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子どもが口を閉じて食べるのは何歳から?年齢別に食事マナーの教育法を解説
子どもが小さいうちは食事を楽しみたいと思いつつ、くちゃくちゃ食べやお箸の持ち方など食事のしつけは何歳からすべきか悩んでいる保護者は多いと思います。とはいえ子どもの発達ペースによる部分もあるため、「口を閉じて食べることが難しいのでは?」「どこまで厳しくしつけるべき?」と考えている人もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では子どもが口を閉じて食べる年齢や何歳から食事マナーをしつけるべきかなどを解説します。
子どもが口を閉じて食べるようになるのは何歳から?
食事中にかかわらず、子どもが自然に口を閉じるようになるのは、2~3歳ごろといわれています。というのも、口を閉じるために必要な口の周りの筋肉は1歳ごろから食事やおしゃべりなどを通して徐々に発達していくものだからです。そのほか、鼻づまりや舌の位置などによっても子どもがお口を閉じられるかどうかが変わってくるため、日常的に口呼吸となっている、いわゆる「お口ポカン」や「くちゃくちゃ食べ」が「マナーが悪い」とは言い切れない実情があります。
食事のマナー、いつから子供に教えるべき?
先ほども述べたとおり、子どもが口を閉じて食べるようになるのは発達や体調などの要素もかかわるため、子どもの様子に合わせて教えていくことが大切です。では、子どもの食事のしつけは、いつから始めればよいのでしょうか。一般的には、座って離乳食を食べ始める時期から少しずつ教えていくのがよいとされます。もちろん、0歳の赤ちゃんが1回で理解するのは難しいですが、習慣として毎日続けていくことで少しずつ感覚的にわかってくるはずです。
ただし、食事タイムが辛い時間になってしまっては元も子もありません。あまり厳しくなりすぎず、食事が楽しい時間になるよう心がけましょう。
【年齢別】子どもに伝えたい食事中のマナー・しつけ
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【1~2歳】マナーよりも、食事の楽しさ重視
1~2歳は離乳食が完了期に入り、少しずつ「自分で食べること」を練習し始める時期です。子どもの意欲に合わせてスプーンやフォークを使わせてあげるのもおすすめです。ただし、道具がうまく使えるようになるのはまだ先。手づかみ食べや食べこぼし、遊び食べも多い時期です。ママやパパが無理のない範囲で多めに見てあげましょう。食べ物をわざと投げるなどする場合は「投げちゃだめだよ」と声をかける、遊び食べが始まったら時間を決めて食事を下げるなど粛々と対応することで、少しずつ「これはやってはだめなのかな」などと理解させてあげましょう。
【3歳】まずは席について食べるところからスタート
3歳ぐらいになったら、少しずつ周囲に迷惑をかけないような食事のマナーについて教えてあげましょう。と言っても、いきなりできるようにはならないので根気強く教えてあげることが大切です。パパやママなど、周りの大人がやっていることをマネしようとする時期でもあるため、お手本を見せてあげるのもいいでしょう。
挨拶(いただきます、ごちそうさま)
3歳では、「いただきます」と、「ごちそうさま」がきちんとできるように教えましょう。この時期は、大人の行動を真似ることが多くなります。食事のときの挨拶を、各家庭で習慣づけることで、子どもも挨拶が自然と身につくようになってきます。きちんと言えたときは「よく言えたね」とほめてあげると習慣化しやすいでしょう。
席を立たない
食事の最中にウロウロ歩きまわったり、立ち上がったりしないことを教えてあげるのも大切です。食事の前に「食事のときは座ってちゃんと食べようね」と声かけをしてあげしょう。大人の言葉をしっかり理解し始める時期でもありますので、「こぼしてしまうからやめようね」「のどに詰まったら大変だから席についてね」など理由もセットで説明してあげるのも効果的です。
また食事が始まるときはテレビは消す、おもちゃは片づけるなど、子どもが食事に集中できる環境を作ってあげることも大切です。食事の時間は30分を目安にして、子どもの様子によっては、30分たったら食べ終えていなくても片づけるようにしてもよいかもしれません。
