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医療費控除を受けるとき、夫婦で分ける場合と夫婦どちらかでいっしょに申請する場合のどちらがよいか気になっているママやパパもいるかもしれません。今回の記事では、育休や扶養などの所得によって夫婦まとめて医療費控除を申告する場合や、確定申告で医療費控除を受けるときの書類の書き方などについて、ママたちの体験談を交えてご紹介します。
医療費控除とは
家族の状況などによって、医療費を多く払う年もあるでしょう。1年間に支払った医療費が基準額を超えるとき、管轄の税務署に確定申告をすることで、基準額を超えて支払った分の医療費が課税所得から控除され、税金の一部が還付されます。この制度を医療費控除といい、所得控除のうちのひとつです。
医療費控除の対象となる「医療費」とは?
医療費控除の控除対象となる費用の具体例は以下のとおりです。
- 病院で支払った診療費、治療費
- 入院費用
- 処方箋で購入した医薬品の費用
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費用
- 助産師による分娩の介助費用
- 治療に必要な松葉杖や補聴器などの購入費用
- 介護保険の対象となる介護費用
- 通院にかかった交通費
一方、以下の費用は控除対象とならないため、注意が必要です。
- 予防接種や健康診断の費用
- 入院時の差額ベッド代
- 通院にかかったタクシー代
- 自家用車で通院した場合の駐車場代・ガソリン代
- ビタミン剤・サプリメントの費用
通院にかかった交通費の中でも、タクシー代やガソリン代など車に関連したものは対象外となるため注意が必要です。また、病気の予防や健康増進にかかる健康診断費用やサプリメント代も対象外となります。
医療費控除を受けられる条件
30代ママ
国税庁のホームページによると、医療費控除を受けられる条件は、自分にかかった医療費や生計を一にする配偶者や親族にかかった医療費であることとされています。また、1月1日から12月31日までの1年間に支払ったことも条件となるようなので、いつ支払った医療費なのかをしっかり確認する必要がありそうです。
対象となる医療費控除額
iStock.com/SARINYAPINNGAM
30代ママ
思いがけないトラブルで出産に医療費がかかってしまい、出産育児一時金では補填しきれませんでした。妊婦健診で自費で支払った金額や上の子どもの薬代などもあわせると控除を受けられる金額を超えそうだったので、医療費控除を受けようと思いました。
医療費控除はかかった医療費が全額控除・全額還付となるわけではありません。国税庁のホームページによると、以下の計算で求めた金額が所得控除の対象となります。
【実際に支払った医療費の合計額-(保険金などで補填される金額の合計)-10万円】
「保険金などで補填される金額の合計」とは、加入している生命保険などから支払われる保険金・給付金などをいいます。なお、医療費控除の上限金額は200万円です。医療費控除は1年間に支払った医療費の合計額で計算するため、領収書などで医療費控除額を確認してみるといいかもしれません。
また、2017年1月1日からは、健康診断や予防接種など病気の予防のための取り組みを受けた個人が、ドラッグストアなどで購入した医薬品などに対して控除を受けられる「セルフメディケーション税制」というのも施行されているようです。
「セルフメディケーション税制」では、処方薬のうち、副作用が少なく安全性の高いものを市販するスイッチOTC医薬品も対象になるようです。スイッチOTC医薬品に該当するかどうか気になる場合は、購入の際に薬剤師などに確認してみましょう。
また、受けた治療や医薬品の費用が控除対象となるのかどうかが気になる場合は、国税庁のホームページを確認するか、病院や薬局の窓口などで直接問い合わせてみるとよいかもしれません。
【体験談】夫婦の医療費控除はどうする?
