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Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠中にチーズを食べるとリステリア症にかかるためチーズは控えたほうがよいということを聞いたことがある人もいるかもしれません。妊娠中にチーズを食べると、お腹のなかの赤ちゃんに影響するのかについて解説します。また、どうしてもチーズが食べたくなったときのチーズ選びのポイントも併せてご紹介します。
妊娠中にチーズを食べても大丈夫?
妊娠中にナチュラルチーズを食べるとリステリア菌に感染する可能性があるため、妊娠中はチーズを控えたほうがよいと聞いたことがある人がいるかもしれません。
リステリア菌は通常は、それほど強い菌ではなく、感染しても重症化することはほとんどありませんが、妊娠中は免疫力が低下しているため少量でも感染したり、感染すると重症化する場合があります。
リステリア症とはどのような病気なのか詳しく見ていきましょう。
リステリア症とは
リステリア菌に感染して発症する感染症です。
リステリア菌は加熱によって死滅しますが、4℃以下の低温や12%食塩濃度下でも増殖するのが特徴です。
食材を冷蔵庫などの低温保存することがあると思いますが、リステリア菌は低温でも生き続けるため、チーズや生ハムなどにも含まれる場合があります。
リステリア症の症状
リステリア症になると以下のような症状がみられます。
- 発熱
- 筋肉痛
- 吐き気
- 下痢
- 頭痛
リステリア症の症状は、風邪のような症状で終わる場合もあれば、悪化すると頭痛や髄膜炎、けいれんなどの症状を引き起こすケースがあります。
リステリア菌に感染したら胎児に影響する?
妊娠中にリステリア菌に感染すると、胎盤を通じて胎児に感染します。
妊娠初期に感染すると流産したり、妊娠中期や妊娠後期に感染すると、早産を引き起こす可能性もあります。
妊娠中は控えた方がよいチーズ
ナチュラルチーズは、原材料が牛や羊、山羊などの乳を発酵させて固めたチーズです。
モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、リコッタチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、ブルーチーズ、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、パルメザンチーズはナチュラルチーズに含まれます。
ナチュラルチーズは、チーズに含まれる乳酸菌も生きているぐらいなので、リステリア菌が繁殖する可能性があります。リステリア菌に感染する恐れがあるので妊娠中に食べるのは控えましょう。
妊娠中でも食べられるチーズ
妊娠中はチーズ全般を控えなくてはいけないわけではありません。
ナチュラルチーズを熱で溶かして再び固めたプロセスチーズは、加熱、殺菌がされているので妊娠中でも食べられます。
商品のパッケージにプロセスチーズ、クリームチーズと記載があるものは、加熱処理がされているため妊娠中に食べても大丈夫です。迷ったときにはパッケージを確認しましょう。
妊娠中にチーズケーキを食べても大丈夫?
妊娠中のチーズケーキは加熱されているかで判断します。
ベイクドチーズケーキやスフレチーズケーキは加熱してあるので、妊娠中に食べても問題ありませんが、レアチーズケーキは加熱されていないため避けましょう。
妊娠中にチーズを食べるときのポイント
妊娠中のチーズはチーズの種類や食べ方を工夫することが大事です。
プロセスチーズを選ぶ
加熱されているチーズは妊娠中に食べても問題ないので、妊娠中はプロセスチーズを選ぶようにしましょう。
リステリア菌は低温下や塩漬けしても生きていて増殖する菌ですが、75℃で数分間加熱すると死滅します。
国内メーカー
国内産のチーズは、厚生労働省の規定によって加熱殺菌処理が義務付けられています。リステリア菌に汚染されていないか食品の安全面は厳しい基準で検査を受けているので、安心して食べられます。
食べ方を工夫する
ナチュラルチーズでも加熱をすれば妊娠中でも食べられます。
妊娠中にどうしてもナチュラルチーズを食べたくなったら、ピザやグラタン、ドリア、チーズトーストなど火をしっかり通した料理を選びましょう。
妊娠中のチーズは種類と食べ方に注意して楽しもう
妊娠中にチーズを食べるときには、リステリア菌に注意が必要です。リステリア菌に感染すると、早産や流産など胎児に影響が起こります。
しかし、妊娠中全てのチーズが食べられないわけでなく、加熱をしたチーズであればリステリア菌も死滅するため、妊婦さんでも食べられます。
チーズケーキはレアチーズケーキではなく、ベイクドチーズケーキやスフレチーズケーキを選ぶようにし、ピザやグラタンなどしっかり加熱された料理であれば妊娠中にも楽しめます。
国内産のチーズは、加熱殺菌処理が義務付けられ、検査を受けてから売られているので安心です。輸入品のチーズは加熱処理がされていない場合もあるので、必ず国内産を選ぶようにしましょう。
妊娠中、チーズを食べるときにはチーズの種類や食べ方を工夫することが大切です。
監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
※記事内で使用している参照内容は、2020年2月6日時点で作成した記事になります。