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【産婦人科医監修】授乳中、ココアを飲んでいい?カフェインや乳腺炎との関係は
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
赤ちゃんへの授乳中にココアを飲んで大丈夫なのか、気になるママもいるようです。そこで今回の記事では、ココアの成分、特にカフェイン量や、乳腺炎との関係などについて、田園調布オリーブレディースクリニック院長、産婦人科医杉山太朗先生監修のもと解説します。
授乳中にココアを飲んでいいの?
授乳中のママは赤ちゃんへの影響を考えて、食べ物や飲み物が気になることがあるのではないうでしょうか。その中でもカフェインはコーヒーやお茶に含まれるので控えるべきということはよく耳にしますが、ココアに関しては控えるかどうか迷うというママもいるようです。
ココアといってもさまざまな種類があるのでどのココアかにもよりますが、一般的にココアには多くのカフェインは含まれていないといわれています。しかし、ココアの純度の高さに比例してカフェイン量も増えるので、飲みすぎには気をつけましょう。
ココアと乳腺炎の関係
ココアを牛乳で作る場合、乳製品の摂取しすぎることによる乳腺炎が気になるママもいるようです。乳腺炎とは乳管から細菌に感染して乳腺が炎症を起こすことで発症し、授乳期に起こりやすいといわれています。
実際には、乳製品をとることで乳腺炎になりやすいという事実はないという考えが最近は主流です。動物性脂肪が多く含まれる母乳は脂肪の固まりを作りやすく、乳腺を詰まらせやすいと考えられてきましたが、実際には根拠はないようです。
ココアの成分
ココアの原料であるカカオ豆は、カカオの木の果実内の種子です。カカオ豆を発酵、乾燥させて除皮したものを「カカオニブ」といいますが、カカオニブを焙煎して磨砕したものから脂肪分を取り除き、細かく粉砕したものがココアパウダーです。
ココアに含まれる成分はたんぱく質、脂質、糖質、食物繊維、カカオポリフェノールなどで、嗜好飲料の中でも比較的栄養価が高いといわれています。ほろ苦さの元はテオブロミンという成分で、自律神経を調整してリラックスさせるカフェインのような効果もあるようです。
ココアとコーヒーお茶のカフェイン量比較
ココアとコーヒー、お茶のカップ1杯(150ml)中のカフェイン量を比較してみます。
【コーヒー】
ドリップコーヒー 80-120mg
インスタントコーヒー 50-60mg
【紅茶】
60-80mg
【緑茶】
玉露 240mg
煎茶 30mg
番茶 15mg
ほうじ茶 40mg
【ウーロン茶】
50mg
【ココア】
20mg程度
確認していただくとわかるように、ココアのカフェイン量はコーヒーや紅茶に比べると少なめです。
授乳中にココアを飲むときのポイント
内閣府の「食品安全委員会」の資料によると、授乳中のカフェインに関して2015年にカフェインの安全性に関する科学的意見書を公表している欧州食品安全機関(EFSA)には以下のように記載されています。
“
授乳中の女性については、1回当たりのカフ ェイン摂取200 mg以下、習慣的なカフェイン摂取200 mg/日以下であれば、健康リスクは生じない。
出典: 内閣府:食品中のカフェイン(食品安全委員会ファクトシート)
ココアのカフェイン量からすると、カフェインの過剰摂取より、ココアを作るときの糖質や乳製品(牛乳)の量を気にしたほうがいいのかもしれません。
授乳中のココア体験談
最後に、授乳中のママたちがココアを飲むときに気をつけていたことについて話を聞いてみました。
30代ママ
30代ママ
コーヒーはカフェインレスにするなど気をつけていましたが、ココアのカフェインをあまり気にしたことがなかったです。
30代ママ
赤ちゃん衣料品・赤ちゃんグッズのお店にカフェインレスの飲み物がたくさん売っていて、買ったことがあります。その中にココア味のドリンクもありました。
授乳中のココアは適量に
ココアは比較的栄養価が高い嗜好飲料といわれており、カフェイン量もそこまで多くないので、適量なら授乳中に飲んでも心配はなさそうです。
ただ、飲みすぎや加糖のしすぎなどには気をつけましょう。市販のココアは種類によって成分が異なるので確認したほうがよさそうです。
参考記事
監修:杉山太朗
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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2021.10.15
授乳中にココアを飲むときは、1日1杯にとどめていました。