復職まで残り数カ月。このまま本当に職場復帰出来るの?【読者企画会議#4】

復職まで残り数カ月。このまま本当に職場復帰出来るの?【読者企画会議#4】

2023.12.29

ジェンダー、性教育、脳科学など独自の切り口で子育てを考えるKIDSNA STYLE。今後世の中に発信するテーマを読者といっしょに考える「読者企画会議」を開催。会議では自由に意見を交換し、KIDSNA STYLEが次に切り込むテーマの芽をいっしょに探していきます。第4回のトークテーマは「産休/育休後の仕事復帰」について。今まさに復職について悩んでいるKIDSNAアンバサダーにオフラインで集まっていただき、どのような点で悩みを抱えているのかお聞きしました。

「育てるを考える」をコンセプトに、他にはない切り口で育児や生き方のヒントを発信してきたKIDSNA STYLEで、読者が潜在的に知りたいテーマを探すべくスタートした企画「読者企画会議」。

前回(第3回)では「子育て中の優先順位」がテーマでした。第4回の今回は「育休後の仕事復帰」をテーマに、今まさに仕事復帰について模索しているKIDSNAアンバサダーの方々にお集まりいただき、悩みや不安について教えていただきました。

座談会参加者

石橋さん(1歳児のママ,保育士)
石橋さん(1歳児のママ,保育士)

来年の4月に復帰予定ですが、自分の仕事をどう調整するのか考えています。

小谷さん(2歳,1歳児のママ,会社員)
小谷さん(2歳,1歳児のママ,会社員)

復帰後の仕事内容はもちろん、これからどういう風に働くかもイメージが持てていないです。

力石さん(0歳児のママ,歯科医師)
力石さん(0歳児のママ,歯科医師)

土日出勤の可能性もある仕事なので、復帰後はどう調整するのか、何時まで働けるのか全く見えないです。

小林さん(1歳児のママ,会社員)
小林さん(1歳児のママ,会社員)

そもそも保育園に入れるかわからないし、復帰後も業務内容はもちろん、人間関係も含めて会社に馴染めるか心配です。

保育園にそもそも預けられるか不安

小谷さん
小谷さん

復職をしたいと思っていても、そもそも自分が希望する保育園に預けられるか、その部分が見えなければ、勤務先とも復帰の話が進まないです。

小谷さん

認可保育園の4月入園を希望する場合、1次募集の当選結果が届くのは1月下旬~2月上旬です。そのため4月に職場復帰を考えていても、結局復職直前まで自分の復帰後の働き方について、勤務先と話し合いたくても話し合えないという、小谷さん。会社側の産休・育休制度の整備について、社会的な関心は高まってはいるものの、やはり復帰する保護者からすれば、依然と不安は残り続けているようです。

一般的に育休前の社内面談は復帰の1~2か月前を目安とされていますが、万が一、保育園の1次募集が落ちてしまった際に、急遽二次募集先も探す必要性が出てくれば、ますます復帰後の、自身のキャリアを考えることは先延ばしになってしまいますし、「こんなつもりじゃなかったのに」と心の余裕もどんどん無くなってしまいますよね。

復帰後に会社に馴染めるのか

小林さん
小林さん

育休中に社内のメンバーが以前とは大きく変わってしまっていて、復帰後にそもそも馴染めるのかが不安です。

異動や転勤が多いような職場であれば、自分が育休中に社内体制が大きく変化する可能性も比例して高くなりがちです。
実際、復帰後の社内体制への馴染み方について、KIDSNA STYLE 元編集長でプロダクトマネージャーの加藤に自身の経験について聞きました。

加藤
加藤

あくまで個人的な体験談になりますが、子どもが保育園に入っても、最初はならし保育だったり半年くらいは体調を崩しやすく欠勤や早退などしょっちゅうでした。職場の理解はありましたが、やはり遅刻や早退、欠勤で迷惑をかけてしまうことに罪悪感はありましたね。ただ、今振り返ってみると当時は気にしすぎてしまっていたのかなと。意外と周りはそこまで気にしていないことが殆どだったりもするのかなとも思うので、その分自分から積極的に社内との共有事項やコミュニケーションを取れているかが大切なのかもしれませんね。

社内の人間関係も、もちろん最初は戸惑うこともありましたが、意外と1・2週間で慣れちゃうものでした。

復職直後は、家事・育児と仕事の両立のために、特に神経質になりやすい時期ではありますが、だからこそ敢えて《気にしすぎない・完璧を求めすぎない》と自分に言い聞かせることが、精神的に楽になる手段なのかもしれません。

