【管理栄養士監修】子どもを食中毒から守ろう。残暑時期のお弁当作りの注意点と対処法

【管理栄養士監修】子どもを食中毒から守ろう。残暑時期のお弁当作りの注意点と対処法

2023.08.21

Profile

中津川かおり

中津川かおり

管理栄養士

管理栄養士・料理家。福島県相馬出身。東京家政大学大学院にて食物栄養学専攻修了。大学に助手として勤務後、フリーランスの管理栄養士として独立。レシピ・商品開発、メディア出演や著書・出版も多数手がける。 管理栄養士・料理家・母親として「家族の健康は家庭の食卓から」をモットーに、身近な食材で作りやすいレシピ提案を心がけている。また、大学で講師を務め、栄養士、保育士、介護士などの養成にも尽力。現在は、親子向けの食育イベントや小学校での食育活動、介護食や抗がん剤治療で食べることが困難な子どものための食事支援などにも従事。あらゆるシーンで『食』の大切さへ理解が深まるよう努めている。 著書に「太らない!ただいまご飯(宝島社)」、「サラダ定食(中日映画社)」他多数。

子どもをもつママたちが、暑い時期、気になるのは食品の腐敗や食中毒でしょう。実際、何に気をつければ良いか知りたいところですよね?今回は、管理栄養士の中津川かおりさんに、残暑時期のお弁当作りに注意したいポイントと対処法について教えていただきました。

お弁当

気温の変化が激しい日が続いてますね。日本の夏は、高温多湿でとても不快指数が高く、熱中症になりやすい日が多いため注意が必要です。しかし、人間には嫌な季節でも「菌」は違います! むしろ、最も好条件の季節となります。

こうなるととても怖いのが食品の腐敗や食中毒です。食中毒の種類によっては、命に係わる事態を引き起こすものもあるので、抵抗力が低い小さなお子さんのいるご家庭では、特にご注意ください。

調理してすぐに食べてしまうものは、良いとしても、夏場の「作り置きおかず」や「お弁当」の作り方や詰め方について、しっかり理解しておきましょう!

絶対に抑えておきたいお弁当作りのコツは7つ

1.食材は、しっかり加熱する

ほとんどの菌は、加熱することで死滅します。お弁当の具材は詰める前にしっかり火入れをしましょう!もちろん電子レンジ調理でもOKです。作り置きおかずをお弁当に入れる家庭も多いと思いますが、このようなおかずをお弁当に詰める場合も必ず再加熱をしてください。

また最近は、冷凍食品をそのまま詰め、お昼には解凍されて食べ頃になるといった画期的な商品も販売されていますが、家庭で手作りのものでは決してマネをしないでください。食品工場は厳しい衛生管理のもとに商品を製造していますが、家庭で同じ環境を作り出すことはかなり難しいです。必ず加熱・再加熱をしましょう!


2.しっかりと冷ましてから使う

アツアツのまま、小さなお弁当箱の中にぎゅうぎゅうに詰め込むと、熱がこもってしまい腐敗しやすくなります。食材は、必ず冷ましてから詰めましょう! 家庭でやりがちなのが、炊き立てのご飯をそのままお弁当箱に詰めること。本来は、ご飯も一度皿などに広げて冷ましてから詰めるのがベストです。

お弁当

熱いまま詰めると、ご飯粒や容器の隙間に蒸気がこもり、冷めることで水滴になります。これがお弁当を腐りやすくする原因になります。ご飯やおにぎりもできるだけしっかり冷ましてからお弁当箱に詰めるようにしてください。


3.傷みやすい食材と傷みにくい食材を知っておく

傷みやすく、お弁当で特に注意したい食材は、卵、マヨネーズ、じゃがいも、混ぜご飯(チャーハン)などです。子どもが大好きなポテトサラダは、夏場は詰めるのを避けた方がベター。卵は子どもの好みや彩りを考えと外したくないですよね!?入れる場合は、しっかりと加熱してください。生や半熟はNGです。また、混ぜご飯やチャーハンも傷みやすいので注意が必要です。また、汁気のあるものは、しっかり切ってから詰めてください。

逆に、お弁当を傷みにくくしてくれる効果があるものは、梅干し、わさび、しょうが、お酢、カレー粉などです。ですが、これらの食材は子どもが苦手な食品でもあるので無理のない範囲で活用してみてください。


4.味付けは、少しだけ濃い目に!

味付けを濃くすることで、菌の増殖を抑える効果が期待できます。しかし、腎機能が未発達の幼児の食事は薄味で調理をすることが基本です。ですが、お弁当の食中毒予防の観点からは、いつもより少しだけ味付けを濃い目にすると良いかもしれません。

夏場は汗をかきやすく、体内の水分と塩分を失いやすいので、水分だけでなく塩分補給の必要もありますので、少しくらいなら味を濃くしても大丈夫です。


5.できるだけ、直接手で触らない

お弁当

私たち人間の手にも、菌が付着しています。きれいに洗ったつもりでも調理時は冷蔵庫の扉、水道のレバー、フライパンの持ち手などさまざまなところに触れます。

お弁当のおかずを詰めるときは菜箸を使い、おにぎりは、素手でなくラップを活用するなど、できるだけ直接食材に触れないようにしましょう!


6.保冷剤や冷凍品を上手に活用!

お弁当といっしょに保冷剤、ゼリー、果物などを入れるのもオススメです。小さめのゼリーなどは、しっかりと包装してあるので凍らせたものをそのままお弁当箱につめてOK!フルーツは、とけ始めると水分が出るので、別容器に入れましょう!子どももデザートがあると喜ぶはずです。


7.調理器具や詰めるお弁当箱も清潔に!

どんなに注意しても調理器具やお弁当箱そのものに菌が付着していては本末転倒です。しっかりと洗剤で洗い、消毒や乾燥させることが大切です!塩素系洗剤も効果的ですが、流し足りないと塩素臭が残ります。しっかりと洗った後で熱湯消毒をしたり、お酢をしみ込ませたキッチンペーパーで内側をひと拭きしてから詰めるのも効果的です。

注意してもらいたいのは家庭で使っている食器用布巾。清潔に見えても実は菌の温床であることが多いです。詰める前に日常使いの布巾でお弁当箱を拭くのはやめましょう!拭く場合は、使い捨てのキッチンペーパーを使ってください。

子どもを食中毒から守るために

食育

いかがですか?みなさんは無意識のうちにやっていたことはありませんか?上記の7項目を抑えるだけも、大切な子どもを食中毒から守ることができます。ぜひ、夏のお弁当作りの参考にしてみてくださいね!

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中津川かおり

中津川かおり

管理栄養士・料理家。福島県相馬出身。東京家政大学大学院にて食物栄養学専攻修了。大学に助手として勤務後、フリーランスの管理栄養士として独立。レシピ・商品開発、メディア出演や著書・出版も多数手がける。 管理栄養士・料理家・母親として「家族の健康は家庭の食卓から」をモットーに、身近な食材で作りやすいレシピ提案を心がけている。また、大学で講師を務め、栄養士、保育士、介護士などの養成にも尽力。現在は、親子向けの食育イベントや小学校での食育活動、介護食や抗がん剤治療で食べることが困難な子どものための食事支援などにも従事。あらゆるシーンで『食』の大切さへ理解が深まるよう努めている。 著書に「太らない!ただいまご飯(宝島社)」、「サラダ定食(中日映画社)」他多数。

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