【産婦人科医監修】授乳中、お茶は飲んでいい?おすすめのお茶の種類、体験談

【産婦人科医監修】授乳中、お茶は飲んでいい?おすすめのお茶の種類、体験談

2022.06.15

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杉山太朗

杉山太朗

田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

授乳中の飲み物として「お茶」は飲んでも問題ないのか迷うママもいるのではないでしょうか。ノンカフェインのお茶についても、どのような種類があるか気になりますよね。そこで今回は、授乳中にお茶は飲んでよいか、カフェインを避けるべき理由、おすすめのお茶、母乳の分泌が良くなるお茶はあるのか、お茶を飲む時のポイントについて調べてみました。

授乳中に「お茶」を飲んでよいか

※写真はイメージ(iStock.com/byryo)
※写真はイメージ(iStock.com/byryo)

母乳は、約90%が水分で、ママが摂った飲み物からできています。

そのため水分補給がとても大切で、授乳中はよく水分をとる必要がありますが、赤ちゃんへの影響を考えるとどのような飲み物がよいか気になりますよね。

その中でも日常的に飲むことも多い「お茶」は、カフェインが含まれるものもあり、授乳中飲んでもよいのか悩むママもいるかもしれません。

厚生労働省によると、お茶は基本的にカフェイン過剰摂取に注意すれば、問題なく飲むことができます。

カフェインにはリラックス効果があり、飲まないと落ち着かないと感じるママもいるかもしれません。

しかし、カフェインが入ったお茶を摂りすぎると、母乳に移行し赤ちゃんに影響を与える可能性があると言われています。


出典:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~/厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

授乳中にカフェイン過剰摂取を避けるべき理由

カフェインは、お茶のほか、ココア、コーラタイプの飲料などにほぼ同程度含まれており、コーヒーはさらにその約2倍の量を含んでいます。

(参考)食品中のカフェイン濃度
(参考)食品中のカフェイン濃度

カフェインには血管を収縮させる作用があり、過剰に摂取すると中枢神経系が刺激され、心拍数の増加や興奮、不眠、下痢などの症状が起きることがあります。

そのため、国際機関において注意喚起がなされており、世界保健機関(WHO)では妊婦さんに対してコーヒーは1日3〜4杯まで、また、カナダ保健省(HC)においては、妊婦さん・授乳中の方、妊娠予定の方に対し1日約2杯までとしています。

また、授乳中にカフェインを過剰摂取すると、母乳を通して赤ちゃんへ移行し、寝つきが悪くなってしまう可能性も。乳児は代謝機能が未熟なため、カフェイン代謝にもかなり時間がかかると言われています。


出典:

食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~/厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

授乳中におすすめのお茶

授乳中におすすめのお茶は、カフェインを気にしないで飲めるノンカフェインのお茶です。

一番代表的なものは、麦茶です。妊娠中や授乳中のママはもちろん、乳幼児でも飲みやすく家族みんなで味わえます。

麦茶以外にも、下記のようなカフェインを含まないお茶があります。ノンカフェイン、デカフェと表記された商品を選ぶとよいでしょう。

・そば茶

・たんぽぽ茶

・ごぼう茶

・黒豆茶

・はと麦茶

・あずき茶

・コーン茶

・ルイボスティー

・ローズヒップティー

・ハイビスカスティー

など

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母乳の分泌が良くなるお茶はあるのか

※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)
※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)

授乳中、母乳がなかなかうまく分泌されない場合は、赤ちゃんが泣き続けるなどして不安になってしまうママもいるのではないでしょうか。

ハーブティーやたんぽぽ茶など、飲むと母乳の出がよくなると謳われるお茶や、逆に母乳の分泌を抑制すると言われるハーブもありますが、どちらに関してもはっきりとした医学的な根拠は今のところないようです。

母乳の出をよくするには、赤ちゃんに吸ってもらう回数を増やすなど医学的に効果が実証されている方法もあるため、悩んでいる場合は母乳外来などの専門家にアドバイスをもらうとよいかもしれません。

授乳中にお茶を飲むときのポイント

授乳中にお茶を飲むときのポイントについてご紹介します。


授乳中は1日約2000mlの水分が必要

母乳の大半は水分と言われています。水分不足は母乳の分泌量に影響したり、ママの便秘の原因にもなることもあるため、母乳として出ていく分を考えると、1日に2000ml程度の水分は必要になるでしょう。

夏場はさらに、汗もかくためより多くの水分補給が必要になります。

毎日たくさん飲むことは大変ですが、お茶のほか、ミネラルウォーターや野菜ジュースなど、色々な種類の飲み物を気分によって試すと飽きずに続けやすいかもしれません。


常温かあたたかいお茶にする

母乳は血液からできているため、ママの体が冷えて血のめぐりが悪いと出にくくなることがあります。また、冷えることで乳首がかたくなり、赤ちゃんが吸いつきにくくなってしまう原因にも。

お茶を飲む時は、常温やあたたかい温度にして体を冷やさないように心がけるとよいでしょう。


こまめに飲む

一気にたくさんのお茶を飲もうとすると、胃腸に負担がかかることがあります。

授乳後や食事中、外出時、お風呂上がり、就寝前など、コップ1杯程度をこまめに飲むとよいでしょう。

また、朝起きた直後にコップ1杯の冷たいお茶や水を飲むと、便秘解消に効果があるとも言われています。

授乳中お茶を飲んだママたちの体験談

※写真はイメージ(iStock.com/kyonntra)
※写真はイメージ(iStock.com/kyonntra)

授乳期間中、お茶を飲んだ話についてママたちに聞いてみました。

 
 

授乳中はカフェインを控えようと思い、美味しくはなかったですが、たんぽぽコーヒーをよく飲んだり、ごぼう茶も友人にすすめられてよく飲みました。なにか良い効果があったかについては覚えていないです

 
 

授乳中は、友だちにもらったグレープフルーツのお茶にものすごくはまり、常に自宅で淹れて冷蔵庫で冷やしておくようにしていました。

よくいわれることだと思いますが、カフェインは水分摂取したことにはならないということなので、授乳でただでさえ体の水分が減ってしまうママは、カフェインは水分補給としてではなく、嗜好品としてとるのがいいのかなと思います

 
 

普段コーヒーが好きなのですが、授乳中は1日1杯くらいにとどめるようにしていました。気のせいかもしれませんが実際に、コーヒーを飲んだあとは赤ちゃんが寝つかない気がしました。

その他はハーブティーとごぼう茶を飲んだりしていました。ごぼう茶は2人目を産んだときに昔ながらの助産院で、おっぱいの出をよくするために飲んでと強めに言われて飲み始めましたが、実際に効果があったかどうかはよくわからなかったです

 
 

母乳をあげているときは水分を持って行かれるせいなのか便秘になりがちだったので、こまめになにか飲むようには気を付けていました。たくさん飲む分、同じものばかりだと飽きるので、スーパーに売ってる6種類くらいのフレーバーがあるハーブティーをよく買っていたと思います

授乳中のお茶を楽しもう

※写真はイメージ(iStock.com/recep-bg)
※写真はイメージ(iStock.com/recep-bg)

授乳中は、しっかり水分補給することが大切です。お茶を飲む時は、カフェインの過剰摂取に気をつけて取り入れましょう。

また、あたたかいお茶にして体を温めるなど飲み方のポイントを抑えることで、母乳がスムーズに出やすくなることもあるかもしれません。

お茶には様々な種類がありますが、自分に合ったお茶を見つけて、授乳中の飲み物を楽しく味わえるとよいですね。


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杉山太朗

杉山太朗

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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2022.06.15

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