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医療費控除は家族合算で申告できる?家族の範囲や申告方法とは
扶養外の場合や控除の対象になる医療費など
医療費控除を家族合算で申告する場合、扶養家族以外にも別々に暮らす親は家族の範囲に含まれるのか、通院にかかった交通費や家族療養費付加金は医療費控除の対象になるのか知りたいママもいるかもしれません。今回は家族合算できる対象と控除対象になる費用、マイナンバーなどの必要書類等についてご紹介します。
医療費控除の家族合算とは
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に、所得控除を受けることができる制度とされているようです。国税庁のホームページによると、「自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合」もその額を合算して申告することができるとされています。
夫が医療費控除を受ける場合を例として考えてみると、夫(自己)が自身のために使った医療費にくわえ、「生計を一」にする家族(妻や子ども)が使った医療費も、家族の範囲に含まれるとして申告対象となるようです。
【体験談】家族合算で申告した家族の範囲
国税庁のホームページによると、「納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」は、医療費控除として申告できるとされているようです。では、共働きで夫の扶養から外れている場合や、別々に暮らしている親族に対して支払った医療費についてはどう考えたらよいのでしょう。
実際に、ママたちが家族の範囲をどのように考えて申告を行ったのか聞きました。
扶養から外れている場合
「扶養から外れていてもいっしょに暮らす家族は『生計を一にする』とみなされるようなので、家族合算で申告しました」(30代ママ)
共働きをしていて、申告者の扶養に入っていない場合でも、「生計を一」にしていると考えて家族合算で申告をしたママもいるようです。夫婦のどちらが申告するのかは、還付金の額などを計算して判断するのもよいかもしれません。
別々に暮らしている場合
「自宅近くに別居している親がいて、ほとんど週末はいっしょに過ごしています。そのような場合、親の怪我で通院が必要になったときに負担した医療費や、付き添いのために使った交通費なども家族合算できるようだったので夫の医療費控除として申告しました」(40代ママ)
別々に住んでいる親族であっても、余暇に起居を共にしていたり、生活費や療養費等の送金をしている場合に医療費控除を家族合算して申告したママもいるようです。ママのなかには、別居する家族のために払った医療費が家族の範囲にあてはまるのかわからなかったので、税務署に確認したという声もありました。
医療費控除の対象となる金額と医療費
医療費控除の対象となる費用にはどのようなものが含まれるのか気になるママもいるかもしれません。申告の対象となる費用について調べてみました。
医療費控除の対象となる金額
国税庁のホームページによると、医療費控除の金額については、次の式で計算した金額(最高で200万円)のようです。
【(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額)-10万円】
※10万円については、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額となるようです
保険金などで補填される金額とは、生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などのようです。
医療費控除の対象となるもの
上記のような費用に関しては医療費控除の対象に含まれるようなので、かかった費用に関するレシートや明細をとっておくと申告がスムーズになるかもしれません。
・治療費
・医師から処方された薬代
・交通費(本人だけでなく、付添が必要な場合は付き添った家族が使った分も対象)
・市販の薬
・妊娠がわかってから出産するまでにかかった費用で、出産育児一時金などの給付金を除いた など
通院などにかかった交通費に関しては、電車やバスなどの公共交通機関を使った場合が対象となるようです。切符など手元に領収書が残らないものに関しては、かかった額のメモを取っておくようにするとよいかもしれません。
申告の対象にならないもの
・美容や健康維持のために支払った医療費
・自家用車を使った場合の燃料費やタクシー代など
・受け取った保険金や給付金
医療機関に支払った医療費であっても、美容目的や人間ドック費用など健康維持目的での受診、通院等で自家用車を使った場合にかかった費用は、医療費控除の対象にならないものもあるようです。しかし、タクシーについては交通公共機関から離れた場所に住んでいるなど、やむを得ない事情で使った場合については、医療費控除の対象となるようです。
家族合算で申告する方法
家族合算で医療費控除の申告をする方法が知りたいママもいるのではないでしょうか。国税庁のホームページを参照して、申告時に用意するものや、申告方法をご紹介します。
用意するもの
・医療費控除の明細書
・源泉徴収票
・確定申告書A
・マイナンバーカード
・還付される税金の受け取り場所(預金口座番号など)
平成29年分の確定申告から、医療費控除の明細書を提出することで、医療費の領収書の添付が不要になったとされています。医療費控除の明細書や確定申告書Aは、国税庁のホームページからも書式をダウンロードできるようです。
また平成29年分からは、本人確認書類としてマイナンバーの記入や申請者本人のマイナンバーカードのコピーの添付が必要になったため、マイナンバーカードまたは、マイナンバーのわかる書類などの用意も事前に用意しておくと申請がスムーズになるかもしません。
申告方法
申告方法には、税務署や市区町村の役場などで確定申告書類を受け取り、書類を作成して税務署で確定申告をする方法と、ウェブ上で申告書類を作成したものを印刷して管轄の税務署に郵送する方法(e-Tax)の2種類があるようです。申告後は税務署が書類を確認し、約1カ月ほどで指定した銀行口座に還付金が振り込まれるとされているようです。
医療費控除を家族合算する方法を確認しよう
医療費控除を家族合算で申告する場合、扶養外の家族や別々に暮らす親なども申告できる家族の範囲に含まれたというママの声がありました。家族療養費付加金や自家用車で通院した場合の交通費などは控除の対象外になるなど、医療費控除の対象についてもきちんと確認しておくとよいかもしれません。
明細書やマイナンバーなど申請に必要なものは早めに用意して、スムーズに手続きができるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年11月19日時点で作成した記事になります。