国語力はなぜ必要なのか? 高濱正伸先生、子どもが作った物語を分析!
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あと伸びする子どもの一大特徴は何かと問われたら、家庭の国語力の差だと答えると言う、花まる学習会代表の高濱正伸先生。言葉の力がなぜ子どもの学力にとって重要なのかお話しいただきました。
国語力って何?
子どもにとって、国語を勉強することにはどういう意義があるのでしょうか。国語力とはいったい何なのか、高濱先生に聞きました。
高濱先生:
私は花まる学習会において、4歳から大学生までを間近で見させてもらっていますが、幼児期の後グーンと学力が伸びる子には、決まって国語力が備わっていると考えています。
計算や作業が速くできるといったことも、それはそれで素晴らしいのですが、最終的には言葉の厳密さみたいなもので力の差がつくものです。あと伸びするかどうかは、幼少期に国語力を家庭内でつけられるかどうかにかかっていると言ってもいいくらいだと思っています。
例えば、「あそこの親はいい大学を出ているから子どもも優秀なんだよ」という話があったりしますよね。実際は因果関係が違います。
親が普段使っている言葉が厳密であるからできる子が育った、という順だと考えています。
優秀だなと思う親御さんを見ていると「それは嬉しいじゃなくて、楽しいだよね」など、サラリと言い直したりしています。
言葉の力って、残酷なほど学力の差になっていきますので、特に幼児期から小学生ぐらいまでは、子どもに対して正しい言葉を使うことを親は心がけた方がいいと思います。
国語力を育むため大切なこと
子どもにとって大切な国語力を育む為に、高濱先生が大事にされていることはありますか?
高濱先生:
分からなかったらすぐ辞書で調べることがまず重要です。
子ども自身がそうするということだけが大事ではありません。親自身が正しい言葉を使う習慣は子どもの国語力に影響を与えますので、親も正しい言葉を調べて使う必要がありますね。
あと、実はしりとりってすごく良いんです。三文字縛りや特定の色縛りなど、制限をつけるとさらに良いです。食べられないもの縛りなどにすると結構盛り上がりますよ。「それ、食べられるでしょ!」ってツッコミが飛び交ったりしてとてもおもしろい。
花まる学習会でも、未就学児や中学生を7〜8人集めてしりとりをすると、優勝するのは学力優秀な子だったりします。
やはり言葉の力、国語力っていうのは、学力全般の礎になるので強いですよ。
子どもが自由に作った物語を分析
KIDSNA STYLE では、子どもが自由に作った物語を募集しアニメ化。それを高濱先生に添削していただきました。
ゆうだい君(5歳)のお話
あんちゃん(7歳)のお話
はるかちゃん(9歳)のお話
子どもの創作にはどんな意義がありますか?
高濱先生:
主体的に自分の意思や関心で行動する子に育てておかないと、後になって学習することが難しくなるケースがあります。例えば小学5年生ぐらいになると、「勉強しなさい」と言っても猛反発することもあります。
そういう感情が出る前に創作を通じて健やかさや自己肯定感みたいなものをつくっておくと、将来それを土台に開花することにつながると思うのです。
目先のテクニック、例えば計算がただ速いみたいな能力ではなく、頭の中で何かを想像する力だったり、論理力や空間認識力みたいなものを育む為に、創作はとても有意義だと思います。
上手くできなくても、脈絡がなくても最初は良いんです。やらされるのではなく主体的に創作し、その取り組みが楽しいと感じることが大切かと思います。