【入学準備】登下校の練習は必要?絶対チェックしたいポイント

【入学準備】登下校の練習は必要?絶対チェックしたいポイント

2025.09.17

小学校入学を控え、持ち物チェックを念入りに行っている保護者は多いと思います。入学準備で意外と盲点なのが、登下校の練習。普段の子どもの様子から「必要ないのでは?」と思っている保護者は多いかもしれませんが、実は登下校は危険でいっぱいなのです。この記事では、登下校の練習がなぜ必要なのか、登下校の練習をする際はどんな点に気をつけたらよいのかなどを徹底解説。小学校入学を控えている保護者は、ぜひ熟読してください。

登下校の練習はなぜ必要?「魔の7歳」とは?

画像
LiezDesign - stock.adobe.com/jp

内閣府が発表した令和7年度版の交通安全白書によると、小学生の交通事故死者・重傷者数は「歩行中」が半数以上を占めており、加えて歩行中の事故のうち4割近くが「登下校中」に起きているようです。

また、13歳未満の子供が被害者となった刑法犯の認知件数のうち、もっとも件数が多いのは「略取誘拐」です。不審者による声掛け事案の発生時間帯は14〜18時の下校の時間帯がもっとも多く、登下校中は交通事故だけでなく不審者による連れ去りなどにも注意が必要なことがわかります。

内閣府|令和7年度版 交通安全白書
警視庁|令和元年版 警察白書

「魔の7歳」と呼ばれる小学1~2年生

警視庁のデータによると、2020年~2024年で歩行中の交通事故死者・重症者数がもっとも多い年齢は7歳であり、とくに4月から6月にかけて増加しているようです。このことから、特に交通事故にあいやすい年齢として「魔の7歳」と呼ばれているようです。

7歳は小学校に入学する年であり、それまで保護者に送迎されていた子どもが一人で行動するようになります。7歳の交通事故が多い理由は、行動範囲が広がる一方で、交通ルールへの理解が不十分だったり、会話や遊びに夢中になって注意が散漫になったりする点が挙げられます。また7歳ごろの子どもは身長が低いため、ドライバーから見えにくい点も要因となっているようです。

警視庁|令和7年春の全国交通安全運動の実施について

登下校の練習で注意すべきポイント

登下校の練習は、ただ道順を覚えることが目的ではありません。実際に登下校が始まったときに困らないよう、下記のポイントに注意しながら行いましょう。

画像
Paylessimages - stock.adobe.com/jp

通学路や交通ルールに慣れておく

ほとんどの小学校では、児童がなるべく安全な道で登下校できるよう「通学路」を設けています。登下校の練習をする際は、実際にランドセルを背負った子どもと一緒に通学路を歩いてみましょう。意外と体力が持たないことに気づくかもしれません。

また「赤信号では止まる」といった基本的な交通ルールはもちろん、信号のない横断歩道ではどうするのか、ガードレールのない細い道ではどのように歩くのがいいのかなどを親子で話し合っておくと安心です。

子ども目線で危険な場所をチェックする

子どもは身長が低いため、思わぬところに危険が潜んでいることがあります。例えば、柵や看板などで見通しが悪い場所や子どもの足では急いで渡らなければ間に合わない信号など、実際に歩いてみて気づくこともあるでしょう。

危険を感じる場所があったら子どもと一緒に「ここは特に注意だね」と話し合っておくのも重要です。

【交通事故編】子どもを危険からから守るためのチェックポイント

大人にとっては当たり前に感じることでも、初めて一人で登下校する子どもにとってはつい見落としてしまいがちなポイントは多くあります。登下校の練習が難しい場合も、ぜひ以下のチェックポイントを参考に親子で話しあいましょう。

画像
maroke - stock.adobe.com/jp

横断歩道を渡るときの注意ポイント

小学1年生の歩行中の交通事故の多くは「横断中」に起きています。道を横断するときは、以下のポイントに気をつけましょう。

  • なるべく歩道橋や信号機のある横断歩道を使用する
  • 車道に入る前は必ず1度止まる
  • 信号が青でも車が止まっているかを確認してから渡る
  • 遠くのほうもよく見て自動車や自転車が来ていないか確認する
政府広報オンライン|小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約2.9倍。新1年生を交通事故から守るには?

