【小児眼科医×こどもメガネ専門店】処方箋のないメガネでは子どもを守りきれない?

【小児眼科医×こどもメガネ専門店】処方箋のないメガネでは子どもを守りきれない?

子どもたちの目の健康を守るために、大切にするべきことは何でしょうか。今回は小児眼科医とこどもメガネ専門店「アンファン」が子育てをする全ての親に届ける、子どもの目についての理解を深めるための対談を行いました。小学生までの子どもがメガネを作製する場合は、眼科を受診し、処方箋に基づき作ることが非常に重要なようです。なぜ処方箋が必要なのか、子どもの目はどのように発達していくのかなど、気になる話を伺いました。

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子どもの目は大人と違う。正確な度数測定の難しさ

根岸先生
根岸先生

子どもの視力検査は、大人と比べて難しいです。なぜなら、小さい子どもはまだ視力検査というゲームのルールが理解できていないので、答えがはっきりしないことがあるからです。そのため、もし「うちの子、視力が低いのかな?」と気になったときは、眼科を受診して、国家資格を持った専門の検査技師である視能訓練士にしっかりと検査をしてもらうことが大事です。

根岸先生
根岸先生

眼科で視力検査をするときは、正しく度数を測るために、ピントを合わせる力を弱めるような目薬を使うこともありますよね。

兵頭さん
兵頭さん

処方箋がなくてもメガネが作れると案内をしているお店もあるようですが、アンファンで小学生以下のお子さまがメガネを作っていただく場合、眼科の処方箋を必ずお持ちいただきます。そのひとつの理由として、根岸先生がおっしゃったように、子どもの視力は眼科医療機関でないと正確に測定できないということがあります。

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根岸先生
根岸先生

実際にメガネ屋さんで視力検査だけを行い作ったメガネは、度数が強くなりすぎる傾向があったり、目の健康や発達によくないことが起きてしまいます。度数が強すぎるメガネをかけていることで、目の疲れや頭痛を引き起こすこともあります。そのようなことがないように子どもの視力に異変を感じたら眼科を受診し、処方箋を持ったうえで本人に合ったメガネを作ることが大切です。

意外と知られていない「処方箋」が持つ重要な情報

根岸先生
根岸先生

私たち眼科医は、メガネを作るための処方箋を出すとお話しましたが、実は処方箋の中に視力の情報はありません。書いてあることは、必要なレンズの厚み(度数)と、左右の黒目の中心同士の距離です。

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兵頭さん
兵頭さん

アンファンではその処方箋を元に、お客様が選んだフレームに合わせ瞳の中心とレンズの中心が合うように、正しいメガネをお作りします。そのときに私たちは、眼科医の根岸先生がこの処方箋を出すにあたってどのような意図があったのかを読み取れるように、お客様とコミュニケーションを取っています。

近視の方であれば常用するメガネなのか、授業中だけなのか、どんなときに使われるメガネなのか、その方の生活をイメージしながらメガネを作ることを意識しています。たとえばスポーツ用ゴーグルなどもオリジナルで開発しています。

根岸先生
根岸先生

本人の生活をイメージすることは大事ですよね。眼科医は、生活環境を考慮してメガネの度数を決めているので、必ずしも視力がいちばん高く出るような処方箋を出しているわけではありません。また、処方箋を出す前には20~30分ほど試しにメガネをかけた状態で過ごしてもらって、本人の納得のいく見え方を確認してから処方箋を書いています。

そのとき相手が子どもの場合は、「かっこいいメガネを作ってきてね」「かわいいメガネ選んでおいで」というような声かけをするようにしています。本人が気に入るものを作ってほしいですよね。

兵頭さん
兵頭さん

そうですね。メガネを好きになってもらって、ちゃんと使ってもらうことで、生活は豊かになるし、目の発達もよくなります。アンファンではお子さまが「かけたい!」と思えるようなデザインのフレームを取り揃えていますし、私たちも本人に似合うメガネをいっしょに選んで、気に入ってもらえるように意識しているところです。

また、お子さまにとってはかけ心地も重要ですが、福井県で作られる日本製の高品質のアンファンオリジナルのフレームは軽くてしっかり調整が可能です。そして、メガネを作った一か月後にフィッティング調整のためにご来店いただくのですが、「メガネを好きになってもらえた?」ということを必ず聞いています。

子どもがメガネを好きになる専門店
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見過ごされがちな目の健康リスク

根岸先生
根岸先生

子どもの視力は1歳で0.1、2歳で0.5と発達していき、正常であれば3歳すぎに1.0となって発達が完了します。ただ、視力が発達するためには、ピントが合っている必要があります。もしその期間にピントが合わないまま生活を続けていたら、視力の発達が滞ってしまい、弱視という病気になってしまいます。

