子どもの習い事「46%が無駄」学びの経験値を最大化するために保護者ができる最低限のサポート

子どもの習い事「46%が無駄」学びの経験値を最大化するために保護者ができる最低限のサポート

2023.10.01

子どもの成長のためを思って選んだ習い事でも、振り返ると「無駄だった……」と感じることがあるかもしれません。今回の記事では、無駄だった習い事とその理由について体験談を交えながらご紹介すると共に、その原因を探ります。せっかくの習い事を無駄にせず、子どもの成長につなげるポイントについても見ていきましょう。

46%が「無駄だった習い事」の経験ありと回答

お子さんやご自身の経験から、過去に「無駄だった……」と思う習い事はありますか? と調査をしたところ、


  • ある 46%
  • ない 54%

という回答が得られました。

お子さんが新しく習い事を始める際は、できれば楽しく有意義な時間を過ごしてほしいと思うもの。習い事で後悔することのないよう、無駄だった習い事の経験がある方の意見を見てみましょう。

【調査概要】

・対象:KIDSNA読者へアンケート調査を実施

・調査期間:2023年8月24日~2023年8月25日

・回答数:50人

【年代別】「無駄だった」と感じるのはどんな習い事?

※写真はイメージ(iStock.com/artplus)
※写真はイメージ(iStock.com/artplus)

子育て中の保護者に、お子さんやご自身のご経験から「習っていたけれど無駄だった……」と感じる習い事のエピソードを教えてもらいました。年代別に、保護者視点、本人視点にそれぞれご紹介します。


【保護者視点】未就学児

 
 

早い方がいいと思い、3歳の頃から子どもに通わせていたスイミングは無駄とは言わないまでも、年長から始めた子とほとんど変わらない状況なので、もう少し遅くてもよかったと思っています。

 
 

1歳後半から習い事を始めましたが、泣いてできないことが多かったです。

 
 

3歳から始めた英語。教材の新調が2回もあり、そのたびに買い直しが必要でした。

 
 

娘が5歳の頃から4年間習わせていたピアノは無駄だったかもしれません。自分からやりたいと言い出した手前、辞めにくかったのだと思いますが、全く練習をせずいつも私に怒られてばかりだったので、自己肯定感を下げてしまっただけだったのではないかと反省しています。

【保護者視点】小学生

 
 

息子が6歳から8歳まで習っていたそろばんが一番無駄だったと思います。勧められるがままに通わせましたが、正直私自身、計算が早くなる以外にそろばんが何の役に立つのか未だによくわからず、息子には申し訳ないことをしたと感じています。

【本人視点】小学生

 
 

小4から中3までやっていた英会話の習い事は個人的に無駄だったと思っています。文法などは学校の授業の方がわかりやすかったし、ネイティブではない先生の英語を聞いてリスニングが鍛えられたかも疑問です。

高校生になって教室を変えてから、グローバルな学びを得たように思います。

 
 

自身の経験で、小学生の時に英会話、ピアノ、そろばん、水泳を習っていて、今でも楽しかった記憶が残っているので無駄にはなっていないなと思うのですが、学習塾だけは肌に合わず、楽しい記憶もないので無駄だったと思います。

【本人視点】中学生以上

 
 

中学受験する時に個人塾と、大手の進学塾両方に通っていました。進学塾は、はちまきをしてみんなでスローガンを唱えたり、夏の合宿では朝から勉強したり山の中を走らされたりして、ストレスが溜まり半年ほどで辞めてしまいました。

私はマイペースな性格なので、大人数で競い合うよりも、少人数の個人塾のほうが合っていたのだと思います。

 
 

学習塾、通信教材、英会話教室、家庭教師、進学塾など、学習について色々と手を尽くしてもらいましたが、どれも勉強という意味では効果なしでした。

経験や話のタネとしては生きてる部分もあるので一概に無駄とは言えないですが、勉強系は投資に見合った効果は残念ながら今も得られていません。

学習塾や英会話教室、ピアノなど、定番の習い事は経験者が多い分、無駄と感じる人も多いのかもしれません。

また、今回はお子さんの経験と、ご自身の経験の両方を聞きました。保護者目線では「無駄だった」と感じていても、子どもはポジティブな感想を抱いている可能性もあります。

一方で、年齢が上がるにつれ、ご自身の経験から「無駄だった」と感じた経験が多く寄せられるという傾向が見られました。

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習い事が「無駄だった」と感じるのはなぜ?

