国際バカロレアの本質的な学びを通して、世界で活躍できるリーダーを育成する

国際バカロレアの本質的な学びを通して、世界で活躍できるリーダーを育成する

グローバル教育やインターナショナルスクールに興味のあるご家庭もあるのではないでしょうか。都内で国際バカロレア教育による一貫教育を提供しているアオバジャパン・インターナショナルスクールを訪問し、先生方のインタビューを中心に、実際の卒業生の進路や教育理念について詳しいお話を伺いました。

国際バカロレアに基づいた世界標準の教育を実践

東京都内に3つのキャンパスを持つアオバジャパン・インターナショナルスクールでは、国際バカロレア(IB)をフレームワークとする一貫教育を提供しています。1才半~18才を対象に幼稚園から高校までの一貫校として、国際性や自主性を育む質の高い教育を実践しています。

同校の教育に携わる2人の先生にインタビューし、教育に対する思いやインターナショナルスクールに通う子どもにできる家庭でのサポートについてお話を伺いました。

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教育コーディネーターのカレンさん
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アドミッション&マーケティングディレクターのベリンダさん

新しい時代をリードする革新者を育てる教育

――アオバジャパン・インターナショナルスクールの歴史について教えてください。

ベリンダさん
ベリンダさん

当校は1976年にスタートしましたが、その間さまざまな変化がありました。48年の歴史の中でも特にこの10年間は大きく変化しました。2016年に国際バカロレア教育を取り入れ、生徒数は2023年時点で総勢約750名ほどに増えました。高等部では、100%オンラインでの教育提供も始まっています。

アオバジャパン・インターナショナルスクールは、未来に対応できる教育を実践したいと考え、そのフレームワークとして国際バカロレアを採用しました。探究的な教育や活動を行うため、先生たちにもワークショップや研修に参加してもらい学校内外でトレーニングを行いました。子どもの主体性を引き出すにはどうしたらよいかを常に考え、それに対応した教育を行っています。

――3つのキャンパスそれぞれの特徴は。

ベリンダさん
ベリンダさん

光が丘キャンパスは、3歳から入園できる幼稚部、初等部、中等部まで総勢550人の生徒が在籍しています。元々公立の小学校だった校舎をリノベーションした広いキャンパスが特徴で、体育館や校庭も広々としています。

最も新しい文京キャンパスは2022年1月に開校し、高等部の教育に特化したICTレベルの高い設備が充実しています。

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文京キャンパスで学んだ高等部2023年度の卒業生
ベリンダさん
ベリンダさん

目黒キャンパスは1歳半から入園できる閑静な住宅街にあるアットホームなキンダーガーデンです。

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目黒キャンパスの最年少クラス、1歳半から入学できるK2クラスの子どもたち
ベリンダさん
ベリンダさん

どのキャンパスにも共通しているのは緑豊かな環境で、保護者の方々はアクセスや立地、雰囲気で選ぶことができます。光が丘キャンパスはオープンな雰囲気が特徴で、他学年同士での交流も促進しています。

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公立小学校をフルリノベーションした光が丘キャンパス内は、どこか懐かしく暖かい雰囲気
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部屋の仕切りがほとんどなく、明るく開放的な教室

概念を理解する本質的な学び

――アオバジャパン・インターナショナルスクールの教育の特徴を教えてください。

カレンさん
カレンさん

いちばん大きな特徴は探究をベースにした「探究の単元(UOI:unit of inquiry)」です。例えば算数の計算を学ぶ際には、ひとつの方法をみんなで一斉に勉強するわけでなく、生徒それぞれが自分で実験したり考えたりして、それをグループで共有したりクラスで発表し、概念を理解してから、具体的な計算方法を学びます。

もうひとつの特徴は、国際バカロレアでも重視されている「国際的な視野」を大切にしていることです。本や先生からの知識だけでなく、インターネット・テクノロジーを応用してどんどん世界を広げていきます。


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絶滅危惧種について学ぶ3年生の授業で使用した教材。探究を進めるために必要な単語を学ぶ
カレンさん
カレンさん

アオバの先生たちの役割は「知識を渡すこと」ではなく、「生徒の学びをサポートすること」です。生徒が何かわからないことがあって質問した場合、先生がひとつの答えを与えることはしません。「なぜだろうね」と一緒に考え、答えを求めるためのスキルを教えます。

大人でも情報の多いインターネット上で答えを見つけるのは大変です。今の時代、情報を分析することが大事なので、そのスキルを教えます。信憑性のある情報はどれなのか、複数の情報で違う視点を比較したりする判断力を養うのです。


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「世界で活躍できる人」を育てる教育

――国際バカロレア教育では、年齢によってプログラムがあると思いますが、どのように一貫教育を実践されていますか。

国際バカロレア(IB)の年齢別プログラム
カレンさん
カレンさん

PYPでは学習を通して、わからないことや課題に対して答えを探すスキルを身につけます。このスキルはMYP、DPでも活用することができます。

PYPでは世界や自然界など学びの範囲を広げて行くイメージですが、MYPはもっと教科ごとに集中し、探究を深めていきます。

DPでは、6つのグループから各教科ずつ選択し、6科目を2年間で学習します。6科目に加え、必修のコア科目として、Theory of Knowledge(TOK、知識の理論)、Extended Essay(EE,課題論文)、Creativity, Activity & Service(CAS、創造性・活動・奉仕)の3科目が配置されています。この3つのコア科目は探究型学習と全人的教育を強調するIB教育の大きな特徴といえます。

