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【助産師監修】授乳期間中「ほうじ茶」を飲むのはOK?飲む時の注意点とは
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こうばしい香りと、すっきりとした味わいが特徴の「ほうじ茶」。日常的に飲まれる方も多いことでしょう。今回は「授乳中、ほうじ茶は飲めるの?」といった疑問をはじめ、授乳期間中の飲み物についてお伝えしていきます。
授乳中に「ほうじ茶」を飲んでもいいの?
結論から言うと、飲むことはOKです。ただ、飲む量は気にしたほうがいいでしょう。
なぜならば、ほうじ茶もお茶の葉から作られており、カフェインが含まれているからです。緑茶を強火で炒るため、茶葉の色が茶色くなり、麦茶のような色味になります。
ほうじ茶に含まれているカフェインの量について
文部科学省が公開している、日本食品標準成分表(2020年度版)には以下のように記載されています。
浸出法: 茶 15 g 90 °C 650 mL 0.5分
カフェイン: 0.02g
タンニン: 0.04g
お茶類は抽出温度や時間によって、抽出される成分が異なります。
成分について、適当に書かれているネット記事なども多いので注意しましょう。
カフェイン以外の成分について
・カテキン
脂質、糖質の吸収を抑えるとともに、体脂肪の燃焼も促進すると言われています。また、抗菌・殺菌作用があるので、口臭予防なども期待できます。
・褐色物質(メラノイジン)
ほうじ茶の褐色は褐色物質によるもの。生葉の状態や緑茶にはこの褐色物質は含まれていませんが、加工の段階で加熱されるほうじ茶は、アミノ酸と糖類を一緒に加熱することでメイラード反応が生じ、褐色物質であるメラノイジンが生まれます。
・サポニン
茶葉にごく微量含まれるサポニンは、お茶の苦味を構成する物質のひとつです。また界面活性剤としての特性を持ち合わせているため、お茶が泡立つ原因の物質でもあります。
・アミノ酸
お茶の旨味成分であるアミノ酸の約50%はテアニンというお茶特有のアミノ酸で構成されています。
・ピラジン(香気成分)
ほうじ茶のこうばしい香りは、アミノ酸と糖が高い温度で加熱されることで生成されるピラジンという香気成分によるものです。
・クロロフィル(葉緑素)
植物の緑色の色素成分であるクロロフィル(葉緑素)は、当然茶葉にも含まれています。熱を加えても破壊されにくいため、ほうじ茶にも含まれていますが、クロロフィルは水に溶け出しにくいため、ほうじ茶を飲むだけではほとんど摂取できません。
飲む際の注意点
飲む量
先述した通りカフェインを含む飲み物なので、1日あたり500mlのペットボトル1本を目安にしてください。
赤ちゃんの月齢
授乳中にほうじ茶を飲むのならば、摂取する時間帯に気をつけましょう。
カフェインの入った飲料を摂取した後、15〜30分でママが摂取した1%未満のカフェインが乳児の体内に運ばれると言われています。
とくに1歳未満の赤ちゃんは肝臓の代謝機能が低く、少しのカフェインでも分解するのに時間がかかります。
生後0日から満1歳未満までの乳幼児に授乳しているママは、ほうじ茶は控えたほうがいいですね。
1日のカフェイン総摂取量
カフェインは、コーヒー・紅茶・煎茶・ウーロン茶・エナジードリンク、そしておやつの定番、チョコレートにも含まれています。
微量かもしれませんが、抹茶・紅茶・ほうじ茶などのスイーツにも含まれているでしょう。
カフェインは一日に摂取する総量を意識することが大切です。
自宅でほうじ茶を煎れる時のコツ
自宅で温かいほうじ茶を煎れる方もいるでしょう。注意したいのは、浸出時間。長くなるとカフェインの含有量も増えてしまいます。
不安な方は、水を少し多めにするといいでしょう。
授乳中はママの体も水分不足になりがちです。
量を気にせずガブガブ飲みたいというママは、ノンカフェインのほうじ茶を、常備しておくと安心かもしれません。
また、体が冷えると血行が悪くなり母乳に影響するので、極力ホットで飲むようにしましょう。