せっかく始めた習い事を「無駄だった」と感じてしまうのはなぜでしょうか。考えられる理由を見ていきましょう。


保護者と子どもの意向がずれている

保護者が子どもに習い事を強制したり、保護者の希望や興味に基づいて習い事を選ばせたりすることがあります。

特に、幼児期の幼い子どもは他にどんな習い事があるのか比較することができなかったり、そもそも何に興味があるのかもわからなかったりするため、保護者の意向が反映されやすくなるのかもしれません。

保護者の希望を子どもに促し、結果的に習い事を無駄にしないためにも、習い事を始めるタイミングだけではなく、定期的に子どもが習い事を楽しんでいるか聞いてみるとよいでしょう。


親が子どもの習い事への関心が薄い

※写真はイメージ(iStock.com/Kativ)
※写真はイメージ(iStock.com/Kativ)

習い事を始めるのは簡単ですが、継続して意欲を持って取り組めているか、家庭で子どもの習い事の練習している様子や取り組み方について、練習に付き合うなどしてサポートをすることも習い事を無駄にしないためには大切なことかもしれません。

子どもが習い事の成果を感じられず、興味を失ったり、挫折したりする前に、見守ったり声をかけたりして、保護者は子どもの成長を認めてあげられるとよさそうです。


子どもが習い事への関心を失っている

子どもが習い事を苦痛に感じる場合、後から振り返って「無駄だった」と感じることがあるのかもしれません。

体験会などで楽しかったため「やりたい」と言ったものの、続けていくうちに興味が薄れたり、楽しくなくなることもあるでしょう。他の子どもとの過度な競争やプレッシャーに晒されストレスに感じ、好きだった習い事が苦痛になっていることもあるかもしれません。

また、子どもの興味関心は成長とともに変化するため、最初は熱中していた習い事も、しばらくすると興味を失ってしまうことがあります。習い事が子どもの興味に合わなくなってしまった場合、無理に続けさせることでその習い事が嫌いになってしまうなどの逆効果になることも考えられます。


習い事が子どもの負担になっている

※写真はイメージ(iStock.com/Juanmonino)
※写真はイメージ(iStock.com/Juanmonino)

保育園や幼稚園、小学校の後や、休日の習い事が子どもの日常生活において負担になっていると、ストレスや疲労が溜まり、習い事に対してモチベーションが上がりにくくなるかもしれません。そのような状態が続けば、結果的に習い事が「無駄だった」と感じることもあるでしょう。

休息の時間や、遊ぶ時間なども含めて、子どもがバランスよくさまざまなことが行えるよう無理のないスケジュールかを考えてみると良いかもしれませんね。

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効果が見えづらい

0歳の頃から習い事を始めましたが、乳飲み子の頃から始めても覚えているはずもないし、1年続けても意味がなかったです。

子どもが英会話教室に通っていますが、1年以上経った今でもアルファベットがわからなくて愕然としました。先生はリスニングとスピーキングを重視しているとは言っていましたが……さすがに無駄でした。

息子は習字を4年間習っているはずなのに字が汚いです。

保護者としては、お金を払い時間を費やして習い事に通わせているため、ある程度の期待を寄せてしまうものなのかもしれません。なかなか効果が見えないと「これまでのことが無駄だった」と感じてしまうのでしょう。


金額が高い

※写真はイメージ(iStock.com/Hero Images)
※写真はイメージ(iStock.com/Hero Images)

バレエを習っていますが、とにかくお金がかかります。衣装代に加え、年に数回ある発表会、その前はレッスンも増えるのでお月謝にプラスアルファでお支払いしています。

娘は小さい頃から動物が大好きなので乗馬を習っています。月会費の他、騎乗料もかかることはわかっていたのですが、交通費や毎回の家族分の食事代など、諸費用がかかり少し後悔しています。

どこかで活かせる習い事ではないので、続けても趣味になると思うのですが、娘が楽しんでいるからいいかと割り切っています!

