築100年の"住めない古民家"が新築超え…「公示価格の3倍で買う」外国人投資家が日本の家屋に見出す意外な価値

築100年の"住めない古民家"が新築超え…「公示価格の3倍で買う」外国人投資家が日本の家屋に見出す意外な価値

超富裕層は近くにこれがある物件は避ける…日本の景色に馴染みの"物体"

本物のお金持ちはどのような基準で不動産を選ぶのか。富裕層の不動産投資に詳しい西田理一郎さんは「日本人投資家と外国人投資家では不動産を見る目がまったく違う。外国人富裕層の着眼点は、人口減少社会が進む中でも価値が上がる物件を見つけたい人にとって参考になる」という――。

築100年120坪の古民家が2億以上で売れる世界

夕暮れ時の京都。石畳に足音が響く古い町並みで、ひとつの光景が私の目を釘付けにした。

明らかに日本人ではない初老の紳士が、朽ちかけた古民家の前で立ち尽くしている。その眼差しは、我々日本人が「もはや価値なし」と見放すような、築100年の傾いた家屋に注がれていた。雨戸は剥がれ、瓦は欠け、庭は荒れ果てている。

だが、彼の目には何かが映っていた。

数カ月後――その古民家は、日本人の常識を粉々に打ち砕く価格で売買された。公示価格の3倍。高級新築マンションが買えるほどの金額で。

一体、彼らには何が見えているのだろうか。そして、我々日本人の目には、なぜそれが見えないのだろうか。

私、西田理一郎は、企業のマーケティング及びブランディングの専門家として日々活動している。だが近年、仕事の性質が変わりつつある。「戦略立案者」として課題と向き合う中で、物件や土地を実際に見ることなくしては成立しない案件が増えてきたのだ。特に、海外から日本へ新規参入するラグジュアリーホテルのローンチ支援や、国内のリセールバリューの高い宿を発掘し新たな価値を吹き込むリブランディングといった案件に携わるうちに、気づけば私は「不動産と建築の最前線」に立つ人間になっていた。土地開発の現場に足を運び、売却予定のホテルや高級旅館の内覧に立ち会う。それが今や、私の業務の一部である。

そこで目にしたのは、日本人と外国人投資家の、あまりに対照的な「不動産を見る目」だった。同じ物件を前にしながら、一方は数字を追い、もう一方は景色に見入る。その光景を何度も目撃するうちに、私の中で一つの確信が芽生えた。彼らが買っているのは、不動産ではない。時間を超えて残る“何か”なのだ。

公示価格の「常識」を覆す海外マネーの衝撃

従来、日本の不動産取引は実に予測可能だった。売り手も買い手も日本人同士なら、役所が示す公示価格を基準に、多少の上下はあれども、ある程度の「相場感」の中で価格が決まっていく。

ところが、ここ数年で状況は一変した。海外からの投資家、特に富裕層の参入により、その「常識」は見事に覆されたのである。

先日も、京都市内の築100年の古民家に対して、ある欧州系の投資家が提示した価格を見て、私は思わず目を疑った。その金額は、日本人同士なら成立するであろう価格の実に3倍以上、2億を超えていた。「この人は相場を知らないのか」と最初は思ったが、すぐにその考えが浅はかだったことを思い知らされた。

彼らは相場を知らないのではない。我々とは全く異なる価値基準で不動産を評価しているのだ。

まず日本人投資家と外国人投資家の物件の見方を比較してみよう。

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2025.10.17

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