幼児教育に取り組むときに大切なこと。勉強を教えるときのポイント

【再掲】知っておきたい幼児教育

幼児教育に取り組むときに大切なこと。勉強を教えるときのポイント

幼児教育について気になるママやパパもいるかもしれません。小学校就学前の子どもにどのようなことを教えればよいのか知りたい方もいるでしょう。今回は、幼児教育ではどのようなことを教えるのか、幼児教育に取り組むときのポイント、分野別の子どもに勉強を教える方法などについて体験談をもとにまとめました。

幼児教育とは

文部科学省の資料によると、幼児教育とは小学校就学前の幼児が生活するすべての場において行なわれる教育の総称と言われています。幼児教育は、子どもたちが心豊かにたくましく生きる力を身につけられるように、生涯にわたる人間形成の基礎を培うものとしてとても重要な役割を担っているようです。

ここでは、主な幼児教育についてご紹介します。


出典:第2節 幼児教育の意義及び役割/文部科学省


学習面

幼児期の学習面における教育は、小学校に入学して学校教育が始まる前に学習意欲や学習態度の基礎となる好奇心や探究心を育むことを目標にするとよいかもしれません。遊びを通して子どもが好きなことを探したり、幼児教材や絵本などを使って子どもが興味を持つものに焦点を当てて学んだりと学習方法もさまざまです。

普段から子どもをよく観察し、子どもの「やってみたい」「もっと知りたい」と思う気持ちを見逃さないようにしましょう。

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生活面

iStock.com/kohei_hara
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幼児期に生活習慣を身につけることは大切なようです。小さい頃から挨拶、手洗い、片付け、歯みがき、食事、睡眠などの基本的な生活を習慣化すると、学童期以降の生活習慣のベースになるでしょう。子どもの豊かな人間性を育てるためにも、規則正しい生活や最低限のマナーを教えるように意識しましょう。

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性教育

性教育は、幼児期から始めるという家庭もあるでしょう。子どもが間違った性情報に触れることを避けるために、性に関する正しい知識を教える必要があります。ママやパパの中には、性についてどのように教えていいかわからないという方もいるかしれません。まずは、ママやパパが性教育に向き合い、性についての知識不足を解消することが大切です。

ママやパパが正しい知識を身につけたうえで、子どもに教える時期やタイミング、どのように教えるかなどの方針を決めましょう。性教育は家庭によって、考え方も大きく異なるでしょう。子どもが将来自分や大切な人を守ることができるように、性教育について家庭でよく話し合ってみるとよいかもしれません。

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幼児教育に取り組むときのポイント

幼児教育に取り組むときには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。


学習環境を整える

iStock.com/kohei_hara
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子どもの学習において、環境作りは重要でしょう。近年では、リビングやダイニングテーブルで勉強する「リビング学習」が定着してきているようです。子ども部屋ではなくお家の方がそばにいる環境で勉強することは、子どもが安心して学習に集中しやすいメリットがあります。

ママやパパも、子どもの学習理解度や進捗具合が把握しやすくよいでしょう。同じ空間にいることで適度にコミュニケーションもとれます。

また、学習に使用する机や文房具などの道具は子どもに合うものを用意しましょう。学習机を選ぶときは、子どものからだに合う高さに調節できるものや十分な収納容量があるものが便利かもしれません。

学習に使う文房具は、子どもが使いやすく、安全面や機能面が信頼できる幼児向けの文房具を選ぶとよいでしょう。他にも、子どもが好きなデザインの文房具を選ぶことでより楽しく学習に取り組めるのではないでしょうか。

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学習や生活の習慣を見直す

幼児教育において、学習や生活の習慣を見直すことも必要でしょう。幼児期に身についた習慣は、小学校に入学してからの基盤になります。1日の中で勉強する時間を作ったり、遊ぶ時間を決めたりといろいろ工夫できるでしょう。

ときには、子どもがタブレットやスマートフォンを使って学習したり、遊びに使ったりすることもあるでしょう。タブレットやスマートフォンを使うときは、時間を決めて使ったり、大人のそばで使ったりとルールを設けて節度ある使い方ができるよう子どもに教えるとよいかもしれません。

子どもの適性やペースに合わせて、規則正しい生活を習慣化できるとよいですね。

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すぐに答えを教えない

子どもにさまざまなことを教えるときにしっかり学んでもらいたいばかりに、すぐに答えを教えないことも大切なポイントです。子どもの自分で考える力を育てるためには、子どもの様子を見守りすぐに助言することは避けましょう。

