習近平の「最大の敵」は中国内部にいる…強固で盤石な「一強体制」を崩壊させる"3つのリスク"
台湾統一を達成できなければ「失脚」しかない
Profile
お粥をすする時代から政治家として台頭
習近平の歩みは、まさに「挫折と再起」を原点とする権力上昇の物語である。1953年、太子党の子として生まれながら、文化大革命で父・習仲勲が失脚し、自身も紅衛兵に糾弾された。
16歳で陝西省延安に下放され、粟粥をすすりながら耐えた経験は、彼の粘り強さと現実主義的な統治スタイルを形作った。
1974年に共産党へ入党した後は、福建省・浙江省での地方行政経験を積み重ね、着実に官僚の階段を上りながら、軍との関係も深めていった。浙江省では省党委員会書記だけでなく、省軍区党委第一書記を務めるなどの軍との関わりが彼の政治的台頭を後押しした。
先の薄熙来事件が発生した時、まさに2012年秋の第18回党大会を前にした夏、一時的に習近平の動静が表から消えた。彼の健康不安説、失脚などが噂され、総書記への就任に黄色信号が点滅し始めた。実は、習近平は胡錦濤や温家宝から薄熙来事件の始末を任せられていたようである。