こちらの記事も読まれています
【産婦人科医監修】妊娠18週目(妊娠5カ月)の赤ちゃんの位置やママのお腹について
つわりの状態やお腹の大きさ
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠5ヶ月は妊娠中期とよばれます。つわりの症状は落ち着てきますが、赤ちゃんが成長してきてお腹の張りやチクチクしたお腹の痛みなどの不調を感じる人もいるでしょう。妊娠5ヶ月、18週目のママの体調やお腹の赤ちゃんの様子、妊娠18週目の妊婦さんの注意点などを解説します。
妊娠週数18週目とはどんな時期?
妊娠18週目は、妊娠5ヶ月の3週目で、妊娠中期の真っただ中です。
妊娠18週目の妊婦さんの特徴
ひどかったつわりが落ち着いてくる人も多い時期です。しかし、子宮の増大に伴ってお腹の張りや、お腹にチクチクした痛みを感じる人も増えるようです。
妊娠中期、妊娠18週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
妊娠18週目になってくると、つわりはおさまっている人が多いでしょう。一方、お腹の赤ちゃんがどんどん成長して大きくなるので、お腹が張ったり、お腹を支えるために腰痛や股関節痛などを感じることが増えていきます。ほかにも妊婦さんの糖分が赤ちゃんに優先的に送られるようになるため、低血糖になり、集中力が続かなかったりするかもしれません。
子宮が大きくなり、お腹の血管が圧迫されるため貧血や立ちくらみを起こす人や、腎臓や肺にも負担がかかり、少し動くといつもより動機や息切れを感じる人もいるかもしれません。
お腹の大きさ
子宮は大人の頭くらいの大きさになります。妊娠5ヶ月、18週目ともなると、周りの人から見てもお腹の大きさが分かるくらい目立つようになってきます。
お腹にチクチクした痛みを感じる人もいるでしょう。
妊娠18週目の妊婦さんの身体
妊婦さんの身体は体力を維持させるために皮下脂肪を蓄えようとするため、お尻や乳房などに脂肪がつき、ふっくらとして丸みを帯びた身体つきになります。産後の授乳の準備で、乳腺が発達し、妊娠前よりバストが2カップ程度サイズアップする人も多いようです。
妊娠18週目くらいになると胎動を感じられる人もいます。しかしこの時期の胎動は腸の動きや腸内のガスが移動するような些細な動きを感じる程度です。
妊娠18週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
妊娠18週目の赤ちゃんの身長は、頭殿長が13㎝程度で全体が20㎝程度になります。この時期の赤ちゃんは羊水を飲んだり、おしっこを排出したりを繰り返しています。
身体の形
筋肉や骨格がしっかりしてきて、超音波(エコー)検査でみると体形も3頭身から4頭身になっているのが見られたり赤ちゃんらしくなってきます。
神経が発達してきて、白っぽかった肌は赤みのある肌色に変わってきます。髪の毛や眉毛も生え始める時期です。指先とつま先には指紋が出てきます。
性器もほとんど完成し、早いと超音波(エコー)検査を通して性別が分かる人もいます。妊娠18週目は、赤ちゃんの顔を3Ⅾ、4Ⅾエコーで確認するのにも適した時期です。
妊娠18週目のうちにやっておきたいこと
戌の日祈願
日本の伝統に、妊娠5ヶ月の戌の日に安産祈願をするという風習があります。犬は多産でお産が軽いため、犬のように円滑なお産ができるようにと、戌の日の安産祈願に行くことになったようです。
戌の日祈願とは、妊婦さんが腹帯を巻いて安産をお祈りするのが一般的ですが、地域によって風習や習慣の違いがあるようです。また、事前に予約が必要な神社もあるので確認しておくとよいでしょう。
妊婦さんの体調は毎日変わるため、体調がよくないときには無理せず体調のよい日に行くようにしましょう。
バストに合った下着を選ぶ
妊娠18週目頃になると、産後の授乳に備えてバストが大きくなる人が多いです。乳腺の発達を妨げないようにバストを締めつけないサイズに合った下着を選ぶようにしましょう。
腰痛予防
お腹が大きくなるにつれてお腹がチクチク痛んだり、お腹の張りを感じることが多くなる人も多いでしょう。お腹のなかの赤ちゃんが大きくなると、骨盤が開いてくるのでお腹を支えるために腰に負担がかかって腰痛が出やすくなります。
また、腰回りの血流が悪くなり腰痛を引き起こす人もいます。骨盤ベルトで歪みを抑えたり、骨盤の位置を安定させると腰痛が少しは和らぐかもしれません。
妊婦さんの身体の状態に合わせて、骨盤サポート腹帯パンツなどのグッズを使用してみたり、ストレッチやマッサージ、妊婦さんでもできるエクササイズなどで血流をよくするなど腰痛予防を取り入れてみるとよいでしょう。
赤ちゃんにたくさん話しかける
妊娠18週目ごろの子宮は、赤ちゃんが自由に動けるほどのスペースがあるため、赤ちゃんに定位置がありません。
お腹のどこかで胎動かもしれないという動きを感じたら、お腹のなかの赤ちゃんに積極的に話しかけましょう。胎動を感じる場所を優しくなでたり、話しかけたり、赤ちゃんとたくさんコミュニケーションをとってみてください。
妊娠18週目の妊婦さんが注意すること
糖分を意識的に摂取する
妊娠18週目は、糖分が赤ちゃんに優先して送られるので、妊婦さんは意識的に糖分を摂って糖分不足にならないように注意する必要があります。この糖分は、甘いお菓子などからとるのではなく、質や量を考えて食事から摂取しましょう。
急激な体重増加に注意
妊娠18週目は、つわりがおさまり、食欲が戻ることで、食べ過ぎや急激に体重が増加しやすい時期です。栄養バランスの整った食事を心がけ、食べ過ぎによる体重増加に注意しましょう。
散歩やウォーキング、体操など適度な運動で体重の管理をすることが大切です。
感染症に気をつける
妊娠中はさまざまな感染症に注意が必要です。妊娠初期から30週までの妊婦さんを対象に、クラミジア感染症の検査が義務付けられています。カンジタ腟炎や、生ものを食べたことで感染するリステリア菌は妊娠の経過や胎児に影響することがわかっています。
普段から下着を清潔に保ち、食事に配慮して、感染症にかからないように注意しましょう。
お腹の赤ちゃんとたくさん対話しよう
妊娠18週目は、5ヶ月の妊娠中期真っただ中。ママはお腹の膨らみが目立ち、外見から妊娠していることが分かる時期です。
つわりの症状がなくなる人が多い時期ですが、子宮が大きくなり、お腹の血管が圧迫されるため貧血や立ちくらみ、お腹の張りやチクチクしたお腹の痛みを感じる人も多く、急な体の変化に戸惑う妊婦さんもいるでしょう。
赤ちゃんはどんどん大きく成長していて、骨格もしっかりしてきます。超音波(エコー)検査で4頭身に成長した赤ちゃんが見られるかもしれません。髪の毛や指紋ができてくるなど一気に赤ちゃんらしくなる時期です。早い人では胎動が感じられたり、性別がわかったりすることもあります。
感染症や体重の増加に気をつけ、たくさん話しかけてお腹のなかの赤ちゃんとの対話を楽しんでみてください。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)監修の記事一覧(バックナンバー)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。