「イマージョン教育」とは?日本における取り組み事例やメリット・注意点などを見てみよう

「イマージョン教育」とは?日本における取り組み事例やメリット・注意点などを見てみよう

2024.04.30

幼少期からの英語教育に興味を持つパパ・ママなら「イマージョン教育」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。効率的な外国語の習得方法といわれるこの教育方法は、どのような内容なのでしょうか。イマージョン教育を実施している施設のタイプや、イマージョン教育を子どもに受けさせるメリットと注意点を見ていきましょう。

「イマージョン教育」とは?日本における取り組み事例やメリット・注意点などを見てみよう

英会話教室
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イマージョン教育のイマージョンとは英語で「漬ける・浸透させる」という意味を持つ「immerse」です。


習得を目指す外国語について単に勉強するだけでなく「その言語で学ぶ」という手法です。例えば、英語を学ぶのであれば、英語の授業は英語で行います。教育機関によっては英語以外の授業やホームルームも英語で進めるケースも見受けられます。


イマージョン教育は「小さなころからの積み重ねが重要」と言われており、日本では小学校1年生が開始時期の目安とされているようです。


出典:英語イマージョン教育について/泉大津市ホームページ

日本におけるイマージョン教育の事例

日本において、イマージョン教育はどのように進められているのでしょうか。イマージョン教育を取り入れている公立小学校の事例を見ていきましょう。


泉大津市


大阪府の泉大津市では「英語教育のさらなる充実のためには児童生徒が英語を使用する場面を増やすことが有効」という考えのもと、市内の公立小学校1校を「モデル校」とし英語イマージョン教育を実施しています。


英語・外国語の授業の他、体育・図工美術・技術家庭・音楽の授業が低学年から英語で行われています。また、校内放送や学校行事といった場面でも英語が積極的に取り入れられており、学校生活の中で英語に親しむ機会が多いのだそう。


また、「英語イマージョン教育実施による効果」のアンケートでは、英語イマージョン教育を受けた時間が長くなるにつれ、肯定的な回答が増加しています。


例えば児童を対象とした「英語による体育(など)の授業でもわかる」という項目に「はい」と回答した児童は、2022年度の10月時点で73.0%だったのに対し、2023年度5月の時点では84.0%という結果でした。


今後は、モデル校だけでなく、市内すべての小中学校で英語イマージョン教育を実施できるようにALTの配置や指導方法の確立などを検討しているということです。


出典:小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引 泉大津市 英語イマージョン教育の取組み


豊橋市


愛知県豊橋市の豊橋市立八町小学校では「イマージョン教育コース」を設けています。この小学校におけるイマージョン教育コースのねらいは「英語のコミュニケーション能力を自分の長所として生かし、グローバル社会で活躍することができる子どもを育成する」こと。


豊橋市内在住の小学生であれば、別の小学校の児童も通うことができます。全学年が対象で、2024年度4月時点では1学年25名〜26名の児童がイマージョン教育コースで学んでいます。


豊橋市の公立小学校におけるイマージョン教育はさまざまな教育現場から注目されており、国内外から多くの関係者が授業の視察に訪れるということです。また、カリフォルニア州の小学生とオンラインで交流する機会もあるようです。


出典:八町小学校イマージョン教育コースについて/豊橋市ホームページ

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子どもがイマージョン教育を受けるメリットと注意点

これからの時代、英語などの外国語は必須スキルになりつつあります。


イマージョン教育は有効な学習方法のひとつですが、子どもがイマージョン教育で英語を学ぶことにはどのようなメリットと注意点があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。


メリット


【高い英語力が身につきやすい】


子どものころから英語が身近にある環境に身をおくことで、高い英語力が身につきやすくなるといわれています。読み書きだけでなく、日本語とは異なる周波数の英語を聞き取る力や、ネイティブに近い発音も習得できる可能性があるでしょう。


世界の共通語として用いられている英語をマスターすることで、将来の選択肢が広がるのではないでしょうか。


出典:幼児期ならまだ大丈夫!英語教育の専門家が考える「子どもが英会話を始める最適な時期」とは


【コミュニケーションスキルが高まりやすい】


外国語を学ぶことは、異文化を理解することにつながります。特にイマージョン教育の場合、英語は「常に身近な言語」となり、英語圏の習慣・文化に触れる機会が多いのではないでしょうか。


英語学習を通して異文化に触れることで、自然と相手の立場やバックボーンを考慮したコミュニケーションが取れるようになるかもしれません。



注意点


【高い学費がかかる場合がある】


ハイレベルな英語教育のためには、それなりの費用がかかることが多いでしょう。


また、イマージョン教育は幼少期から中高生になるまで学習を続けることが重要といわれています。途中でやめないだけの経済力ややりくりの工夫が必要かもしれません。


【子どもが負担を感じる場合がある】


イマージョン教育で英語を学び始めたばかりの子どもは「突然英語だらけのところに来てしまった」と思うかもしれません。聞きなれない言語が飛び交う環境で、大きなストレスを感じるケースもあるでしょう。


また、場合によっては近所や幼稚園の友だちとは別の小学校に通うことになり、さみしい思いをするかもしれません。子どもが感じる負担を緩和し、前向きに学びを続けるためにはパパ・ママのサポートが必要ではないでしょうか。

英語のイマージョン教育はどこで受けられる?

インターナショナルスクール
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日本におけるイマージョン教育は英語が中心です。記事の前半で紹介した公立小学校の他には、どのような施設で実施しているのでしょうか。代表的な例を見ていきましょう。


インターナショナルスクール


インターナショナルスクールに明確な定義はありませんが、一般的には「主に英語で授業が行われ外国人児童生徒を対象とする教育施設」とされています。


従来は「海外から移住してきた子どもや帰国子女のための学校」とされていましたが、現代では日本人の児童生徒が入学することも珍しくありません。


スクールの方針にもよりますが、授業や生活指導は基本的に英語で行われます。学校にいる間は常に英語に触れているため、高い英語力が身につく可能性があります。


ただし注意したいのは「英語を1から学ぶための学校ではない」ということです。入学した時点で授業を理解できるだけの英語力を必須としているスクールが多いのではないでしょうか。


出典:学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について/文部科学省ホームページ


プリスクール


プリスクールは、幼児を対象として英語教育を行う施設です。インターナショナルスクール付属の幼稚園・保育園として運営されている場合もあるようです。


日本語と英語を交えて英語教育を進めるスクールもあれば、イマージョン教育を実施しているスクールもあります。小学校就学前から英語教育を始めたい場合や、インターナショナルスクール入学に向けての準備がしたい場合などに適しているのではないでしょうか。


英会話スクール


比較的、手軽にイマージョン教育で英語を学ぶ方法として、英会話スクールもあります。


インターナショナルスクールやプリスクールに比べて、英語に触れる時間は限られるかもしれません。しかし、スクールを吟味すればしっかり学習できるのではないでしょうか。


一般的な子ども向け英会話スクールのほか、学童保育のような長時間の預かりでイマージョン教育を実施している施設もあるようです。

英語を身につける方法のひとつとしてイマージョン教育を検討してみよう

イマージョン教育によって高い英語力を身につけるためには、幼少期から学習を始めることが望ましいとされています。一部の公立小学校でもイマージョン教育が取り入れられ、学習の効果が表れていることからも、その重要性が読み取れるのではないでしょうか。


今回紹介したメリット・注意点や教育施設の例などを参考に、お子さんの可能性を伸ばす方法のひとつとして検討してみてくださいね。

2024.04.30

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