丸亀製麺に次ぐ宝の山になるかもしれない…トリドールが展開のハワイアンカフェ"コナズ珈琲"急成長の理由

丸亀製麺に次ぐ宝の山になるかもしれない…トリドールが展開のハワイアンカフェ"コナズ珈琲"急成長の理由

トリドールホールディングスが展開する喫茶店業態の「コナズ珈琲」が急成長している。経済評論家の鈴木貴博さんは「2025年2月に発表された決算資料によれば、丸亀製麺の売上の伸び率よりも高い。客単価は1000円を超えているのに、躍進している」という――。

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「コナズ珈琲」外観イメージ(多摩ニュータウン店)

冬の時代を迎えている喫茶店

喫茶店は冬の時代です。帝国データバンクによれば2024年度における負債額1000万円以上の喫茶店の倒産件数は2月段階ですでに66件で、2023年度の倒産件数68件を上回りそうな勢いです。背景にはコンビニコーヒーに客を奪われていることや、電気・ガス代、人件費の高騰に加えて、世界的なコーヒー豆の値上がりがあると言われています。

一方で丸亀製麺を運営するトリドールの喫茶店業態であるコナズ珈琲の急成長が話題になっています。直近、2025年2月に発表された決算資料によれば、国内での丸亀製麺の売上の伸び率が12.1%だったのに対して、国内のその他業態の伸び率は24.5%です。うどんよりもその他の伸び率が倍以上高いのです。

その売上増分の約4割を占めるのがコナズ珈琲です。ちなみに約3割のラーメン業態のずんどう屋がそれに次ぐのですが、事業利益への貢献ではずんどう屋の伸びはマイナスです。一方のコナズ珈琲の事業利益増加額は第3四半期の累計で4.2億円の利益増ですから、たいしたものです。

さらに注目すべきこととして、トリドールの国内店舗売上ランキングではトップ20の中にコナズ珈琲が10店舗ランクインしていて、6店舗ランクインの丸亀製麺を完全に抑えているのです。

街の喫茶店の苦戦理由は「新しい競争相手の出現」

街の喫茶店では倒産急増現象が起きている一方で、コナズ珈琲が丸亀製麺以上に急躍進している。この一見パラドックスのように見える現象について、経済の視点で解明してみたいと思います。

さて、順序としてはなぜ街の喫茶店が苦戦しているのかから話を始めます。というのも苦戦の理由を理解することで、コナズ珈琲の戦略も深く理解できるようになるからです。

昭和の時代には町のいたるところにあった喫茶店ですが、小規模の喫茶店は最近では軒並み苦戦しています。ここ30年ぐらいの長期スパンでみて、街の喫茶店が衰退した理由は相次ぐ新しい競争相手の出現です。

もともと街の喫茶店は、私たち庶民が息抜きに休憩する場所でした。仕事の合間や学校の帰りなどにちょっと喫茶店に立ち寄って一息つく。それが喫茶店という場所でした。コーヒー一杯は500円。それで(スマホのない時代でしたから)新聞や雑誌を読んで時間をつぶして、リフレッシュしたらまた仕事に戻る。それが喫茶店の存在価値でした。

当時は喫茶店は脱サラしたサラリーマンが起業する一番多い業態でもありました。ある程度サラリーマン時代に貯めた貯金を元手に起業するなら、喫茶店は手ごろで確実な商売だったものです。

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2025.04.18

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