「オルカン」「S&P500」だけを買うよりずっといい…成功する個人投資家が「新NISAの枠」で必ず買っている有望株【2025年3月BEST5】
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新NISAが始まって2年目を迎えた。どうすれば投資で資産を増やせるのか。『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA)を書いた、投資家兼会社経営者のヘムさんは「有名企業の『大型株』は、プロが戦っているので個人投資家には不利だ。勝率を上げるには、“ブルーオーシャン”となっている市場をおすすめしたい」という――。(第2回)
個人投資家が戦うべきは「小型株市場」
私が主戦場とするのは、時価総額の小さい小型株。なぜなら、小型株投資はプロが参加しにくい世界だからです。国内の企業で東京証券取引所に上場している企業は約4000社ですが、私の場合、時価総額の大きさで以下のように大型株、中型株、小型株に分類しています。分類については厳密な定義はないのですが、私と同じように分類している投資家が多いようです。
市場の構成企業の割合は次の通り(図表2)。実は、日本の上場企業の半分以上(58%)は時価総額300億円未満の超小型株です。皆さんが大好きな三菱商事、トヨタ、ソニー、三井フィナンシャルグループ等は全て大型株ですが、大型株の構成割合はわずか11%です。
インデックス投資の項目で述べた通り、日本市場の参加者の8割はプロ。つまり、ファンドなどの機関投資家です。彼らは巨額の運用資金で株を購入しています。1日の出来高が少ない小型株を多額の資金で大量に買いつけると株価が上昇し、売却するときには株価を押し下げてしまい、利益が出なくなるので小型株の世界には参入しにくいのです。
どの銘柄も常に“適正価格”である
少し話が戻りますが、株式投資とは「企業の本質的価値」と「株価」の差=αを見つけるゲームだと本書で話しました。そしてαが見つけやすいのは小型株だと結論も先に述べました。ところが、αは存在しないという説があるのです。それが「効率的市場仮説」。ノーベル経済学賞を2013年に受賞したシカゴ大学ユージン・ファーマ教授が提唱した説です。
この説によると以下の3つの条件のもとでは、株価は常にその時点で、その企業の本質的価値を反映しているため、「α」など存在しないというのです。
その3つの条件とは次の通りです。
- 市場に十分な参加者がいる
- 市場参加者は十分な知識と情報を持っている
- 市場参加者は優秀で常に合理的な判断を行う
例えば「1株当たりの本質的価値が1500円」の企業の株価が現在1000円だとします。十分な知識と情報を持った市場参加者はその企業の本質的価値を見抜き、割安に放置された株を買います。逆に株価が2000円なら、市場参加者は割高と見抜き、売却します。その結果、株価は自然に本質的価値である1500円に収束するというのです。つまり、3つの前提のもと、効率的市場仮説が機能していれば、全ての銘柄の株価にはあらゆる情報・成長期待・将来への不安が織り込まれていることになります。
するとどの銘柄の株価も、常にほぼ適正な価格であるため、大きなαは存在しません。たとえαが存在するとしても少額で、企業分析などの労力に見合うリターンは得られず、市場平均を上回るのは困難ということです。