そうならないように、しっかりと本人に合った度数のメガネをかけて視力を矯正してあげることで、視力の発達を遮らず、必要な場合にはトレーニングを指導してもらうこと。これが非常に重要です。順天堂では弱視のトレーニングが楽しく実施できるような絵本も出版しました。

また、目の健康は視力の問題だけではなくて、さまざまな目の病気のリスクがあります。たとえば視力の発達を妨げるような目の中の病気もあり、稀なケースではありますが、早めに治療しないとなかなか視力が改善しないということも起こり得ます。

ただ、そのような目の病気がなく、視力が通常に発達した人でも、小学校高学年になってくると近視が進んでくることがあります。近視というのは、近くを見ている状態が続くと目がその状態に適応して、近くは見えやすいけれど遠くが見えにくくなる症状を指します。

たとえばスマートフォンやタブレットの使いすぎで近くを見ている時間が長い子は、近視になりやすいということが分かっています。実際に、現代の生活スタイルでは小さい頃から手元を長時間見ることが増えているので、近視の人口が全世界的に増えているという現実があります。

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根岸先生
根岸先生

近視になってしまったときの対応として一番先に行うべきことは、やはりメガネを作ること。昔は、一度メガネをかけると度数がどんどん強くなってしまうと言われていましたが、それは間違いです。現在では、その子の目の状態に合ったメガネをかけていないと、近視がさらに進行してしまうと言われています。適切なメガネをかけることが、近視の進行を遅らせるためにも大事な方法なのです。

子どもの目の健康を守るために家庭でできること、専門家に任せること

兵頭さん
兵頭さん

お子さまの目が見えにくいことに、親御さんが早めに気が付かないといけないですよね。

根岸先生
根岸先生

小さい子の場合は特にそうですね。視力が発達段階にある小さい子どもは「よく見える」という状態を知らないので、「見えない」とは言いません。なので、親御さんが気をつけて見てあげないと、子どもの目が見えない状態が放置されてしまうケースがあります。3歳児検診ではじめて視力を確認する場合が多いですが、普段から様子がおかしいなと思ったら、早めに眼科を受診するようにしていただきたいです。

兵頭さん
兵頭さん

そうですね。お子さまの年齢が上がるにしたがって受け答えがはっきりできるようになっても、はっきりと「見えない」と言わないお子さんも多いですね。特に、小学生は高学年になるにつれて、近視が進む子は多いですよね。

根岸先生
根岸先生

そうですね。学校の検診では視力を4段階に分類するような簡易的な結果しか出ません。もし受診勧告を受けたときは、必ず眼科を受診して詳しく診てもらってください。また、近視の予防としては、先ほども申し上げたように近くを見すぎる環境は要注意です。スマートフォンやタブレットは、常識的な使用時間を守っていただくとよいですね。

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兵頭さん
兵頭さん

根岸先生もおっしゃっていたように、成長につれて近視は進んでいく傾向があります。近視を進行させないためにも、メガネを一度作ったらそれでOKではなく、適正な状態で使えているのかを都度チェックすることが大切です。アンファンでは、大体どのくらいの期間で視力が変わる可能性があるのかを、事前にお伝えしています。

また、せっかくメガネを作ったのにあまり使わずに生活をしたり、至近距離で長時間モノを見てしまったりすると、やはり近視は進んでしまいます。メガネをかけて視力のある状態で、正しい姿勢で距離を保ってモノを見るような生活が、お子さまの目を守ることにもつながります。

根岸先生
根岸先生

お子さまのためにも親御さんが気を付けてあげてほしいですね。

兵頭さん
兵頭さん

はい。私たちは、お子さまの目を守るという観点でも、保証については大切に考えています。メガネのフレームやレンズの破損は購入から一年間無料で修理、レンズの度数についても3カ月以内であれば無料で交換させていただきます。また、メンテナンス調整に関しては、特に期間は定めておりませんので、いつ来ていただいてもしっかりと対応します。

「アンファン」で子どもの目の健康を守るためのメガネ選びを

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兵頭さん
兵頭さん

メガネは一度かけたら長い期間付き合い続けるものです。最初にメガネとの正しい付き合い方を覚えることで、大人になってもメガネ生活に困らないのではないでしょうか。だから、お子さまが初めてメガネを選ぶときから、親子で正しいメガネの知識を身につけてほしいなと願っています。

 

アンファンは子どもメガネ専門店ですが、親御さんのメガネのクリーニングやねじ点検、お困りごとも聞いていますので、親子で安心してご来店いただける場所であり続けたいなと思っています。

子どもが自慢したくなるメガネ

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