幼児のお金教育はどう進める?お金の使い方を学び金銭感覚を養うには【FP監修】

幼児のお金教育はどう進める?お金の使い方を学び金銭感覚を養うには【FP監修】

子どもには、お金の大切さを知り、しっかりとした金銭感覚を持ってほしい。多くの保護者がそう願うことでしょう。でも、お金の話を子どもに伝えるのはむずかしいですよね。本記事では、幼児期の子どもにお金教育をする具体的な方法やポイント、保護者の体験談を紹介します。

幼児にお金教育は必要?

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※写真はイメージ(iStock.com/mapo)

保護者のなかには、「幼児にお金のことを教えるなんてまだ早い」「お金の話はあまりしたくない」などと考える方もいるかもしれません。しかし、お金教育は小さな子どもにとっても知っておくべき意義のあることです。

お金は生きていくうえで欠かせない、とても大切なツールです。働くことによって得られるものであり、使えばなくなります。正しい金銭感覚を身につけるためには、幼児期からお金を身近な存在として感じているとよいでしょう。

また、お金には紙幣・貨幣含めて多くの種類があり、同じ金額でも複数の支払い方がありますよね。お金教育によって、数や計算の感覚を身につけることにも役立ちます。

さらに、金銭感覚を身につけることによって、欲しいものがあったらなんでも買ってもらおうとするのではなく、ときには我慢する心も養うことができたり、お金教育がもたらすメリットは多岐にわたります。


幼児期のお金教育の具体的な方法

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※写真はイメージ(iStock.com/Yue_)

それでは、具体的にはどのようにして、幼児に対してお金教育をしていけばよいのでしょうか。


お買い物ごっこ

まずは、お買い物ごっこをして、お金を使う疑似体験をしてみましょう。おもちゃなど家にあるものに、紙などで値札をつけていきます。おすすめの方法は、幼児でもわかりやすいように、1円玉だけを使うこと。値段もわかりやすいように、1円~3円あたりで設定するのがよいです。

最初は保護者がお客さん役になり、「これはいくらですか?」と聞いたり、お金を払う様子を見せてあげましょう。子どもが慣れるまでは、一度に買うものは、ひとつだけのほうがよいかもしれません。

次に、役を交代して、子どもにお客さん役をやってもらいます。子ども用の財布や買い物カゴなどを用意してあげると、より楽しんでお買い物ごっこができますよ。


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※写真はイメージ(iStock.com/Valeriia Mitriakova)

一緒に買い物に行く

お買い物ごっこで練習をしたら、実際のお店に買い物に行ってみましょう。品物を選ぶときには、「こっちのリンゴは100円だけど、あっちのリンゴは130円だね」と値段を比較してみたり、お会計をしたあとは「170円の買い物をして200円を払ったから、おつりは30円だったよ」などと、口に出してみましょう。

子どもは、同じ種類のものでも値段が違うことや、おつりがあることなど、お金にまつわるより実践的なことを学んでいきます。

おつかいをさせる

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※写真はイメージ(iStock.com/Orbon Alija)

お買い物ごっこや保護者とのお買い物体験に慣れてきたら、ひとりでおつかいをさせてみましょう。もし家の近所にお店がなかったり行き帰りが心配な場合は、いっしょにお店に行き、商品を選んでレジでお会計をするところだけをやってもらうのでもよいです。

広いスーパーや車が通らない商店街であれば、保護者が少し離れたところから見守ることができます。ひとりで買い物をするには店員とのやりとりが必要なので、やり遂げたときには達成感を味わい、子どもの自信にもつながるでしょう。

おこづかい帳をつける

子どもが数字やひらがなを書けるようになったら、おこづかい帳をつけさせてみるのもよいでしょう。子どもが自分でできるようになるまでは保護者がサポートし、書き方や見方を教えてあげましょう。おこづかい帳をつけることで、お金の収支を理解し、自分でお金の管理ができるようになっていきます。

