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【調査】おこづかい・お年玉をあげる前に考えたい!子どもの「お金教育」
2022年から高等学校の授業に組み込まれる「お金教育」。そこでKIDSNA編集部では0~10歳のお子さんを持つ保護者にアンケートを実施、お金教育についてどのような不安や疑問を持っているのかを調査した。
2022年から高等学校の授業に「お金教育」が盛り込まれることが決定し、お金の管理や運用について学ぶことの重要性に注目が集まっている。
KIDSNA読者にとっては「まだまだ先の話」と思うかもしれないが、実はお金教育は未就学~低学年からスタートすることが望ましい。
お正月を目前に、これから子どもにお年玉をあげようと考えている保護者は多いだろう。漠然と「〇歳から」「〇円くらい」と考えているのであれば、ぜひアンケート結果を参考に、子どもへのお金の渡し方や使い道について、パートナーと考えてみてはいかがだろうか。
0~10歳の子どもにおこづかい、お年玉をあげているのは41%
まず、「お子さんにおこづかい、もしくはお年玉をあげていますか?」という質問では、
はい 41%
いいえ 59%
という結果になった。
また、同じ保護者たちに「おこづかい、お年玉を何歳からいくらあげていますか?また、今後あげる予定の場合、何歳からいくらあげたいですか?」と質問したところ、以下のような回答が得られた。
5歳、2歳女子のママ
3歳男子のママ
就学してから1年生は1000円。そこから1年ごとに1000円アップ
4歳男子のママ
4歳からでお手伝いをしてくれたときにおこづかいをあげています
また、お金を渡す時期として多かったのが「小学生になってから」という意見。中には「10歳から」という意見もあったが、就学を子どもにお金を持たせる時期の目安と考えている保護者が多いことが分かった。
ほしいものがあったら買ってあげる親が多数
続いて、0~6歳の子どもを持つ保護者に対し、「子どもにどのようにお金をあたえているか」を聞いた。
ほしいものがあったら買ってあげる 66.7%
おこづかいを渡している 6.7%
お手伝いに対して渡している 20%
その他 33.3%
就学前ということもあり、「ほしいものがあったら買ってあげる」という回答が多かった。
また、同じ保護者たちに聞いた、「与えたお金をどのように管理・運用をさせていますか?また、使い道についてどんな会話をしていますか?(もらった額の中で計画性をもって使う、優先順位を決められるようになる、貯金に回す、生活費の内訳を公開するなど)」という質問に対しては、以下のような回答があった。
6歳、0歳男子、3歳女子のパパ
まだ幼児なのでペットボトルで貯金箱を作って小銭を貯めさせてます
4歳男子のママ
親が管理。少額の500円などは話しながら使い道を決める
7歳、3歳、1歳男子、4歳女子のパパ
財布の中身は全て好きなように使わせている。お菓子・おもちゃなど欲しいものも自分で購入する(親は購入しない)
7歳女子、5歳男子のママ
お小遣い帳をつける、100均のお金ケースに入れる。本当に必要か考えて使うように伝えています
7歳男子、5歳女子のママ
欲しいものがあればお手伝いをして貯まったお金は何を買うか宣言してから買わせる
5歳男子のママ
「〇〇円貯めたらこれが買えるんだよ」と教えている
中には「まだ使い道については話し合えていない」という意見もあったが、おこづかいを渡している保護者の多くは、幼少期から使い道について考えることの大切さや、おこづかいの範囲内でやりくりさせることで金銭管理について学んでほしいと考えていることが分かった。
また、今はまだ子どもにお金を渡していない保護者も、
6歳男子のパパ
小学生になったらお小遣いを渡し計画性をもって使えるよう教えていこうと思う
6歳、2歳女子、4歳男子のママ
お年玉は子どもごとに通帳を作ってあり、10歳くらいになったら運用させたいなとは思っています
2歳双子男子 1歳女子のママ
まだ小さいので具体的なお金の話をしたことはないですが、何かを買うときにお金が必要ということは伝えてます
5歳男子のママ
たとえば「一週間でお菓子に使えるお金はこのくらい(このお菓子何個分)だよ」などの話をそろそろしていこうと考えています
など、持たせる際には計画的に使わせたいという考えが多く見られた。
お金の使い方やお金の価値の伝え方は難しいと感じる保護者たち
続いて、「子どものお金の使い方について実際の困りごとや疑問はありますか」という質問には、
5歳男子のママ
子どもにいつ頃からおこづかいを渡したらよいのか、そもそもおこづかい制がよいのか疑問です。貯める習慣がほとんどついておらず、毎月すぐに使い切ってしまう(時には前借りする)ことも。
7歳男子、5歳女子のママ
欲しいものがある時しかお手伝いをしない
5歳、2歳女子のママ
親が知らないところでおこづかいをお友達に渡そうとしていた
といった回答から、
6歳、0歳男子、3歳女子のパパ
お金の大切さや価値の教え方が分かりません
5歳女子のママ
使い方、貯め方の情報をもっと知りたい
5歳男子のママ
子どもの欲しいものをすべておこづかいで買わせるべきか、親のお金で買い与えるかが曖昧なのがよくないと思ってます
7歳、5ヶ月女子のママ
家族間でのお金に対する価値観がバラバラすぎるのですり合わせが必要
など、子どもにお金の価値や使い方を伝えることの必要性を感じているが、実践はできていない保護者が多いことが明らかになった。
電子マネーなど「見えないお金」の価値をどう伝える?
