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【小児科医監修】子どもの平均体重をどう捉えるか。一般的な推移や体験談
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医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック
医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック
日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。
保護者にとって子どもの成長はなによりも嬉しいもの。我が子の体重が順調に推移しているかどうか、平均的な成長なのか、気になる保護者も多いのではないでしょうか。今回は、年齢別の平均体重や成長曲線などのデータを始め、子どもの体重にまつわるエピソードを紹介します。
0~6歳の年齢別平均体重
文部科学省による『乳幼児身体発育調査』(2010年)によると、0歳から6歳の年齢別平均身長は以下の通りです。
平均値を見ると、生まれたとき3kg程だった赤ちゃんも、生後1カ月では4kg程になり、1歳になると男の子は9.24kg、女の子は8.68kgまで成長するようです。たった一年間で約3倍まで体重が増えるのです。
7歳~12歳の平均体重
次に、文部科学省の『令和元年度学校保健統計調査』による、7歳から12歳までの子どもの平均体重を見てみましょう。
男女ともに7歳から12歳までの間に、平均20kg程も体重が増えていることがわかります。
成長曲線の見方
母子健康手帳に載っている、子どもの成長曲線は以下の通りです。
成長曲線にはパーセンタイル(百分位)という3、10、25、50、75、90、97の数字がついた基準線があり、3パーセンタイルの曲線は100人のうち前から3番目、10パーセンタイルは前から10番目に当たる子どもの体重を示しています。
もし成長曲線で示されている3から97パーセンタイルの間から多少外れていても、曲線のカーブが基準線の動きに沿って推移していれば適正と考えます。
一方で基準線から大きく逸れていて、その他にも心配な要素がある場合には、健診の際に相談したり、小児科を受診してみるとよいでしょう。
子どもの体重の目安とは
子どもの体重の目安として、0~5歳ではカウプ指数、6~18歳までは肥満度、という計算式が用いられることがあります。
カウプ指数(0~5歳)
カウプ指数とは、生後3カ月~5歳までの子どもの栄養状態や体格をあらわす指数です。大人の肥満度などを示す指標であるBMIと同様に「体重(g)÷身長(cm)÷身長(cm)」という計算式で算出されます。算出された値が14以下の場合は痩せぎみ、15~17の場合は普通、18以上では太りぎみとされています。
身長に対して体重が多いか少ないかを簡単に確認できるのが、カウプ指数の特徴です。
肥満度(6~18歳)
カウプ指数は5歳までの子ども、BMIは大人に用いるのに対して、6~18歳の子どもの場合は、肥満度という指標を用いることがあります。「100 × (現在の体重ー標準体重)÷標準体重」の計算式で算出します。
標準体重とは、文部科学省の学校保健統計調査報告書(2000年) の データに基づく年齢・性・身長別の標準体重を用います。肥満度は、体重が標準体重よりも重ければプラス、軽ければマイナスのパーセンテージとなり、もし標準体重と全く同じだった場合には肥満度 0%と表されます。
体重を測るタイミング
子どもの体重はどのくらいの頻度で計測するのがよいのか、不安に思う保護者もいるかもしれません。生まれたばかりの赤ちゃんの頃は、発育に異常がないか、また母乳で育てている場合は母乳がしっかりと出ているかを確認するためにも、こまめな計測が必要と言われることも多いでしょう。
1カ月健診で問題がなかった場合、それ以降は1カ月に1回ほどを目安に計測していれば問題ありません。子どもの体重の増え方は一様ではなく、急に増える時期もあれば、あまり増えない時期もあります。中長期的に見て増えていれば心配ないので、こまめな計測は必要ないでしょう。
ただし、母乳がしっかりと出ているか不安な場合や、なにか心配なことがあるときには、小児科や子育て支援センターなどにベビースケールがあることが多いので、測らせてもらうとよいでしょう。
子どもの体重にまつわる体験談
6歳児のママ
5・3歳児のママ
4歳の長男が平均よりも小さく、2歳半の長女が平均よりも大きいため、よく双子に間違えられます。体重は長女が2歳になった頃に長男を追い越しました。まだ成長途中だし、体形も個性だと思っているので親としては気にしていませんが、本人たちが体形を気にするようになったときに、うまくフォローできるか少し心配です
小学生のママ
三年生の娘は生まれた頃からずっと平均よりも上の体重を推移しています。身長は平均くらいなので、少しぽっちゃりしているのかなと思います。深くは考えていませんが、おやつはゼリーなどカロリーの低いものをなるべくストックするようにしています
8・5歳児のママ
5歳の長女は身長・体重ともに成長曲線の一番下のラインをギリギリ推移しています。食事も平均的な量を食べているのですが、なかなか増えないことに少し不安を感じています。最近は毎朝牛乳に溶かすタイプの栄養機能食品をあげるようにしています。
小学生・中学生のママ
男女混合の3人兄妹ですが、小さいうちは男の子の方が体重が軽かったです。特に長男は平均よりも軽かったので少し心配はしていましたが、大きくなると逆転することも多いし、元気に育っていれば多少の誤差は気にしなくてよかったなと思っています
小学生のママ
上の子は1カ月検診で体重の増加が少ないと指摘をされ、3カ月頃までは毎日体重を測るくらい気にしていました。ですが、五カ月検診では体重増えすぎと指摘を受け、「どっちだよ」という気持ちになり、そこからはあまり気にしなくなりました。
下の子も体重が平均よりも軽い時期がありましたが、「抱っこがラクだからラッキー」と捉えていました。ぷくぷくでも可愛いし、小柄でも可愛いし、大きくなったら逆転することもあるし、あまり気にしなくてもよいと思います。
平均値は参考程度に見守ろう
何事も平均から離れていると、ついつい不安に思ってしまうのが親心。しかし、子どもの成長のペースやタイミングは人それぞれ違います。平均値はあくまでも目安として、体重だけではなく普段の子どもの様子や変化を見ながら、成長を見守ってあげましょう。
監修:保科しほ
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保科しほ
日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。
乳児の頃に比べるとあまり体重の変化を気にしなくなり、娘が元気そうならいいかなと思っています。体重がなかなか増えなくて心配していた時期もありましたが、主食をおにぎりやオムライスなど子どもの好みのものにすると食べ進みが良くなり、体重も増えやすかったです。