厳しい論調から「大盛況」に

大阪・関西万博が閉幕を迎えます。建設費高騰、パビリオン遅延、そして「紙コップで5000円」のアフタヌーンティー炎上——。マスコミの論調は厳しく、当初はネガティブな情報が数多く報道されていました。

しかし、日を追うごとに好意的な報道が増え、ミャクミャク効果もあって会場は連日大盛況。特に「情報強者」であることを誇りとする「大阪のおばちゃん」たちが3万円の通期パスを買い求め、万博を熱狂的に支えていたという事実は、あまり知られていません。

この万博の真の姿はどこにあったのでしょうか。本稿では、20年前の愛知万博とは一変した「情報空間」の実態、そして英国パビリオン炎上に潜む「体験価値」という名のビジネスの死角を分析。ネガティブな報道の裏に存在した現地の熱狂を、プレジデントオンラインの3つの記事で振り返ります。

まるで異世界だよ…「大阪・関西万博」ではオワコン、「20年前の愛知万博」では必需品だった"アイテム"

この1年の国政選挙や地方選挙で、ソーシャルメディア(SNS)の発信力が伝統的メディアである新聞やテレビを凌駕し、選挙結果を左右するほど大きな影響を与える事態が明らかになってきたが、今やSNSの増大するパワーは、選挙にとどまらなくなっている。

開催中の大阪・関西万博(以下、大阪万博)で、筆者は、SNSが提供する情報の有用性と、新聞・テレビが発信する情報の乏しさを、身をもって体感。「利用者が必要としているメディアとは何か」を、否応なしに突きつけられた。

万博という国を挙げての一大イベントで、来場者が頻繁に利用するメディアは、XやInstagram、Facebook、それにYouTubeなどのSNSであり、万博協会の公式サイトも含めた、さまざまなネットメディアなのである。

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「紙コップで5000円」の代償は大きかった…大阪万博「英国のアフタヌーンティー」が炎上した本当の理由

大阪・関西万博の英国パビリオンで提供されたアフタヌーンティーがSNS上で批判を集め、英国大使館が謝罪する事態にまで発展した。グルメジャーナリストの東龍さんは「アフタヌーンティーは高級ホテルなら1万円することもあり、英国パビリオンの5000円は安い。にもかかわらず『これで5000円は高い』と炎上したのは、外食における“体験価値”を満たせていなかったからだ」という――。

大阪・関西万博の英国パビリオンで提供された「アフタヌーンティー」がSNS上で議論を呼んでいる。

万博開幕から3週間ほどたった4月下旬、家族連れで英国館を訪れ、アフタヌーンティーを注文した女性がX(旧Twitter)に写真と感想を投稿。「メニューにはスコーン2個と書いてあったのに実際に提供されたのは1個だけだった」旨を伝えるポストに、多くの人が反応した。

なかでも批判が大きかったのは、紅茶が紙コップにティーバッグを入れたものだったこと、そしてクロテッド・クリームやコンフィチュールも紙コップに入れられていたこと。

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「3万円もする万博通期パス」一体だれが買っているのか…"大阪のおばちゃん"が目の当たりにした「大盛況」のリアル

大阪・関西万博の来場者数がうなぎ上りに増えている。開幕当初は一日当たり6~7万人だったのが、5月の大型連休以降は連日10万人を超えている。来場した大阪府在住ライターの原田あゆみさんは「私自身50代だが、万博は大阪のおばちゃんにとって『バーゲン会場』に近い。情弱とみられることが大嫌いで『オトク』が大好きというマインドに刺さっているのではないか」という――。

4月13日、ついに開会した2025年大阪・関西万博。大阪で働いている筆者(58歳、女性)は開催前後に用事で海外に行っていたこともあり、どこか万博については他人事で、「ようやく地元で始まったぞ!」という実感は今一つありませんでした。開会式では正午に予定されていたブルーインパルスの展示飛行が天候悪化でダメになったけど、前日の予行演習でちゃんと見たよ! なんていう友人たちの自慢げな報告もなんとなく聞いてはいました。

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2025.10.16

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