そりゃお金貯まるわ…「裕福なのに3週間ヨーグルトだけですごす」ドイツ人の尋常ではない節約術
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堅実に貯蓄をするというイメージがあるドイツの人。エッセイストのサンドラ・ヘフェリンさんは「たしかにドイツの高齢者にはケチケチすることが生きる楽しみになっている人がいる。ときどき、常軌を逸した節約ぶりで、人付き合いにも影響が出ることもある」という――。 ※本稿はサンドラ・ヘフェリン『ドイツ人は飾らず・悩まず・さらりと老いる』(講談社)の一部を再編集したものです。
ドイツのおばあちゃんの元気の源は「ケチケチ活動」
「僕が10歳ぐらいの頃、おばあちゃんは夜になると毎日のように、卓上カレンダーに何かを書き込んでいてね。ある時ふと見たら、そこには『今日もお金を使わなかった』と書かれていたんだ。それでよく見ると、何日か連続で『今日もお金を使わなかった』と書いてある! それにしても、あの時のおばあちゃんは本当に満足そうな顔をしていたなあ」
あるドイツ人男性は笑いながら、「祖母の節約」について話してくれました。なんだかほのぼのしてしまう話ですが、ドイツ人の節約はとにかく筋金入りなのです。
家は裕福でお祭りなのに…、オクトーバーフェストでも節約
ミュンヘンに住む60代のエフィ(Evi)さんから、「高齢のいとこの節約」について聞きました。
「予め言っておくと、いとこはお金には全く困っていないの。ドイツのなかでも裕福と言われているミュンヘンでも、かなり裕福なほうだと思うわ。高級住宅地に大きな持ち家もある。ところがいとこは昔からそれは徹底した節約ぶりなの。常識を逸脱した節約をするものだから、彼女と親戚付き合いをするのは本当に大変なのよ!」
86歳になるこのいとことエフィさんは、毎年秋に地元ミュンヘンのオクトーバーフェスト(Oktoberfest)に一緒に行くことが慣例となっているのだとか。
1810年から続くオクトーバーフェストは世界最大のお祭りで、戦争やパンデミックの時期を除けば毎年開催されてきました。ミュンヘンでは9月中旬から10月上旬にかけて約2週間、ドイツのビール会社各社が出店し、ビアツェルト(Bierzelt)〔註:テント式ビアホール〕のなかでお酒や食事が楽しめます。会場には観覧車やジェットコースターなどもあります。
「毎年、いとこからお誘いの電話があってね。それはとても嬉しいのだけれど……」
いとこはかつて大手ビール会社に勤めていました。だから引退した今もオクトーバーフェストで使えるクーポン券が送られてきます。
「いとこが調べた結果、一番多くの割引があるのは『火曜日の15時まで』らしくて、そのタイミングで行くことにこだわるの。私は毎年休みを取って彼女に付き合っているのよ!」