こちらの記事も読まれています
妊娠初期に注意したい食べ物と取り入れたい栄養素とは
女性の体にさまざまな変化が起こる妊娠初期。この時期、どのような食べ物に注意したらよいのか気になる人もいるかもしれません。今回の記事では、妊娠初期の食べ物や、食べ物から摂りたい栄養素、妊娠初期のつわり対策などについて紹介します。
妊娠初期の食べ物や必要な栄養素とは
妊娠1カ月から4カ月を指す妊娠初期。妊娠すると女性の体にはさまざまな変化が起こりますが、食べ物の嗜好の変化もそのうちのひとつです。
ホルモンバランスの変化によって、妊娠前まで好んで食べていたものが食べられなくなったり、特定の食べ物ばかり口にしたくなったりといったことが起こることがあります。
また、妊娠初期は吐き気や、胃の不調などのつわりに悩みを抱える女性も少なくありません。食べ物は、体調や体重管理にも影響するため、無理せずに食べられるものを食べるとよいでしょう。
妊娠初期に注意したい食べ物や、積極的に摂取したい栄養素、つわり対策などを見ていきましょう。
妊娠初期に注意が必要な食べ物
妊娠するとホルモンバランスの変化などから、味覚が変わることがあります。胎内の赤ちゃんへ栄養を送るため、食べる量が変わる場合もあるでしょう。妊娠糖尿病や、急激な体重増加にも注意が必要です。
妊娠初期に摂る食べ物には、いくつか注意が必要なものがあります。
果物
メロン、梨、パイナップル、マンゴーなど夏の果物は水分量が多く、身体を冷やしやすいため、初期を含めた妊娠中に食べるときは過剰摂取を控えましょう。
またバナナや柿などのカロリーが高い果物は食べ過ぎると体重増加に繋がります。
さらに果物を食べるときに忘れてはならないことは、水でよく洗うこと。食中毒を引き起こすリステリア菌が果物に付着したまま免疫力が低下している妊婦さんが食べてしまうと、少量でも感染する怖れや、感染すると重症化する場合があります。
チーズ
果物以外にもナチュラルチーズもリステリア菌が繁殖する可能性があります。チーズに含まれる乳酸菌が生きているのと同時に、リステリア菌も生きているのです。
ナチュラルチーズとは牛や羊、山羊などの乳を発酵させて固めたチーズのこと。モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、リコッタチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、ブルーチーズ、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、パルメザンチーズなどが該当します。
ただし、国内産のチーズは、厚生労働省の規定によって加熱殺菌処理が義務付けられていおり、リステリア菌に汚染されていないか厳しい基準で検査を受けているので、安心して食べることができます。
熱に弱いリステリア菌は、ピザやグラタン、ドリア、チーズトーストなど火をしっかり通した調理をしていれば妊娠初期に食べることも可能です。
また、ナチュラルチーズを熱で溶かして再び固めたプロセスチーズは、加熱、殺菌がされているので妊娠初期も食べられます。
辛い食べ物
妊娠中は、辛いものや味つけの濃いものを食べたくなる人もいるかもしれません。
妊娠初期はホルモンバランスが崩れると同時に、自律神経が乱れ、ストレスが溜まりやすくなるといいます。ストレスから刺激が強く辛い食べ物が食べたくなる場合もあるそうです。
妊娠中に、辛いものを食べてもお腹の赤ちゃんに影響することはありません。しかし、高血圧、むくみ、胃痛、下痢、便秘などの不調を来す可能性があるため、食べ方には注意が必要です。
カレーに使われるシナモン、ナツメグ、ターメリック、バジル、パセリ、セージ、フェンネルなどの香辛料には子宮収縮作用があるため、大量に摂取するのは控えたほうがよいでしょう。カレーを食べるときには、原材料を確認するとよいかもしれません。
妊娠初期に食べ物から摂りたい栄養素
妊娠初期に注意したい食べ物がわかったところで、妊娠初期に積極的に取り入れたい栄養素についても見ていきましょう。
葉酸
妊娠を意識し始める頃や妊娠初期には、「葉酸」という栄養素について耳にすることがあるかもしれません。
妊娠中に摂取したほうがいいことは知っていても、その理由や摂取方法、サプリの選び方に迷う女性は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の資料によると、妊娠初期に葉酸を摂ることで赤ちゃんの神経管閉鎖障がいのリスクを低減できることが明らかになっているといいます。
葉酸はDNAなどを作るうえで大切な栄養素。多くの女性が妊娠に気づく妊娠5週ごろには、赤ちゃんの神経管の形成は既に始まっているため、葉酸が最も必要とされる妊娠初期に摂取できるよう「妊活中から葉酸の摂取を」と言われているようです。
