ペッパー君と組んでM-1に出場したことも…都知事選に出馬した"無名の若者"に15万4638票が集まったワケ

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これからの社会で求められるスキルはどのようなものか。2024年の東京都知事選挙に立候補した、AIエンジニアの安野貴博さんは「物事を新たに『はじめる技術』が重要だ。はじめられさえすれば、その後はやりたいことをAIが助けてくれる」という――。 ※本稿は、安野貴博『はじめる力』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

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左)安野貴博さん[出所=『はじめる力』(サンマーク出版)]、右)Pepper(写真=Softbank Robotics Europe/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)

これからの社会で「最も重要なスキル」

私は、今まさに到来しつつある、「AIとの共存」を前提にした社会で最も重要なスキルが、物事を新たに「はじめる力」だと考えています。

技術革新のスピードが極めて激しい現代においては、世界の不確実性がどんどん増していきます。変化に対応できることの価値が上がる一方で、何かをはじめない、はじめられないことのリスクが高まっているともいえるでしょう。

実はこの「はじめる力」、特別な人にだけ与えられた天賦の才ではないのです。やる気さえあれば誰もが使いこなすことができる“技術”なのではないかと私は考えています。

この「はじめる力」は人生の選択肢を増やしてくれるものですし、この技術を持つ人が増えれば、より前向きで創造的な社会ができるはず。

私の経験をもとに、何かをはじめるための「技術」についてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。

筆者がこれまでに「はじめた」こと

まずは自己紹介として、私がこれまで「はじめた」ことをいくつか並べてみます。

私は東京で生まれ育ち、東京大学工学部のシステム創成学科を卒業した後、外資系コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループを経て、AIスタートアップ企業を2社創業しました。BEDORE(べドア)(現PKSHA Communication)という会社とMNTSQ(モンテスキュー)という会社で、それぞれAI技術を使って既存の業務を変革し、働く人を助けることを目指した会社でした。

2015年には、人型ロボット「Pepper」と漫才コンビを組んで、M-1グランプリに出場しました。1回戦は勝ち進んだものの、2回戦で敗退。劇場ではかなりウケていたと思ったのですが……。

また、2度目の起業の後には、ロンドンの美術大学、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入学。学校で1人だけ絵がまったく描けない中で、画像生成AIを駆使しながらメディアアートの制作を行ない、準修士の学位を取得しました。現在もアートの創作は継続しており、「実験東京」というユニットで活動しています。

SF作家としては、星新一賞、ハヤカワSFコンテストなどの賞をいただき、2021年に長篇小説でデビューしました。自動運転技術やAIエージェント技術をモチーフに、新しい技術が変えていく世界を描いています。

そんな起業家、AIエンジニア、作家の私ですが、2024年6月に東京都知事選に立候補しました。立候補のきっかけは「妻の一言」でした。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-240923-40613187

2025.04.19

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