医療費控除を受ける場合、夫婦で分けるとよいのでしょうか。それとも夫婦まとめてどちらかで申告するとよいのでしょうか。実際にどのように控除の申告をしたのかをママたちに聞いてみました。
夫婦で分ける
40代ママ
共働きをしていて、それぞれの勤務先で社会保険に加入しているので、医療費控除の申告は分けるようにしています。今年は夫が視力回復の手術を受け医療費がかかったので、医療費控除を受けるようです。
夫婦でそれぞれに社会保険などに加入している場合は、医療費控除を分けることもあるようです。また、それぞれの年間所得が一定額を超えている場合も自身がかかった分の医療費を分けることもあるかもしれません。
夫婦どちらかでまとめる
20代ママ
育休中に治療費や通院のための交通費がかかったので、医療費控除を受けることにしました。夫婦で分けるか夫婦まとめて受けるか、どちらにするか迷いましたが、私の所得が少なかったので夫婦まとめて夫が確定申告することにしました。
40代ママ
私はパートの仕事をしていて所得が少ないために夫の扶養になっているので、医療費控除は夫婦まとめて行っています。どちらか所得の高い方にまとめてもよいと聞いたので、夫婦まとめて申告しています。
育休で所得が少ない場合や夫婦どちらかが扶養になっている場合は、確定申告を夫婦まとめてすることもあるようです。所得税は総所得金額が課税標準とされ、課税標準をもとに所得税を計算します。また、日本の所得税は超過累進課税という方法で課税されるため、所得が高い方が高い所得税率が適用されます。そのため、夫婦で年間所得の高い方が確定申告で医療費控除を受けた方がいいかもしれません。控除の対象となる期間が決められているので、育休などで所得が変わった場合は、あらかじめ計算をして夫婦どちらにするかを決めるとよいかもしれません。
医療費控除に必要な書類
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医療費控除を受けるために、どのような書類を用意する必要があるのでしょう。国税庁のホームページを参照しまとめてみました。
確定申告書
医療費控除を受けるときには、まず確定申告書を用意する必要があるようです。確定申告書は税務署や申告相談会場などでもらうことができるとされています。また、自宅にいながらパソコンでオンライン申告できるe-Taxという方法もあるようです。
確定申告書は、管轄の税務署に直接提出する、郵送する、e-Taxでオンライン申告する、3つの提出方法があります。郵送やオンライン申告なら、仕事や育児で忙しいママやパパも活用できそうですね。
パソコンでも簡単に確定申告書を作成できるようなので、どちらで申告するのかは夫婦で相談して決めるとよさそうです。
医療費控除の明細書
2017年分の医療費控除から「医療費控除の明細書」を作成し確定申告書に添付して提出することになったようです。医療費や薬代などの領収書は添付せず、明細書に支払った金額を全て記入する方法になるそうです。
医療費の領収書の枚数が多いなど集計が大変な場合は、国税庁のサイトでダウンロードする「医療費集計フォーム」を利用すると入力が簡単になるようです。
源泉徴収票の原本と医療費通知
給与所得のある方が医療費控除の確定申告をするには、申告金額を証明するため源泉徴収票の原本の添付も必要となるようです。また、医療保険者から交付を受けた医療費通知がある場合は、医療費通知を添付することによって医療費控除の明細書の記載を省略することができるそうなので、会社や保険組合から送られてきた通知書は大切に保管するようにしておきたいですね。
確定申告の申告期間
確定申告は1月から12月の所得などについて、翌年2月中旬~3月中旬までに書類提出をして申告する必要があります。申告期間としては1カ月程度ありますが、提出漏れや遅れなどがないよう注意しましょう。
医療費控除の明細書の書き方
医療費や薬代の領収書の代わりに提出する医療費明細書にはどのような内容を書くのでしょう。国税庁のホームページを参照し、明細書の書き方をまとめてみました。
記載する内容
医療費の明細書には「医療費の領収書」などに記載された下記の5つの事項を記載するようになっているそうです。
- 医療を受けた人の氏名
- 病院、薬局など支払先の名称
- 医療費の区分
- 支払った医療費の額
- 支払った医療費の額のうち生命保険や社会保険などで補填される金額
医療費控除は生計を一にした配偶者や親戚などが対象となるため、医療を受けた人の氏名を記入する必要があります。また、明細書には医療費だけでなく、生命保険などで補填された金額も記入する必要があるため、支払い通知などは手元に保管しておくといいかもしれません。
なお、明細書に医療費通知を添付する場合は、記載された合計額のみを記入するだけでよいそうです。
気をつけたいこと
医療費控除の明細書の記載内容を確認するため、確定申告期限の翌日から起算して5年を経過するまでの間、医療費の領収書の提示または提出を求められることがあるそうです。給与所得の源泉徴収書の原本といっしょに領収書もまとめて保管しておくことが必要となっているようです。
医療費通知を提出するときは「被保険者の氏名」「療養を受けた年月」「療養を受けた者」「療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称」「被保険者が支払った医療費の額」「保険者等の名称」の全ての内容が記載されているかどうかを確認することが大切となりそうです。
夫婦の所得を考えて医療費控除の申請をしよう
iStock.com/Yagi-Studio
今回の記事では、育休や扶養などの所得によって夫婦まとめて医療費控除を申告する場合や、確定申告で医療費控除を受けるときの書類の書き方などについて、ママたちの体験談を交えてご紹介しました。
医療費控除を夫婦で分けるか夫婦どちらかにするかは所得なども考えて決めるとよいかもしれません。育休中や扶養になっている場合には、夫婦まとめて確定申告をすることもあるようです。どちらが確定申告した方がよいのか夫婦で相談し、明細書の書き方などを確認して医療費控除の申請ができるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年11月19日時点で作成した記事になります。
3月から子どもが歯科医院で歯の矯正治療を受けることになったので医療費控除を受けようと思いました。かぜなどで処方された薬代もあわせて控除を受けられると聞いたので、12月末までの医療費で申告しました。