さらに、「電子マネーやICカード、ゲーム課金など目に見えないお金も含め、お金の概念や価値を子どもにどう伝えていますか?」という質問には、「YouTubeで、マネーリテラシーの動画をチェックし、分かりやすいものを一緒に見る」という回答もあったが、ほとんどの方が「伝えられていない(まだ伝えていない)」という結果だった。
6歳男子のパパ
カード決済などが主流のため、親が実際にお金を使う(出す、渡す)ところを見せられていないので、子どもはそもそも『お金』が何なのかわかっていない気がする
5歳男子のママ
きちんと伝えた記憶はなく、PASMOなどを指して「お金が入ってるんだよ」と伝えたくらい
6歳、2歳女子、4歳男子のママ
現金で支払うことがかなり少ないので、お金の概念を伝えるのが難しく、どう伝えたらよいのか考えています
電子マネーやクレジット決済が普及し、親自身が現金を使う機会が減ったことで、「目に見えないお金」の価値を子どもに伝えることの難しさを感じているようだが、「現金と同じように大切さは伝えたい」「どう伝えるかを知りたい」という意見が圧倒的だった。
子どもに「投資を教えたい」と考える親が半数
さらに、「お金教育で、特に子どもに教えたいことはありますか?(例:お金の大切さから投資など幅広く)」という質問に対しては、
7歳、3歳、1歳男子、4歳女子のパパ
身の丈に合ったお金の使い方を覚えて欲しい
4歳男子のママ
お金は有限であること。自分で管理する大切さ
5歳、2歳女子のママ
予算内でのやりくりが基本であること、余ったら貯金ではなく先取り貯金をする
6歳、2歳女子、4歳男子のママ
家を出るまでに生活にかかるお金や貯め方を教えたいと思います
6歳男子のパパ
お金の価値、大切さや、お金では買えないもの、あるいは買えるものがあること
7歳女子、5歳男子のママ
子供にとって豊かだと感じられるお金の使い方ができるように教えたい
6歳、2歳女子、4歳男子のママ
あるだけ使うのではなく、計画的に使うことを教えたい。ただ、実際に失敗して学ぶこともあると思うので、あまりとやかく言わないように考えている
2歳男子双子、1歳女子のママ
稼ぐことを早めに教えたい。まずは買ったおもちゃなどの箱をとっておき、いらなくなったら売ることを一緒にやりたい
など、お金教育で子どもに教えたいことには、計画的な使い方といった管理面はもちろん、お金の価値、稼ぎ方など、各家庭の考え方が色濃く反映されていた。
また、注目すべきは「投資の知識を身につけてほしい」という意見。
6歳、0歳男子、3歳女子のパパ
投資、積立、税の仕組み、保険はしっかり身につけて欲しい。
6歳男子のパパ
自分もまだ分かっていないが賢く資産を増やす方法は身に着けてほしい
「3人分の児童手当やお祝い金など全てジュニアニーサで運用中。貯金だけでなく投資したらどのくらい効率よくお金が増えるのか教えていきたい」と実践中の意見もあったが、「自身に知識がなく分からない」という意見が目立ち、一方で単に「貯める」だけではなく、「増やす」お金管理の考え方を伝えていきたいと考える親が多かった。
最後に、保護者自身が受けてきたお金教育について「あなたはお金について教わったことはありますか?また、どんなことを教わりたかったか、今後どんなことを教わりたいですか?」という質問をおこなったところ、90%以上の人が「教わっていない、教わりたかった」と回答している。
5歳女子のママ
生活には困らなかったけれど使い方・貯め方はあまり教わっていない為、他の家庭の事情は気になります
6歳、0歳男子、 3歳女子のママ
税や保険の事に対して本当に無知で社会人になってから苦労したので、もっとしっかり子ども達全員が成人した時、分かるように教育して欲しかったです
4歳男子のママ
学校などで投資についてもっと学ぶ機会が欲しかった
2歳双子男子 1歳女子のママ
複利について教わりたかったと思う
7歳女子、5歳男子のママ
健康に暮らせるにはいくらくらい必要なのか教えてもらったり、ロールプレイする機会があれば良かったなと思う
また、本や動画、SNSなどを通じて独学で学んでいるという声も複数あった。
親世代の多くは学ぶ機会がなかったお金のこと。しかし、今後キャッシュレスが主流となる新たな時代をかしこく生きるためにも、子どもたちへのお金教育は必須となるだろう。そして、そのためにはまず、親自身の知識のアップデートが求められる。
KIDSNAでは今後もお金教育にまつわる記事を配信予定のため、お金について親子で考えるきっかけのヒントにしてほしい。
【調査概要】
・対象:KIDSNA読者へアンケート調査を実施
・調査期間:2021年12月
・回答数:108人
ゼロ歳からお年玉をあげて、子どもの銀行口座に入金してきました。(お金について)分かるようになったら手渡ししたあとに銀行口座に入金しています