ばいきんまんでもバタコさんでもない…やなせたかしが「大好きな母の面影」を感じたアンパンマンの人気キャラ【2025年9月BEST】
朝ドラ「あんぱん」では描かれなかった本当の親子関係
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2025年9月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。朝ドラ部門の第3位は――。 ▼第1位 カミさんに看取られるはずだったのに…闘病6年の末に死期を悟ったやなせたかしの妻、暢が秘書に残した言葉 ▼第2位 「あんぱん」で河合優実演じる蘭子のモデルは向田邦子か…やなせたかしが慕った女性脚本家との知られざる関係 ▼第3位 ばいきんまんでもバタコさんでもない…やなせたかしが「大好きな母の面影」を感じたアンパンマンの人気キャラ
やなせたかしとその妻をモデルに描いたドラマ「あんぱん」(NHK)がいよいよ完結を迎える。ライターの村瀬まりもさんは「嵩(北村匠海)と身勝手な実母(松嶋菜々子)の関係が面白かった。アンパンマンには、やなせが母のイメージを重ねたキャラもいた」という――。
最終週で描かれた嵩と実母の「和解」
嵩(北村匠海)「母さんはずるく生きたつもりだった?」
登美子(松嶋菜々子)「少なくともあなたの100万倍、ずるく生きてきたわ」
嵩「あんまりうまく……いかなかったんじゃないかな……」
登美子「生意気言って……」
連続テレビ小説「あんぱん」第26週「愛と勇気だけが友達さ」125話
いよいよ最終週に突入した朝ドラ「あんぱん」(NHK)。これまで半年にわたって、絵本作家・漫画家のやなせたかしとその妻・暢をモデルにした人間模様を描いてきたが、やなせが70歳を迎えようとしていた頃、ついに絵本『あんぱんまん』シリーズがアニメになる段階を描く。
やなせがモデルである嵩(北村匠海)は、実母の登美子(松嶋菜々子)から、たびたび「ずるく生きろ」と言われてきた。戦争で召集されて軍隊に入るとき、漫画家になったもののヒット作を出せずにいたとき、ずるくなって生き抜け、成功しろとプレッシャーをかけてきた。母の「ずるく生きなさい」という言葉は、やなせも実際にそう言われたと詩に書いている。しかし、やなせは正直で誠実な性格のまま、ついに成功をつかむのだ。