見通しが悪い場所を歩くときの注意ポイント

見通しが悪い曲がり角や交差点では、車や自動車が急に飛び出してくる可能性があります。また停車中の車があったり、立て看板が置いてある場合も注意が必要です。見通しが悪い場所では、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 歩きながらではなく、一度きちんと止まって確認をする
  • 先に顔だけを出して様子をうかがう
  • エンジン音などにも注意する

雨の日の注意ポイント

雨の日は視界が悪く、雨の音でエンジン音がかき消されることも多いため事故が増えやすい傾向があります。雨の日は以下のポイントに気をつけましょう。

  • 傘ごしに前が見られるよう、透明のものを使用する
  • 目だけでなく耳でも危険を察知できるように気をつける
画像
リリ - stock.adobe.com/jp

時間帯による注意ポイント

登校時は、多くの人が通勤などでせわしなく動いています。また道によっては大型のトラックが多い場合もあるでしょう。逆に下校時は人通りが少ない道もあるため、登校時とは違った危険性もあるはずです。時間帯によって道路状況が変わる場所は以下のポイントに気をつけましょう。

  • 道路を横断する際は運転手と目が合ってから横断する
  • トラックのドライバーからは子どもが見えにくい点を理解しておく
  • なるべく明るい、人通りが多い場所を選んで歩く

こちらの記事も読まれています

【犯罪編】子どもを危険からから守るためのチェックポイント

登下校中は、事故だけでなく犯罪に巻き込まれないような注意も必要です。下記のポイントをチェックするとともに、改めて親子で防犯についても話し合っておきましょう。

「い・か・の・お・す・し」

近年は共働き世帯の増加や高齢化により、登下校時の見守りが少ない傾向にあります。子どもが自分の身を自分で守れるよう、「い・か・の・お・す・し」という防犯標語を繰り返し確認しましょう。

  • いか……知らない人について「いか」ない
  • の……知らない人の車に「の」らない
  • お……困ったときは「お」おごえ、大きな音を出す
  • す……「す」ぐに逃げる
  • し……周りの大人に「し」らせる

いざという場合に逃げ込める場所

子どもが登下校中に危険な目に合いそうになった際、警察官や交番が近くにないこともあるでしょう。そういった場合は、コンビニや「子ども110番の家」などに助けを求めるよう子どもに話しておきましょう。子ども110番の家とは、地域の一般家庭やお店などがボランティアで行っている活動で、有事の際に子どもが駆け込める場所のことです。子ども110番の家は、玄関先などに目印となる旗やステッカーなどが貼ってあるため、事前にチェックしておきましょう。

画像
metamorworks - stock.adobe.com/jp

【その他編】子どもの「困った」をなくすためのチェックポイント

小学校に入ると、これまでパパやママと行動することが多かった子どもがいきなり一人で登下校をすることになります。命の危険はなくとも、「こんなことで?」と大人がびっくりするようなことで困ってしまうことも。事前に練習できることをチェックしておくと安心ですよ。

傘をたたむ練習

登下校時の困りごととして、意外に盲点なのが「傘をたたむ」という行為です。小学校に入ると、雨の日は多くの児童が傘を持って登校するため、きちんとたたんで傘立てに入れておかなければなりません。事前にたたむ練習を行いましょう。折りたたみ傘を使う可能性がある場合は、折りたたみ傘をたたむ練習をしておくことも大切です。

困ったときの練習

入学直後は学校生活に慣れていない子どもばかりなので、靴や傘の取違えなど小さな困りごとが起きることは珍しくありません。一方で、保育園や幼稚園と違い、小学校では常に先生がすぐそばにいるわけではないため、困ったときにどうしたらよいか迷ってしまう子どもも多いでしょう。

「困ったとき先生に助けてもらえばいいんだよ」ということを伝え、いざというときに緊張しないように練習しておくのもいいでしょう。

登下校の練習は入学前の必須事項。親子でしっかり話し合って

画像
metamorworks - stock.adobe.com/jp

初めての登下校は、保護者にとっても子どもにとってもドキドキする経験です。自立の一歩ではありますが、心配も尽きないことでしょう。最初の数カ月は保護者が付き添ったり、防犯ブザーやGPSなどのデバイスを取り入れたりするのも効果的ですが、何より子ども本人が安全に対する意識を高めておくに越したことはありません。ぜひ入学前に登下校の練習や親子での話し合いをしっかり行い、少しでも安心して小学校生活をスタートできるようにしましょう。

この記事を読んだあなたにおすすめ

保育園・幼稚園と小学校の違いとは?入学前に準備しておきたい心構え

通信教育開始のタイミングは「小学校入学前」が8割以上!選ぶ決め手は?

2025.09.17

レクチャーカテゴリの記事

KIDSNA STYLE 動画プロモーションバナー
【天才の育て方】#25 古里愛~夢はグラミー賞。名門バークリー音楽大学に合格した、13歳のジャズピアニスト

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。