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大阪女学院大学短期大学学長/大阪女学院大学国際英語学部教授/Ed.D(教育学博士)
大阪女学院大学短期大学学長/大阪女学院大学国際英語学部教授/Ed.D(教育学博士)
大阪女学院大学・短期大学学長/大阪女学院大学国際・英語学部教授。Ed.D(教育学博士) 大阪女学院短期大学卒業後、国際社会団体勤務を経て、ボストン大学に進学。ハーバード大学教育学大学院で教育学博士号を取得。同大学で「ダイアロジック・リーディング」に出合い、研究を重ねる。1998~2001年、フルブライト奨学生。専門分野は「言語習得」と「最新テクノロジーを活用する教育」。 現在は、「子どもとことば」「絵本を通してのことばの発達」を研究課題としており、絵本の読み聞かせにおける母子のやりとりや読み書き能力の発達に関する親の意識調査などを行う。一方で、教員を対象とした「子どものことばを育てる読み聞かせ」ワークショップも行うなど、日本における「ダイアロジック・リーディング」の第一人者として普及活動に尽力している。 季刊絵本新聞『絵本とことば』(H・U・N企画)への寄稿や、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)に過去3回出演するなど、メディア出演多数。
子どもの読書週間。本を読むことが子どもにとって大切だと知っていても、具体的にどうして大切なのか、どのようなスキルにつながるのかよく分からない人も多いかもしれません。今回は、読書と国語力の関係や、ただ楽しく本を読むだけではなく、国語力や生きる力につなげるための方法なども紹介します。
子どもの国語力
近年、子どもの国語力が低下していると聞いたことがあるでしょう。国語力のある子どもを育てる家庭では、正しい言葉を使うように家族が意識しているといいます。「てにをは」のような助詞を省略しないこと、あえて子どもが知らなそうな言葉でも使う、などを意識することが大切なようです。
国語力を構成する要素とは、考える力、感じる力、想像する力、伝える力。そして、日本人の国語力は世界的に見ても高いとはいえません。グローバル時代に必要な国語力を、絵本の読み聞かせについて研究する加藤映子先生に教えていただきました。
そもそも生まれたばかりの赤ちゃんはどのように言葉を覚えていくのでしょうか。赤ちゃんは、直接対峙して話かけられることで効率よく言語を習得していきます。親はたくさん話しかけること、いろんな話しかけ方をすることが大切だと言われています。
子どもと一緒に読みたい絵本
子どもの国語力を育むためにかかせない絵本の読み聞かせ。どのような絵本を選んで、どんなふうに読み聞かせをしたらよいのかわからない人もいるかもしれません。子どもの表情や様子をよく確認しながら読み聞かせをしてみましょう。
「なんで絵本を読むのはよくて、テレビを見るのはだめなの?」もし子どもにこのように聞かれたら、明確に答えられますか? 絵本は、言葉、絵、音など色々な媒体を頭の中で結びつけることが必要で、それが子どもの表現力や考える力を育みます。
子どもの国語力について研究している坂本聰先生は「絵本は無理して10冊読むより、1冊をじっくり読めばいい」と言います。坂本先生がおすすめするのは日本の昔話を読み聞かせること。海外の昔話と比べても答えがなく、結論がひとつじゃないのが日本の昔話。そこから物事の多面性を学んでいくことができるようです。
国語力を伸ばす読み聞かせの手法とは
絵本を通して国語力を育むために、読み聞かせの方法も工夫ができます。ストーリーに関係なく絵をよく観察してみる、キャラクターの心境をさまざまな角度から考察する、などの方法は取り入れやすいでしょう。子どもならではの感性に驚きがあるかもしれません。
アメリカで実践されている『ダイアロジック・リーディング』。大人が淡々と絵本を読み、子どもは静かにそれを聞いている日本の読み聞かせとは全く違います。読み聞かせ中にさまざまな角度から会話のやりとりをすることが大切です。読み聞かせ中にどのような会話をしたらよいのか、ポイントを紹介しています。
国語力をもっと育む「お話づくり」
学力が後から伸びる子には決まって国語力が備わっている、と花まる学習会代表の高濱正伸先生は言います。国語力を育てるために、お話づくりをすることはよい方法です。創造力や論理力、空間認識力なども育まれます。
子どものお話づくりを教育学の汐見稔幸先生が分析する記事。子どもが自由にお話を語り、聞いた大人が感想を言うこと。そのような関係の中で子どもを育てることはとても有意義だと汐見先生は言います。是非子どもと一緒に挑戦してみてはいかがでしょうか。