また、お手伝いをしたらおこづかいをあげる家庭もあるでしょう。これは、働いてお金を稼ぐという原体験になります。ただし、何かをしたら必ずおこづかいがもらえると子どもが勘違いしてしまう可能性もあります。

あるいは、おこづかいをもらえないとお手伝いをしない子どもになってしまっても困りものです。子どもとしっかりコミュニケーションを取りながら、家庭の方針を決めるとよいでしょう。


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※写真はイメージ(iStock.com/flyingv43)

幼児のお金教育のポイント

幼児期のお金教育をスムーズに進めるポイントを紹介します。

始めるタイミング

幼児期からお金教育をするのがよいとはいっても、早ければ早いほどいいということではありません。目安として、子どもは4歳前後にお金に興味を持ち始めることが多いです。保育園や幼稚園でもお買い物ごっこをしているかもしれません。子ども本人がお金に興味を持ち始めた様子があれば、チャンスを逃さずにお金教育を始めてみましょう。

時には我慢する必要を教える

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※写真はイメージ(iStock.com/Zarina Lukash)

おこづかいをもらったら何でも好きに使うのではなく、時には貯めておくということも知る必要があります。子どもが高額なものを欲しがったときには、お年玉やおこづかいをどのくらい貯めたら買えるのか、いっしょに考えてあげましょう。

保護者が楽しんでお金教育をする

なかには、お金の話をするのはタブー、という感覚を持つ人もいますが、そうではありません。お金の話をするときや買い物をするときに、保護者自身が明るく楽しくしましょう。

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体験談

幼児期のお金教育に関する保護者の体験談を聞きました。

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※写真はイメージ(iStock.com/MarsYu)
8歳・5歳児のママ
8歳・5歳児のママ

上の子が1年生、下の子が年少のときから、お手伝いをしたらおこづかいをあげるようになりました。下の子はまだ小さいので、お金を自分で管理できるのか心配でしたが、わりとすぐにお金の大切さに気付いてくれました。

欲しいものがあれば自分のおこづかいから買うけれど、どうしても欲しいわけではないときはやめておく、という選択がしっかりとできています


5歳児のママ
5歳児のママ

子どもとスーパーに買い物に行くと、好きなおやつを自分で選んで持ってきますが、そのときに値段を自分で確認して、申告してもらうようにしています。

おもちゃがメインであるような商品は必要以上に高いことなどを理解してきたので、お金の感覚が身についてきたなと感じています


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※写真はイメージ(iStock.com/Yagi-Studio)
3歳児のママ
3歳児のママ

娘はおもちゃのお金を使ってお買い物ごっこをするのが好きですが、実際に私が買い物をするときはほとんどが電子マネーなので、そのあたりはどう理解しているのか、今のところはわかりません。

6歳・2歳児のママ
6歳・2歳児のママ

年中まではお年玉を子どもの銀行口座に貯金していましたが、年長からは自分の好きに使ってもいいとしています。ただ、そうは言っても、どんどん好きなものを買おうとする息子を見ていると、ついつい口出しはしてしまいますが......。

最近はおこづかい帳のつけ方を教えているので、お金の流れが可視化することによって、お金を大事に使えるようになればいいなと思っています。


お年玉をもらったら教えよう。子どもと楽しく学ぶお金のこと

幼児期は楽しみながらお金教育をしよう

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※写真はイメージ(iStock.com/PeopleImages)

幼児期のお金教育は、子どもが生きるうえで大切な価値観を養うための第一歩です。子どもが将来困らないように、正しいお金の使い方や金銭感覚を身につけさせてあげましょう。生活のなかで、親子で楽しみながらお金教育ができるとよいですね。


監修

Profile

豊田 眞弓

豊田 眞弓

ファイナンシャルプランナー、子どもマネー総合研究会理事。 マネー誌などのライターを経て、94年より独立系FP。ライフワークとして数多くの金融教 育に携わってきた。亜細亜大学ほかで非常勤講師も務める。趣味は講談、投資。

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