小学生のお金教育はどうする?金銭感覚を身につける方法や体験談【FP監修】

小学生のお金教育はどうする?金銭感覚を身につける方法や体験談【FP監修】

2024.04.01

Profile

豊田 眞弓

豊田 眞弓

ファイナンシャルプランナー/子どもマネー総合研究会 理事

ファイナンシャルプランナー、子どもマネー総合研究会理事。 マネー誌などのライターを経て、94年より独立系FP。ライフワークとして数多くの金融教 育に携わってきた。亜細亜大学ほかで非常勤講師も務める。趣味は講談、投資。

お金の教育をすることは大事だとは聞くけれど、自分が教えてもらった記憶や専門知識がなく、どのように教えていいのかわからない人も多いでしょう。小学生は興味の幅がどんどん広がっていく時期で、大人に対する憧れがあるので、お金の教育をするにはよい時期かもしれません。本記事では、小学生のお金教育の方法や、体験談を紹介します。

小学生にお金の教育は必要?

お金についての漠然とした不安を持つ大人は少なくないでしょう。この漠然とした不安というのは、お金についての教育を受けていないこと、お金について知識が少ないことが、理由のひとつにあります。

先入観の少ない小学生のうちからお金教育を受けることによって、得体の知れない不安をなくし、お金との上手な付き合い方を身につけることができるでしょう。

また、大人になるとお金の管理は自分でしないといけません。限られたお金をやりくりしたり、貯金をしたり投資をしたり。それを子どもが自分でできるようになるために、親がすべてを管理しすぎないように気を付けましょう。お金に関する経験を早めに積むことで、生涯役に立つ金銭感覚を身につけられるでしょう。


画像
※写真はイメージ(iStock.com/takasuu)

5~6歳の子どもに「なぜお金が大切なのか」をちゃんと伝える方法

お金教育はむずかしい?

小学生の子を持つ保護者は、どのようなときに「お金について子どもに教えるのはむずかしい」と思うのでしょうか。

3年生のママ
3年生のママ

昔よりはよくなったといえ、今でも日本ではお金の話はタブーとされることが多いように思います。お金のことをどの程度子どもに伝えていいのか迷います。

2年生のママ
2年生のママ

コンビニやスーパーで買い物をするときは、電子マネー。ソーシャルゲームの課金は目に見えない。小さいうちからそのような環境にいる子どもたちは、お金の流れや概念を本当に理解できているのか怪しいです。

画像
※写真はイメージ(iStock.com/hikastock)
4年生・2年生のママ
4年生・2年生のママ

高校生になると、投資についても学校教育で学ぶと聞きました。私は投資についてあまり詳しくないので、まずは自分自身が勉強しないといけないと感じています。

3年生のママ
3年生のママ

わりと倹約家の家庭で育った私と、浪費家の家庭で育った夫とでは、金銭感覚がまるで違います。財布が別なので、夫婦としてはあまり問題がなかったのですが、子どもがかかわってくると衝突も増えました。子どもが肩たたきをしただけで夫は200~300円もあげるので、お金の価値が伝わらないのでは...と危惧しています

小学1年生からのお金教育のやり方とは

小学生になってから、お金の教育をしてみようと考えるママ・パパもいるかもしれません。ここでは、具体的にどのようにお金教育をしたらよいのかを紹介します。


画像
※写真はイメージ(iStock.com/Satoshi-K)

お金に触れる機会を徐々に増やす

日々の生活を通して、お金に触れる機会を少しずつ増やしていきましょう。たとえば、まだ使えるものを捨てようとしたときには、「これは〇〇円で買ったものだよ。まだ使えるのに捨てたらもったいないよ」と、ものを大事に使うことと、お金の関係について伝えることができます。

また、生活をするにはさまざまなことにお金がかかること、お金は使ったら減ること、働くことでお金が入ることなどを、折りに触れて話すとよいでしょう。

おこづかいやお年玉の使い方を、自分で考えさせる

おこづかいやお年玉の管理は、小学生になってから自分でさせるという家庭もあるでしょう。ただ、いきなり全てを子どもに任せることは危険です。子どもが自分の財布に入れておくことはよいですが、使うときは親に申告するようなルールにするのがよいでしょう。

子どもとの対話を通して、お金は使ったらなくなってしまうので使い道を考えて使わないといけないことや、とっておいたら欲しいものが出てきたときに使えることなどを伝えていきましょう。


画像
※写真はイメージ(iStock.com/Kana Design Image)