IBでは国際的視座を持つことが重要視されており、当校でも変化が激しい今の時代に対応できる広い視野を持つための力を育む教育を実践しています。


アオバ・ジャパンインターナショナルのライブラリースペース
幼稚部や初等部低学年用のライブラリースペースには、様々な本が揃えらており、学校にある本以外にも、全学年の生徒に世界の文献にアクセスできるオンラインライブラリーも提供
アオバ・ジャパンインターナショナルスクールの音楽授業
音楽の授業で楽しそうに歌う1年生
授業で手を挙げる女の子
活発に意見交換を行う3年生のクラス
衣装デザインを学ぶMYP(中等部)のクラス
自分たちで作り上げるミュージカルのために、衣装デザインを学ぶMYP(中等部)のクラス
ベリンダさん
ベリンダさん

実際に、アオバの高等部最終学年の生徒たちは、国際バカロレアのディプロマプログラム(DP)またはグローバルリーダーシップディプロマ(GLD)プログラムを修了し、優れた学業成績を修め、自身の進みたい道へと世界中の大学へ進学していきました。

2023年度は、アオバのDP生徒10名がフルディプロマを取得し、計7名がバイリンガル・ディプロマを獲得しました。

同年度アオバからDP取得した生徒のIBDP試験の最高得点は40点で、平均点は33点でした。この結果は世界平均の30点を大幅に上回っています。また、科目ごとの試験の平均評価点は5.23点となり、世界平均4.84点を大きく超える成績でした。GLDプログラムの生徒たちも、優れた学業成績を収め、多様な国内外の大学への合格を実現しました。

このように、生徒たちの努力によって結果として素晴らしい成績を達成していますが、アオバとして一番大切にしていることは、子どもたちが自身のやりたいことや情熱、興味関心を見つけ、それを花開かせることです。私たち教育者はそれをサポートするのが務めだと考えています。


家庭でできるサポートは「たくさん話すこと」

――アオバジャパン・インターナショナルスクールに通う子どもの家庭では、どのように教育をサポートしているのでしょうか。

カレンさん
カレンさん

子どもにとって最もよいのは、家庭でたくさん話をすることだと保護者の方たちにも伝えています。子どもと保護者のコミュニケーションを重視しているので、初等部1年生から宿題は出しますが量は少なめにしています。それよりもたくさん話をしてほしいと思います。

保護者に求めているのは、子どもと話すときに何か答えを出すのではなく、振り返りをさせて考えさせるためにたくさん質問をしてくださいということです。ポジティブな姿勢で子どもを勇気づけることも大切です。「これができなかったね」ではなく「これができたね、おめでとう」とできたことを挙げるのです。

このように、子どもが学校生活のことを保護者にシェアし、保護者はポジティブな姿勢で聞くというよい循環が生まれるよう、アオバでは保護者向けのワークショップも行っています。


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アートのクラスで検索した写真やイラストを参考に作画
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「自分の好きなもの」をテーマにイラストを描き、自分のアイデンティティを表現できるオーナメントをつくる
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カフェテリアで楽しく食べるランチタイム。アレルギーや宗教の違いなどにも配慮したメニューを提供

グローバルに活躍できるリーダーを育てる

――実際にアオバを卒業した生徒は、社会でどのような活躍をされていますか

ベリンダさん
ベリンダさん

アオバがIB教育をスタートしてまだ6年くらいなので、生徒たちはまさにこれから社会に出るのですが、現在大学に通いながら起業した生徒もいます。

当校では高校生のうちにホテルや消防署、法律事務所、一般企業などさまざまな分野でインターンシップを経験できるので、卒業生は幅広くどんな職業でも活躍できると思います。アート系の子もいますし、映画を製作して受賞した卒業生もいます。

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ベリンダさん
ベリンダさん

アオバの生徒たちは、自らの興味や情熱に基づいて明確な目標を設定し、その達成のために献身的な努力を展開しています。その結果、2023年度卒業生も優れた学業成績を修め、University of California, Berkeley(アメリカ/世界大学ランキング - THE World University Rankings 2023で第8位)をはじめ、University of British Columbia(カナダ)等の世界トップレベルの大学、さらにはオランダ、チェコ、ブラジル、中東など、世界の多様な大学への合格・進学を実現しています。

さらに、国際基督教大学(ICU)、慶應義塾大学、早稲田大学、立命館APU大学など、日本のトップ大学への進学・合格も獲得いたしました。これらの多種多様な進路選択は、世界で活躍できるリーダーを育成するアオバの卒業生ならではだと捉えています。

2024年からは、アジアで初めて完全オンラインIBDPプログラムの提供を開始します。今後もアオバは、幼稚部から高等部まで世界標準の教育を提供するIBワールドスクールとして、世界にポジティブな変革をもたらすことのできるグローバルリーダー育成に貢献するとともに、生徒一人ひとりの将来の可能性を広げる教育を提供していきます。

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学校のイベントで披露するミュージカルの練習
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「PYP Exhibition」では、初等部6年生が世界における社会や環境問題など、様々なテーマで学んだ探究学習の集大成として、他学年生徒や保護者に向けてプレゼンを行う

PYPのうちからプレゼンなどを経験し、人前で話すことや即興での対応に慣れることができるアオバジャパン・インターナショナルスクールでの経験は、将来、世界中のどこでも人としての強みになるのではないでしょうか。

国際バカロレア教育を軸に、これからの時代に必要な力を身につけるための教育を実践している同校の「5つのコアバリュー」に沿った質の高い教育を受けている生徒たちが、とても楽しそうにいきいきと学ぶ姿が印象的な取材でした。

■アオバジャパン・インターナショナルスクール

光が丘キャンパスの詳細はこちら
目黒キャンパスの詳細はこちら

「生徒中心の授業」で自主性と国際性を育むインターナショナルスクール

2024.02.13

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