流行りに乗ってプログラミングを習わせました。ゲームを作るコースとロボットを組み立てるコースに週2回通っています。

子どもが楽しんでいるので無駄ではないと思いますが、専用のパソコンも買った以上、ある程度修得してもらわないと無駄になるかもしれないと思ってしまいます。

習い事によっては月に数万円かかるものもあり、費用対効果が気になる保護者は多いのではないでしょうか。

質の高い指導者やプログラム内容、習い事をするために最適な環境の維持など、習い事が高いことには理由があるはずです。子どもが習い事によって得たいものは何なのか、定期的に見直しながら費用対効果を考えられるとよいのかもしれません。


子どもに合わない

5歳の頃、私と違って運動神経がよくなってほしいと思い、体操教室に通わせていましたが、先生の指導が熱心だったのか、周りの子はできるのに自分だけできないことが多いせいか、次第に行くのを嫌がるようになりました。

子どもに合っていなかったんだと思います。今は、お絵描き教室がお気に入りのようで毎回楽しみにしています。

ピアノの同じクラスに同じ幼稚園の少し意地悪な子がいたので、習い事に行く時間になると「行きたくない」と泣き出すように……。

ピアノは続けたいということだったので、他の教室に変えました。あのまま辞めていたら無駄になっていたかもしれません。

子どもと習い事が合っていないと感じる場合は、子どもとコミュニケーションをとりながら、新たな選択肢を探ることが解決策となるのかもしれません。

「なぜ合わないか」を考えることで、「何が合うか、何がしたいか」を考えるきっかけとなるため、子どもの可能性を最大限に引き出す結果につながる可能性もあります。

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習い事を無駄にしないために保護者ができること

習い事を「無駄だった……」と思わないためのポイントを3つ紹介します。


習い事を選ぶ時に子どもの興味関心を重視する

※写真はイメージ(iStock.com/JGalione)
※写真はイメージ(iStock.com/JGalione)

子どもの興味や適性に合った習い事は、将来的に無駄だった習い事になりにくいかもしれません。

子ども自身が熱中し、楽しんで取り組める習い事を選ぶことで、子どものモチベーションが高まり、何かしらの成果が得られることもあるでしょう。


習い事の目的を確認する

目的を確認することで、子どもは習い事に対する具体的な目標を設定でき、保護者もそのためのサポートをすることができます。目標が明確になると、取り組むべきことや向上すべき点が明確になり、より効果的に習い事を続けられるでしょう。

もし辞めることになっても「ここまではできた」という自信になり、無駄だったと感じることはないのかもしれません。

一方で、「習い事で子どもの自己肯定感を伸ばしたい」「ただ楽しめればいい」ということが目的となっている保護者も多いのではないでしょうか。楽しみながら自信を育むためには、その習い事が、子どもの興味や得意な分野に合った習い事であることが大切なのかもしれません。

子どもとの会話の中で、習い事を楽しめているか確認しましょう。


親子・兄妹で取り組む

習い事の先生やコーチ任せにせず、保護者が関心を持つことによって子どもが習い事に対して前向きに取り組める可能性が高まるでしょう。

また、兄妹がいれば同じ習い事をすることで共通の話題ができたり、お互いに刺激になったりするかもしれません。

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「無駄な習い事」はないのかもしれない

※写真はイメージ(iStock.com/Imgorthand)
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ここまで体験談を交えながら無駄だった習い事や、習い事を無駄にしないポイントなどをお伝えしてきましたが、どのような習い事であっても、考え方によっては無駄な習い事ではないのかもしれません。

習い事は単なるスキルや知識の習得だけでなく、成長や経験の場でもあります。子どもたちが自己肯定感を高め、挫折や努力を経て成長していくプロセスは決して無駄ではなく、人間形成のための重要な過程と考えることもできるでしょう。

習い事の成果だけでなく、子どもが得る経験や喜び、努力する姿勢を大切にし、子どもの成長を喜べるとよいですね。

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