銀行や電子マネーの概念はお金に慣れてきてから教える

大人の生活では、銀行に貯金していたり、日々の決済はクレジットカードや電子マネーを使うことが多いでしょう。ただ、いきなり子どもにこれらを教えても、理解するのはむずかしく、お金を実態としてつかみにくいものです。おつかいを頼むときには、電子マネーを渡すことはせず、現金でまずはお金の感覚を身につけさせましょう。

お金に慣れてきたら、小学校高学年頃を目安に、子どもの預金通帳を作って見せてあげたり、電子マネーで払ったお金はどこから出ているかなどを説明してあげるとよいかもしれません。

イベントの企画と予算計画を子どもに任せてみる

画像
※写真はイメージ(iStock.com/visualspace)

たとえば誕生日会やクリスマス会などのイベントの企画と、予算の管理について子どもに任せてみるのも、お金教育のひとつの手段です。まずは、イベントで何をしたいのか、それを実現するにはいくらお金がかかるのか、合計でどのくらいのお金が必要なのかを考えさせてみましょう。

それが予算内でおさまるのかどうかを管理していくなかで、キャッシュフロー(お金の収支バランス)について学んでいくことができます。また、自分に関係があるイベントであれば、当事者としてお金に関して真剣に考える機会にもなるでしょう。


5~6歳のうちに体験しておきたい「お金の教育」。お金を貯める方法

こちらの記事も読まれています

小学生向けお金教育のポイントは?

画像
※写真はイメージ(iStock.com/Yagi-Studio)

小学生のお金教育をスムーズに進めるには、日常的にお金の話をすることが重要です。お金の話をすることは、決して悪ではないので、生活のなかで自然と話題にするように心がけましょう。

また、子どもがお金に振り回されないように、自制する心を育てることが必要です。子どもの頃から無駄づかいばかりしていると、大人になっても浪費癖が抜けない人もいます。無駄な使い方をしていないか、子どもが小学生のうちは親がしっかりと見守ることが大切です。


体験談

小学生のお金教育についての体験談を聞きました。

画像
※写真はイメージ(iStock.com/PeopleImages)
小学2年生のママ
小学2年生のママ

私が子どもの頃は、お金の話は明るい話題ではない印象でした。ただ、お金は生きていくうえで欠かせないし、タブーな話題ではないので、子どもとは積極的にお金について話したいと思っています。自分でお金を稼ぐ喜びも知ってほしいなと思います

小学2年生のママ
小学2年生のママ

娘が小学生になり、友だちと遊ぶようになると、友だちの家庭との金銭感覚の違いが見えてきました。トラブルにならないように、友だちと遊ぶときにはお金は持たせないようにしています。

小学4年生のパパ
小学4年生のパパ

子どもには投資の考え方を伝えたいと思っています。もらったお年玉は使ってもいいけど、使わずに1年間とっておいた分は+20%になる、というルールで運用しています。

増えた分は、私がポケットマネーからあげているので、ちょっと負担ではありますが、投資で増える喜びを知ってもらえたら嬉しいです。


小学生になったら始めよう。家庭で取り組む、子どものお金の教育

生活のなかでお金教育に触れよう

画像
※写真はイメージ(iStock.com/Maxxa_Satori)

小学生のうちからのお金教育が大事といっても、特別なことをする必要はありません。生活をするなかで、折に触れてお金について話したり、おこづかいを通してお金について親子でいっしょに考える機会を持てるように工夫してみてはいかがでしょうか。


監修

Profile

豊田 眞弓

豊田 眞弓

ファイナンシャルプランナー、子どもマネー総合研究会理事。 マネー誌などのライターを経て、94年より独立系FP。ライフワークとして数多くの金融教 育に携わってきた。亜細亜大学ほかで非常勤講師も務める。趣味は講談、投資。

この記事を読んだあなたにおすすめ

【子どものミライ】地上と宇宙をつなぐ宇宙エレベーター

配偶者も子どもも自分の「持ちもの」ではない。個を生きる「家族」【拡張家族Cift】

2024.04.01

レクチャーカテゴリの記事

天才はどう育ったのか?幼少期〜現在までの育ちを解明

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。ぜひご覧ください。
夫婦2人で全部は無理?「子育て・家事・仕事」現代子育てに素敵な選択肢を

共働き家庭が増加している昨今、夫婦ともに実家が遠いと、どうしてもシッターが必要になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、共働き家庭のママが有資格者のみが登録できるKIDSNAシッターのサービスをはじめて利用した様子をレポートします。