一流は話すトーンとスピードを顧客に合わせない…元ヴィトンのトップ販売員が実践した「主導権を握る」会話術
顧客のペースに飲み込まれると雑談ばかりで時間が過ぎていってしまう…
Profile
顧客に商品を買ってもらうにはどのような接客が必要なのか。元ルイ・ヴィトントップ販売員の土井美和さんは「会話の中で、相手のしぐさや言動を真似れば、相手からの信頼や好意は得やすくなる。しかし、お客様のペースに飲まれてしまうと購買には繋がらない」という――。 ※本稿は、土井美和『「自分」というブランドを売る 元ルイ・ヴィトントップ販売員が大切にしてきたこと』(大和出版)の一部を再編集したものです。
あなたはいつもルイ・ヴィトンの看板を背負っている
今でも忘れられない入社当時のエピソードがあります。それは、仕事にも、先輩とのコミュニケーションにも少し慣れてきた頃のことでした。
「今朝寝坊しちゃって、さっき駅に着いてコンビニでおにぎりを買って、歩きながらお店まで来ましたー」
先輩が笑ってくれるのではないかと、少しおちゃらけた感じで話したんです。
写真=iStock.com/wisely ※写真はイメージです
すると先輩が、「え? 歩きながら食べてきたってこと? お客様がいつどこで土井さんを見ているかわからないのよ? いつもルイ・ヴィトンの看板を背負っていることを忘れちゃダメだよ?」と割とちゃんとしたトーンで言われ、それまで笑っていた私も、周りの同期も気まずい空気になったことを覚えています。
25年近くも前のエピソードを鮮明に覚えてるのって、やはりとても自分にとって胸に刺さり、影響を受けた言葉だったのだと思います。