【4歳】箸の持ち方や姿勢など、「お行儀よく食べること」を教えよう
4歳児には食事の細かいルールも少しずつ伝えていきましょう。良い・悪いの判断もつく時期ですので「これはお行儀が悪いことだよ」とルールをしっかり教えてあげることで、少しずつ身につけることができます。
お箸の持ち方
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4歳頃からは少しずつお箸のトレーニングを始めましょう。正しい持ち方を教えてあげるだけでなく、子どもの手にあった箸を与えることも大切です。持つ位置がわかりやすいよう印をつけてあげたり、滑りにくい素材の箸にしてあげるのもよいでしょう。いきなりごはん全部を箸で食べさせるのは時間もかかってしまいますし、ママも本人も大変です。まずは「最初の5分だけ」などと決めて、少しずつ慣れさせてあげるのがよいでしょう。
姿勢や食べ方
食べ物を口に入れたまま喋らない、咀嚼するときは口を閉じておく、肘をつかない、正しい姿勢で食べる、というマナーを教えてあげることも大切です。まずは大人が正しいマナーを身につけているか、振り返るようにしましょう。
【5歳】きれいに食べる、配膳ルールなど踏み込んだマナーも
5歳頃からは親の介助がなくても1人でご飯を食べられる子がほとんどとなります。1人である程度は配膳から片付けまでできるようなしつけを始めてみましょう。
手に持つ食器など、細かいマナー
「お茶碗やお椀は手に持って食べるとこぼしづらいよ」「大きなお皿に口をつけて食べるのはマナー違反だよ」など、食事中の細かいマナーを教えてあげましょう。ただ「ダメ」というだけでなく、理由や「海外ではこんなルールもあるみたいだよ」などプラスαの情報も教えてあげると、子どもがより理解しやすいかもしれません。
お味噌汁のお椀とごはんの場所
5歳ぐらいになると、お手伝いをしてくれる子も増えるでしょう。できあがった料理を並べるお手伝いをお願いするときは、主菜、副菜、汁ものなど、配膳のルールも教えてあげましょう。小学校に入ると、自分で配膳する学校が多いため、移行もスムーズになりますよ。
子どもの食事のしつけ体験談
実際にママたちはどのように食事のしつけを行なってきたのでしょうか。年齢別のしつけ体験談をご紹介します。
3歳
「2歳ごろから遊び食べが酷くなりました。3歳になったときに『ご飯のときは座って食べようね。遊んだり立ったりしたらそこでご飯はおしまいね』と声かけをして、実際に立ちあがったらそこで食事を終了にしました。
そうすることで「ご飯はきちんと座って食べるもの」と覚えてくれたようで、今ではだいぶ食事のときは最初から最後まで集中して食べられるようになりました」(3歳の男の子のママ)
4歳
「お箸の使い方を覚えさせるのに、まずはお箸でスポンジをつかむ練習から始めました。スポンジがつかめたらマカロニ、マカロニがつかめたら小豆と、徐々につかむものを難しくしていきました。
子どももゲーム感覚で楽しく使い方を覚えられたようで、いつからか上手にお箸を持てるようになりました」(5歳の女の子のママ)
5歳
「あまりにアレもコレも注意してしまうと、子どもも食事が苦痛になってしまいそうだったので、毎回テーマをひとつ決めていました。『今日は三角食べをがんばろうね』『今日は音を立てずに食べようね』など。
ひとつのことができたら、また次、というように、こちらもストレスが溜まらないようにほどほどに、を意識していました」(小学1年生の女の子のママ)
離乳食が始まったら食事のしつけスタート!まずは楽しさを教えてあげて
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子どもはまだ発達的に未熟な点も多く、いきなり「口を閉じて食べて」「こぼさない」などと言っても難しいものです。離乳食期の赤ちゃんには、まずは食事の楽しさを教えつつ、ママやパパのふるまいを見せることで食事のマナーを習慣化していきましょう。具体的に食事のしつけを始めるのは3歳ごろからがおすすめ。成長度合に合わせてできる範囲でしつけを行うとともに、「伝える」ということを続けていくことで自然と身についていくこともありますよ。
食事のマナーはみんなが気持ちよく食事をするために必要なもの。過度に意識しすぎず、食事の時間がより楽しくなるように進めていくようにしましょう。