていた小中学生時代があったからこそ、「このまま終わりたくない」という強烈な思いで受験に臨みました。受験生の1年間はまさに人生のターニングポイント。その時期をどう過ごすかで、その後の人生の景色は全く変わります。

実際に京大に入学すると、予想以上の刺激的な環境が待っていました。たとえば、ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生の講義を学部問わず受けられるなど、普通では考えられないチャンスが至る所に転がっていましたね。

学歴や環境を言い訳にせず、自分の力で未来を切り拓ける。受験は、人生において「最後」と言ってもいいほど、平等に与えられた戦いです。 泣いても笑っても時間は過ぎます。だったら、やるしかありません!

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