【小児歯科医に聞く】おやつで簡単!「口内の成長」を確認する方法とは
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幼児期の食事やおやつは心身の健やかな成長やいろいろなものを食べる味覚体験として重要です。今回は「食育」と同じくらい大切な、健康な口内とあごを発達させる子どもの「歯育」について、小児歯科医の先生に詳しく話を伺ってきました。
「おいしい」から育まれる豊かな食生活
食育という言葉はよく聞きますが、歯育をご存じでしょうか。歯育とは、子どもの健康な歯とそれを支える口内や口の周りの健やかな発達と成長をサポートすることです。
大塚先生:
離乳食を経て幼児食が始まる2〜3歳くらいの時期から、大人と同じ食べ物を食べ始め、栄養を補うための「おやつ」も食べるようになります。この時期から子どもの歯育を意識するようにしましょう。
歯みがきなど歯のケアはもちろんですが、お口まわりの筋肉の機能が後々の歯並びに影響することもあるので、正しい姿勢で食べることも歯育の一貫です。正しい姿勢で噛むことで上あごの筋肉が鍛えられ、脳神経の発達に影響があるといわれています。
健康な歯を育むことが、食事のおいしさを楽しめる豊かな食生活にもつながり、これは子どもの将来にも影響するといっても過言ではないでしょう。
おやつの時間に正しく「噛む」ことのメリット
おやつの時間に健やかな歯を育むためにはどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。子どもにとって「健康的なおやつ」について大塚先生に詳しい話を伺いました。
大塚先生:
子どもは自分の手でつかんで食べる「つかみ食べ」や、口を使って「かじりとり」をすることで、食べ物の硬さや柔らかさ、自分の口にどれくらいの量の食べ物が入るのかを学んでいきます。
3〜5歳の時期は、口のまわりの筋肉の使い方もトレーニングが必要です。それがわからないまま大きくなってしまうケースもあります。
やっぱりおやつには固いものを食べさせたほうがよいのでしょうか。
大塚先生:
たくさん噛むことがあごの発達にいいとされていますが、これは子どもの成長や年齢によって異なります。3歳以上なら手づかみで「かじりとり」ができるようなおやつがよいです。
持たせやすい大きさのおせんべいなら、見た目でどれくらいの量をかじりとったかがわかりますよね。かりっという音がして食感がわかりやすいものが良いでしょう。
噛んだらこんな音がする、とか、パリパリしたものはこれくらい噛むんだな、とか、子どもはいろいろなものを食べて、五感で食感や素材の違いなどを知っていきます。そうして舌の動きや味覚も発達していきます。
うちの子はあごが小さいので、あごを鍛えさせたいと思っています。でも、子どもが食べられる固いものってなかなかなくて…。そういう意味ではおせんべいは手軽でよいですね。
大塚先生:
おせんべいなどのお菓子は、固さはありつつも口の中に繊維が残ったりすることはないので、子どもも食べやすいかもしれませんね
唾液と合わせて飲み込むのを嚥下(えんげ)といいますが、これがうまくできていないとたくさん食べこぼしをしたり、食べるのが遅くなります。固いもの、柔らかいもの、いろいろな食べ物を与えるとちゃんと嚥下(えんげ)できているかを確認できます。
数年前から小児歯科クリニックでも、嚥下(えんげ)できているかを診察して指導を行っているので、もしうまくできていなかったら、3歳くらいから練習するとよいでしょう。
子どもがかじりとりや嚥下(えんげ)ができているか、ママが確認することもできます。
子どもが唾液を飲み込むときや食べ物を食べているときに舌が前に出ているのは、うまく嚥下(えんげ)できていない証拠です。食べこぼしや、詰め込みすぎて嘔吐してしまうこともあるので、わからなければ気軽に専門家に相談しましょう。
健やかな歯育につながるおやつ時間のつくりかた
おやつの時間にママが子どもの咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)を確認することが、健やかな歯育につながるようです。他にどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
①おやつは決まった時間に
大塚先生:
おやつのだらだら食べはよくありません。必ず、おやつの時間を決めるようにしましょう。
決まった時間におやつを食べることは、虫歯予防ももちろんのこと、子どもにとってはご褒美のような時間になり、親子のコミュニケーションにつながります。
咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)のためのお口の周りの筋肉の発達を確認することもできるので、正しい姿勢でおいしく楽しく食べるおやつ時間は、歯育に重要な時間になると思います。
②原材料にこだわって選ぶ
大塚先生:
食事となると栄養バランスを考えるママは多いですが、おやつは好きなものでいいと思いがち。3歳くらいまでは味覚形成の時期なので、素材の味を感じられるようなおやつを選ぶとよいでしょう。
糖などが含まれていると虫歯にもなりやすいので、できるだけシンプルな原材料のおやつを選びましょう。
③食べたあと、口の中をゆすぐ
大塚先生:
3歳くらいから「食べたら歯みがき」をしっかり習慣づけてください。おやつも例外ではありません。虫歯になりやすいかどうかは「習慣」が大きく影響します。
一度習慣づけをすると後が楽ですが、逆に習慣づいてないと後々歯みがきが大変だと感じてしまいます。歯みがきができない場合は、せめてお水で口の中をゆすぐことを習慣にしましょう。
唾液の分泌も大切だと聞いたことがあります。
大塚先生:
唾液はある程度出たほうがよいですね。口の中の自浄作用につながり、虫歯になりづらいというメリットもあります。口の中が乾燥すると虫歯になりやすくなってしまいます。おやつとセットでお水やお茶を飲ませてあげるようにしましょう。
おやつデビューにも適したシンプルな素材で健やかな「歯育」
子どもにとって楽しいおやつの時間を歯育につなげるのにぴったりなのが「ぱりんこ」です。
お米でできたほどよい固さの「ぱりんこ」は、子どもにぴったりのてのひらサイズ。持ちやすく食べやすいソフトな食感なので、子どものかじりとりの練習にも最適です。
2枚1組になっているので、だらだら食べを防ぐこともできます。
大塚先生:
一口大に割ってみたり、ぱりんっとかじり取ることができて、子どものおやつにちょうどよい量だと思います!
みんなが知ってる!国民的おやつ「雪の宿」
甘じょっぱくてくせになるおいしさの「雪の宿」。塩味のおせんべいにミルククリームをふりかけた見た目も特徴的なおやつです。
ミルククリームには北海道産生クリームが使用されており、子どもはもちろん大人も満足できるコク深い味わいです。
今回、初めて「雪の宿」を食べた子どもたちも夢中になっていました。
「雪の宿」は季節ごとに抹茶、さつまいも、特濃(北海道産生クリームを200%使用)など、期間限定フレーバーも発売されているので、季節の味わいをご家庭のおやつに取り入れることができ、家族間のコミュニケーションの活性化にもおすすめです。
健康なおやつ時間を親子で楽しもう
食育と同じくらい大切な歯育によって歯の成長を見守ることが、子どものこれからの豊かな食生活を形成します。
歯育につながるおやつを選ぶことで、子どもが健康なおやつ時間を楽しむことができたら、ママやパパもうれしいですよね。
歯育にぴったりの「ぱりんこ」や「雪の宿」を、ぜひ子どものおやつに選んでみませんか。
2023.03.22
うちの子はおやつが大好きで、おやつをご褒美にいろいろなことをがんばっています。なんとなく、おやつ=甘いものを与える罪悪感みたいなものがありますが、子どもがせっかく楽しみしているおやつの時間を歯育につなげる工夫を知りたいです。