気になる復職後の習い事について

力石さん
力石さん

子どもに色々習い事をさせてあげたいけど、共働きになるので、やっぱり送迎の時間を捻出できるのかがどうしても気になってしまいます。

力石さん
加藤
加藤

私の場合、保育園のときは時短勤務をしていたので、始めは、夕方の時間帯でも通わせることが出来る習い事を考えていました。ですが、実際に復職してみると、平日の仕事後はどうしても体力的にきつかったので、土日に通わせることが出来る習い事を選ぶしかなかったです。ただ、小学校に入ってから、平日は学校から家まで送迎付きの習い事に通わせていました。家まで送ってくれるのはやっぱり親としても安心ですよね。

習い事=親が送迎しなければいけないと考えがちではありますが、最近では、送迎サービス付きの習い事はもちろん、オンライン教室など、保護者への負担軽減を考えたサービスが増えてきています。

自分たちの生活スタイルにあった習い事の様式を選択するのも、復職後の負担を減らすための手段となり得ますね。

こちらの記事も読まれています

自分時間の作り方を考える

仕事復帰をしなければいけないものの、現状の家事・育児だけでもハードなのに、果たして自分の時間は取れるだろうか…と悩む方も多くいるかと思います。子どもが小学校入学時には既にフルタイムで勤務していたという加藤に、自分時間の確保について聞きしました。

加藤
加藤

まず始めにお伝え出来るのは、《自分の時間は絶対に作るべき》だと思います。息抜きの時間がないと本当に潰れてしまうので。私のときは、子どもは親に預かってもらうことに加え、要所要所で託児所などを利用していました。コストはかかってしまいますけどね…。後は会社の有給休暇を上手く使うとか。どうしても子どもの体調不良のときに使ってしまいがちではありますが、この日は絶対に一人の時間を作る!と意思を強く持つことも大事なのかなと。どうしても育児をしていると、子どもが第一優先になってしまい、自分のことが後回しになってしまう。だからこそ協力してもらえる周りを巻き込んで、自分の時間を作ったり、自身を労う時間が大切なのではと今振り返ってみても思います。

復職後の家事・育児分担、どうする?

石橋さん
石橋さん

夫との家事育児分担をどうすればいいのか、やはり悩んでしまいます。

復職するにあたって、切っても切れないのがパートナーとの家事・育児の分担。夫婦で助け合いながら家庭を回していくことが理想ではあるものの、現状では、多くの家庭でやはり妻の方が育児負担の比重が重い傾向にあります。

内閣府の調査では、家事・家庭のマネジメントにおける、夫婦の分担状況を調査すると、「妻」「どちらかというと妻」と答えた家庭が、おおむね5割以上、さらには、小さな子どもがいる夫婦で、夫の育児分担割合は約3割との結果が出ています。

※出典 内閣府 男女共同参画白書 令和2年版 特集「家事・育児・介護」と「仕事」のバランス

加藤
加藤

夫婦間での育児・家事の分担は、とにかく早い段階で会話をすることに越したことはありません。線引きをしっかりしないまま、復職してしまうと、気が付いたら休めるのは寝るときだけ、なんて可能性も十分にあります。分担する際には、各家事や育児について何をして欲しいのか、どうやって欲しいのかのシェアもぜひ。夫婦間での摩擦を起こさないためにも、会話をしっかり行うことが大切なんだと思います。

復職は当事者だけの問題じゃない。夫婦間の事前のコミュニケーションが大切。

復職は決して当事者だけの問題ではありません。家事・育児の分担はもちろん、習い事の送迎や、もし保育園に入れなかった時のイフの話、そしてお互いが自分の時間も持てるようにするための工夫など…。特に年末年始にかけて保育園の募集から結果発表までは、子どもに関することはもちろん、自分のキャリアや将来について不安になりがちです。だからこそ、パートナーとコミュニケーションを密に取ることが求められるのかもしれません。

KIDSNA STYLEでは、子育てのヒントを一緒に探していく、KIDSNAアンバサダーを募集中!

【KIDSNA STYLE】一緒に盛り上げてくれるアンバサダーを大募集

この記事を読んだあなたにおすすめ

【心に余裕がない日に読んでほしい】#01 誰かができていても、あなたはできなくてもいい

味方であるはずの夫婦がなぜ「対話」につまづき「対立」してしまう?あつたゆか『共働きのすごい対話術』

2023.12.29

取材レポートカテゴリの記事

“NO”の意思表示、しっかりできますか?【母から娘に受け継がれる「NO」の翼の物語】

彼女はNOの翼を持っている

この連載を見る
主人公・つばさの幼少期のおぼろげな記憶ーー男たちが楽しげに酒を酌み交わす親族の集まり。そんな中「お酌は好きではない」と断る母・時江。その真意とは?そして、つばさもまた、周囲の人びとに変化をもたらしていく……。母から娘に受け継がれる「No」の翼の物語。
夫婦2人で全部は無理?「子育て・家事・仕事」現代子育てに素敵な選択肢を

共働き家庭が増加している昨今、夫婦ともに実家が遠いと、どうしてもシッターが必要になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、共働き家庭のママが有資格者のみが登録できるKIDSNAシッターのサービスをはじめて利用した様子をレポートします。