食べ物だけで必要量を摂取することが難しい場合は、サプリメントで補うとよいかもしれません。
鉄分
鉄分は血液中の赤血球を作るのに必要な成分です。
妊娠すると、お腹のなかの赤ちゃんに酸素や栄養を送るため血液量が増加し、鉄分が特に必要になります。妊娠中に体内の鉄分が足りなくなると「鉄欠乏症貧血」を起こしやすくなります。
さらに、妊娠中に身体の鉄分が不足すると、集中力が低下する場合や血行不良でむくみやすくなったり、精神的に不安定になる人もいるため、鉄分は積極的に摂取したい栄養素のひとつといえるでしょう。
ビタミンA
骨や皮膚、粘膜を守ったり、肝臓の機能を正常に保つ役割などがあるビタミンA。視力の低下を防いだり、暗い場所での目の働きなどにも関わっています。
ビタミンAは「レチノール」とも呼ばれ、水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質をもつ脂溶性ビタミンの一種です。
妊娠中にビタミンAを過剰摂取すると、お腹の赤ちゃんの身体や機能に先天的な形態異常を引き起こす場合があるといいます。
特に、妊娠してから1~3カ月くらいの妊娠初期にあたる時期は、赤ちゃんの脳や心臓、目や鼻などの器官、骨髄などが発達し、身体が作られる時期です。妊娠初期のビタミンAの過剰摂取には注意が必要です。
たんぱく質
人間の身体を作る上でとても重要で、三大栄養素のひとつであるたんぱく質。アミノ酸の集合体のタンパク質は、体内で作ることができないため、食事でしっかり摂取しましょう。
肉類、魚介類、卵、大豆、乳製品、米などにたんぱく質が多く含まれます。
牛肉などの動物性たんぱく質は高カロリーなため、大豆などの植物性たんぱく質と組み合わせて、バランスよく栄養を摂取するよう意識できるとよいですね。
妊娠初期のつわり対策
妊娠初期につわりに悩まされる妊婦さんは多いのではないでしょうか。
「お腹の赤ちゃんのために食べなければ」と焦る女性もいるかもしれませんが、妊娠初期の赤ちゃんはまだ小さく、それほど多くの栄養がなくてもほとんど影響はないとされています。
少量でも摂取した栄養は、優先的に赤ちゃんに届くため、気に病みすぎる必要はないようです。
食事のとり方を工夫する
つわりで食べたくても食べることができない場合は、1回あたりの食事量を減らし、食事の回数を増やしてみましょう。たとえば、1日3食を5、6食に小分けにしてみると、少量ずつ食べることができるようになるかもしれません。
つわりが激しいときは、無理して食べようとせず、食べられるときに食べたいものを食べるようにするとよいでしょう。嘔吐が続くと脱水症状になる怖れがあるため、水分補給を心がけることも大切です。
楽な姿勢をとる
食べ物を食べたる前後に、吐き気を伴う場合が多い妊娠初期のつわり。横になって体を休める女性も多いかもしれませんが、食後すぐ横になると吐き気が増す場合もあるようです。食後に気持ち悪くなっても、少し時間を空けてから横になるようにしましょう。
休むときは、ソファや大きなクッションにもたれるようにして、頭の位置を高くしたままの姿勢を意識するとよいかもしれません。
あぐらをかいたり、バスタオルを使ったりして楽な姿勢を見つけ、少しでも快適に過ごせるとよいですね。
妊娠初期における職場でのつわり対策
妊娠が分かったときに、今の仕事を続けられるか気になる女性もいるかもしれません。妊娠初期は、仕事中のつわりに悩んだという女性もいるのではないでしょうか。周囲に妊娠したことを伝えていない場合は、どのようにつわりを乗り切ればよいのか悩む場合もあるでしょう。
飴などのすぐに口に入れられる食べ物や、一口サイズの食べ物などをつわり対策としてデスク周りに用意しておくといいかもしれません。
周囲の臭いが気になるときは、マスクにハーブのスプレーをつけて気分転換をするというアイディアもあるようです。気持ちが悪くなる前に、気分転換できるアイテムをいくつか用意しておくと安心することができるかもしれませんね。
食べ物に注意しながら妊娠初期を乗り切ろう
妊娠初期には食べ物やつわりなどが気になる時期かもしれません。妊娠初期の食べ物は、果物やチーズなどからリステリン菌を摂取しないよう注意しましょう。
辛い食べ物が食べたくなる時期かもしれませんが、高血圧、むくみ、胃痛、下痢、便秘などの不調を招く可能性があるため食べ方や量には注意を向ける必要がありそうです。
妊娠初期に必要な栄養素は食べ物上手に活用し、必要に応じてサプリメントなども上手に取り入れるといいかもしれません。
妊娠初期のつわりがひどい場合は、職場におけるつわり対策に悩む場合もあるでしょう。自分に合ったつわり対策を見つけて、快適に妊娠初期を過ごせるといいですね。