育休中に退職する場合はどうする?退職金・失業保険や育休手当の返金の必要性について紹介

育休中に退職する場合はどうする?退職金・失業保険や育休手当の返金の必要性について紹介

2018.01.04

育休中ではあるけれど、やむを得ない理由で退職を考えている方もいるかもしれません。育休中に退職する場合、今まで支給された育児休業給付金や出産手当金などのお金は返金する必要があるのか、退職金や失業保険はどうなるのかなど、気になることはたくさんあると思います。そこで今回の記事では、育休中に退職をしようと考えている方を対象に、基本的な知識についてご紹介します。

育休手当の受給中に思いがけず退職となった場合

出産後に職場復帰するつもりで育休を取得しても、不測の事態が起こる場合もあるかもしれません。育休手当を受け取り始めたあとに退職が決まったら、どのように対応すればよいのでしょうか。


やむを得ず退職になった場合はどうしたら良い?

育休後の職場復帰が難しくなる事例として挙げられるのは、子どもや被保険者自身の体調不良や家族の介護、配偶者の急な転勤などでしょう。育休手当の申請は、基本的に事業主を経由して行うようです。

したがって、退職が分かった時点で、各職場の規則にのっとって報告するのが良いようです。

まずは直属の上司に伝えて指示を仰ぎ、必要があれば会社の人事や総務などの育休手当を取り扱う部署へ、手続きを依頼するという手順を踏むことが多いかもしれません。


育休手当の返金は必要?

育児休業期間中にやむを得ず退職した場合、基本的に退職までに受け取った育児休業給付金や出産手当金を返す必要はないでしょう。

育児休業給付金の支給は退職する日を含むひとつ前の単位期間までで、単位期間の最後の日に退職となった場合はその期間も含まれるようです。

退職して支給の対象外となった後は、育休手当を受け取れなくなるかもしれないことを念頭に入れておいたほうがよいかもしれません。

出典元:「Q&A~育児休業給付~」 /厚生労働省

退職代行を利用した場合

育児休業期間中、退職せざるを得ない事情があってもなかなか退職を言い出せないケースもあるかもしれません。このような場合、最近では退職代行を利用する人も増えているようです。退職代行を利用した場合、退職日や退職手続きの交渉は会社と退職代行業者で行うことになります。

育休中に退職代行を利用した場合であっても、労働者として育児休業に関する制度は利用することができるため、育児休業給付金や出産手当金の返金などは発生しないようです。


育休中の退職手続き

育児休業期間中に退職する場合、郵送で書類をやり取りして手続きを行うことが多いようです。特に退職届は重要な書類です。退職届に記載されている退職日によって、いつまで育児休業給付金が支給されるかが決まります。

退職日をいつにするか、退職届をどのように郵送するかなど、育児休業給付金に関わることは、上司や人事・労務の人とよく相談して決めるようにしましょう。その他の健康保険や厚生年金などの手続きも、上司や人事・労務の人と連絡を取って手続き漏れのないように進めましょう。


育休明けに退職する場合の注意点

育休中はもちろん、育休明けに退職せざるを得ない事態が起きることもあるでしょう。育休明けに退職することの注意点は次の2つです。



週明けに退職する場合の注意点

有給休暇や時短勤務については会社の規定によりますので、退職を予定している場合は事前に会社に確認しておきましょう。なお、育休明けの退職の場合も、育休手当や出産手当金の返金は必要ないようです。

退職したら育休手当はいつまでもらえる?

育児休業手当
amperespy44/Shutterstock.com

育児休業給付金、いわゆる育休手当は、育児休業開始日から1カ月ごとに分けて支給されます。この期間を支給単位期間といい、2カ月ごとに育児休業給付金が振り込まれることになっています。

もし育休手当の受給中に退職する場合、育休手当は「退職日の属する支給単位期間の一つ前の支給単位期間まで」支給されます。

会社によっては、退職の1カ月前に退職の旨を伝える規定を設けているところもあるようなので、事前に確認しておくとよいでしょう。

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育休期間は退職金算定期間に含まれる?

退職するとき、会社によっては勤続年数などに伴って退職金がもらえることもあるでしょう。

この場合、産休や育休期間がこの勤続年数に含まれるかどうかは会社によって異なります。退職金算定期間は、それぞれの企業で設けられている就業規則などに規定されているようです。

したがって、退職金の額もそれぞれ企業によって差が出てくる可能性があります。あらかじめ会社の退職金制度などを確認して手続きを進めるのがよいでしょう。

育休中に退職したら失業保険はもらえる?

失業保険の受給要件

失業保険の正式な名前は「求職者給付」といい、失業した人が再就職するまでの生活を支援するため、給付金を支給するという制度です。

受給条件として、離職日以前の2年以内に被保険者期間が1年以上あり「失業状態である」と認められた人を対象にして支給されます。

このとき、次の職を探す意思があることが失業保険を受給する前提となります。


特定理離職者について

妊娠・出産・育児などの理由で退職し、失業保険の「受給期間延長措置」を受けた人は特定理由離職者に該当します。

原則として、失業保険の受給期間は退職日から1年間となっていますが、この「受給期間延長措置」によって最大3年間延長することが可能です。

したがって、元々の受給期間と延長した期間を合わせて、最長で4年まで失業保険の受給期間を延長することができます。


育休明けすぐに退職した場合の失業給付は?

育児休業期間中ではなく、育休明けすぐに退職をしなければならないこともあるでしょう。育休明けすぐに退職する場合も、上記の失業保険の受給要件と同様、被保険者期間を満たし、失業状態であることが認められれば、失業保険を受給することができます。

出典:「特定受給資格者および特定理由離職者の範囲と判断基準」/厚生労働省

育休中の退職は会社と相談・確認をしよう

育休手当
MIA Studio/Shutterstock.com

育休中の退職は、職場に迷惑がかかることを心配したり、育休手当や出産手当金の返金の必要性や失業保険、会社の退職金制度など、お金についても気になることも多いですよね。

特に退職金に関する条件などは、会社の規定によってそれぞれ異なる場合があります。退職を考えていたり、予定している際には、一度会社としっかりと相談や確認をするのがよいでしょう。

育休中の退職については、子どもや家族、そしてママの体調をきちんと考えながら、納得がいく決断ができるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2024年6月26日時点で作成した記事になります。

2018.01.04

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