こちらの記事も読まれています
寝かしつけ1分。フランス式子育てで、赤ちゃんもママも朝までぐっすり眠る。
子どもがこれから生きていく社会は、予測できないことばかり。そんな時代をたくましく乗り越えるために不可欠なのが、『思考力』です。そして、その思考力を育む土台となるのが、『語彙力』だと言われています。今回は、語彙力に焦点を当てて子育てのヒントを解説する話題の書籍、『5歳の壁: 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』(小学館)から、内容を抜粋してご紹介します。
赤ちゃんは学ぶことができる存在
多くの日本人は、赤ちゃんとは「純粋無垢」な存在と捉え、率先して手助けし、守ってあげないといけないと考えますね。そのため赤ちゃんが泣き始めると、とにかく泣きやませようとするし、先回りをして泣かないようにします。
一方、フランス人の多くは、赤ちゃんは「無知」だけど、学習能力がある存在だと捉えています。無知だから、人生に必要なことを学ぶ必要があるし、大人がやるべきなのは、学ぶ環境を整えることだと考えます。だから、赤ちゃんが泣いている時間は学びの時間であり、まずは泣き方を観察して、すべき対応を判断します。
そして、生まれたばかりの赤ちゃんが最初に学ぶべきは、心身の健康を保つための「規則正しい生活リズム」。このリズムに必要なのは、寝る時間になったら自分の力で寝つき、夜中に目が覚めても再び眠りにつく力です。フランス人は、この力をトレーニングによって身につけさせるべきだと考えています。
フランス式育児はこんな方におすすめ
私はフランス式育児を広めたいと活動していますが、向いている人とあまり向いていない人がいるのは事実です。フランス式育児は以下のような方におすすめです。
赤ちゃんの睡眠サイクルを理解する
フランス式育児の神髄でもある「セルフねんね」を習得するには、睡眠サイクルを理解する必要があります。赤ちゃんの睡眠サイクルは大人より短く、40~50分間隔にノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を繰り返します。レム睡眠は覚醒状態に近く、ちょっとした物音や刺激に反応し、目が覚めて泣いてしまいます。
このとき親がすべきは、まずはそのまま泣いている様子を観察すること。お腹がすいていない、オムツも汚れていない、具合が悪いわけでもなければ、赤ちゃんは次の睡眠サイクルにうつる狭間にいるのかもしれません。
そこでママやパパが抱っこしてあやしてしまうと、赤ちゃんは睡眠サイクルを自力でつなげる学習のチャンスを奪われてしまいます。夜、赤ちゃんが泣いているとき「赤ちゃんが学習している」というマインドで、前向きな気持ちを持つことが大切です。
寝始めと夜中目が覚めたときを同じ環境にする
赤ちゃんが睡眠サイクルを学習するために重要なポイントのひとつが、「自分の力で再入眠ができるようになる」ことです。そのためには、赤ちゃんが寝入った状況と夜中起きたときの状況をまったく同じにする必要があります。なぜかというと、夜中に赤ちゃんが目覚めたときは当然真っ暗な環境ですが、その環境が寝入った状況とまったく同じなら、安心してスッと再入眠しやすいからです。
たとえば、寝かしつけのときにおっぱいや抱っこで寝ている子は、夜中に目が覚めたときに抱っこされていないと「おっぱいがない!」となったり、「寝たときと状況が違う!」と不安になってしまうのです。
つまり、おっぱいか抱っこで寝かせた赤ちゃんは、夜中目が覚めたときもおっぱいか抱っこでないと再入眠してくれず、おっぱいか抱っこが得られるまで泣いて訴えてしまうのです。寝たときの状況と夜中に起きた状況を同じにしてあげることが大事なので、就寝時の「セルフねんね」がどれだけ重要かがわかるはずです。
親も自立するフランス式育児
フランス式育児は、「子どもの自立を促す」が大前提です。ここでいう自立とは、「自分のことは自分でできるようになること」です。そのために赤ちゃんのうちから、個を尊重すると同時に、できるだけ自分のことは自分でやれるように少しずつ促していきます。また、子どもが自立するということは、親も子どもべったりの世界ではなく個として自立して生きていくということになります。
そのためにも、フランス人は自分を大切にし、無理をしません。フランスは女性の就業率が68.2%(2018年度)を超えていますが、彼女たちは本当に頑張りすぎることはありません。手を抜いても問題ない部分は手を抜き、極限まで疲れをためないことが大事とされています。そうすることで、結果的に家族に対しても笑顔でいられ、仕事への意欲も損なわずにいられるのかと思います。
ときには育児よりも自分のやりたいことを優先して、パートナーや実家、ベビーシッターに子どもを預けることに、罪悪感を感じないでほしいと思います。ひとりで飲みに行ったり、旅行に行ったり、それが躊躇なくできるのもフランス式育児。子どもが自力で眠れ、生活リズムがしっかり身についているからこそ、何の不安もなく預けられるのです。
ひとりで頑張りすぎず、100%子育てに注力しすぎず、そして何事も完璧を求めず、そんな子育てを実施しやすくするのが、フランス式育児なのです。
赤ちゃんが朝までひとりでぐっすり眠る具体的な手法は、是非書籍を手に取って見てみてください。