学習面や生活面においてすぐに答えを教えてしまうと、子どもの「こんなときはどうすればいいのかな?」と考える機会を奪ってしまうことにつながります。手や口を出したくなる気持ちを抑えて、子どもの様子を観察して適切なタイミングでヒントを出すよう意識しましょう。

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算数

幼児期の子どもに算数を教えるときは、生活の中で数に触れる機会を作ることから始めるとよいようです。買い物やおやつの時間などに、数を数えるようにすると子どもが興味を示しやすいかもしれません。

次に、 数の大きさや順番を意識するような工夫をしてみましょう。ママの中には、お風呂に入るときに1から10までの数を数えるようにしているという方がいました。他にも、カレンダーや時計を使って、数が増えていくことや順番を教えているという声が聞かれました。

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ひらがな

小学校就学前にひらがなの読み書きを練習したいと思う子どももいるかもしれません。子どもにひらがなを教えるときは、まずは身近にあるひらがなを子どもと一緒に読むことから始めてみましょう。子どもが興味を持ち始めたら、絵本やパズルなど遊びを通してひらがなを読む練習をしましょう。

ひらがなが読めるようになったら、ドリルなどの教材を使って書く練習をしましょう。幼児向けの教材を使うとなぞり書きができたり、お手本を見て正しい書き順が覚えられたりするメリットがあります。幼児期からひらがなを書く練習を始めることで、小学校に入学した後の学習にスムーズに取り組めるかもしれません。

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食育

iStock.com/kazoka30
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幼児期に食について学ぶことは、今後の子どもの食事に対する姿勢の基盤になりとても大切です。食事が健康なからだ作りに欠かせないものということを教えましょう。他にも、食べ物の名前や味、食事のマナー、食材の生産者や調理してくれた人へ感謝することも子どもに伝えたいポイントでしょう。

家庭菜園をして野菜が畑から収穫されることを教えたり、一緒に料理をしながら食材や作り方について教えたりと子どもが食事をするまでの工程に触れられる機会を作るとよいかもしれません。また、食育に関するテーマの絵本を読めば、子どもが楽しみながら食について学べそうです。

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歴史・文化

子どもと一緒に行事を楽しむことで、歴史や文化を教えられるかもしれません。 お正月、節分、ひな祭りなどの季節の行事にどのような背景があり、どのような意味が込められているのかを子どもに話してみましょう。行事をテーマとする絵本を読んだり、工作をしてみたりと親子で一緒に楽しめたら嬉しいですね。

昔からの習わしなどの歴史や文化についてどう思うか、子どもの自由な発想を聞いてみるのもよいでしょう。

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幼児教育を受けられる場所

幼児教育は、どのような場所で受けることができるのでしょうか。


幼稚園や保育園

日本では、多くの幼児期の子どもたちが幼稚園や保育園で幼児教育を受けるでしょう。幼稚園や保育園で学べることは、集団活動です。集団での活動を通して、習慣や人との接し方などさまざまなことを学んでいきます。お友達との関わりから、思いやりの心や共感する心を感じることができるでしょう。

現在では、幼児教育の無償化の政策が実施されています。内閣府の資料によると、幼児教育の無償化の狙いは「少子化対策」と「幼児教育の重要性」だと公表されています。幼稚園や保育園に通う年齢の子どもがいる世帯の負担を減らし、全ての子どもたちの教育環境が整っていくとよいですね。


出典:幼児教育の無償化に係る参考資料/内閣府

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幼児教室・習い事

幼児教室や習い事では、学習やスポーツなどさまざまな教育を受けることができます。より子どもの適性に合わせた内容を学べるでしょう。子どもが好きなものや伸ばしたいことを探したい場合にもよいかもしれません。集団活動で過ごす様子とはまた違った子どもの新たな一面を見ることができたら嬉しいですね。

幼児教室では、幼稚園や小学校のお受験を見据えたカリキュラムがあるところも多くあります。お受験を検討している場合は、幼児教室に通って対策することを視野に入れてもよいかもしれません。

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幼児教育は子どものペースに合わせて取り組もう

iStock.com/maruco
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幼児教育は、小学校就学前の幼児が生活するすべての場において行なわれる教育の総称と言われています。幼児時期の過ごし方は、生涯にわたる人間形成の基礎を培うものとして大切な役割を担っているそうです。

子どもが健やかに成長できるように、幼児教育の取り組み方について家族で話し合ってみるのもよいかもしれません。ママとパパは、子どもが自分らしく輝けるように子どものペースに合わせてサポートしていきましょう。


本記事は2021年1月28日に配信した記事の再掲載記事です。

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