こちらの記事も読まれています
「生徒中心の授業」で自主性と国際性を育むインターナショナルスクール
子どもの教育や学校選びについて、情報を探している保護者は多いと思います。今回の記事は、都内で国際バカロレア教育による一貫教育を提供しているアオバジャパン・インターナショナルスクールを訪問し、教育方針や内容について詳しくお話を伺いました。実際の授業の様子や子どもたちの学びについてレポートします。
国際バカロレア教育を実践するインターナショナルスクール
東京の練馬区光が丘、目黒区と文京区に3つのキャンパスを持つアオバジャパン・インターナショナルスクールは、1才半~18才を対象に幼稚園から初等部、中等部、高等部までの一貫校として国際バカロレア(IB)をフレームワークとする一貫教育を提供しています。
1クラス20名前後、1学年最大でも3クラスで構成されており、質の高いきめ細やかな教育が受けられる学校です。
同校の教育を支える2人の先生にお話を伺いました。
アオバの教育指針「5つのコアバリュー」
ベリンダさん
・Global Leaders(グローバルリーダーになれる人)
・Entrepreneurs and Innovators(起業家、イノベーションを起こす人)
・Effective Communicators(効果的なコミュニケーションができる人)
・Wise Risk Takers(賢明な考えを持って挑戦する人)
・Effective Problem Solvers(効果的な問題解決ができる人)
子どもの自主性を引き出す「探究の単元」
初等教育では、国際的視座において共通した課題について「探究の単元(UOI:unit of inquiry)」を通じて学びます。課題に沿った具体的な学習のテーマは、子どもたち自身で興味関心のあるトピックを選び、魅力的、有意義かつ挑戦的なものを検討して探究を進めていきます。
自ら考え、行動を起こす生徒たち
カレンさん
アオバでの教育の中で、自ら変化していく生徒がたくさんいます。ある生徒は、水の大切さについての探究を深め、自分の家のシャワーのドアに「シャンプーの間はシャワーを止めてください」というポスターをつくり、家族に水の節約を訴えたそうです。小さな行動かもしれませんが、まずは自分のできる範囲で行動を起こしたことが印象的でした。
また、ホームレス問題に興味を持った生徒は、実際に新宿のホームレスの方にインタビューをして、本当に必要な支援について学びました。実際の声を自分たち自ら聞くことで、本質的な課題はお金ではなく、歯ブラシなどの身の回りの小さな生活用品の支援が実際に求められているということに気づいたんです。
このインタビューは、先生がアレンジするのではなく、事前にリスクや対応を説明したうえで生徒が自分でアレンジしました。最初は緊張していたようですが、一連の活動を通して成長した姿が見られました。
アオバジャパン・インターナショナルスクールの在籍生徒数は、PYP(初等教育)とMYP(中等教育)がもっとも多く、グローバルマインドの観点から日本人も含め、国籍の違いによる入学制限は設けられていません。
生徒の家庭構成は、両親ともに日本人が35%、片親が外国人が35%です。両親ともに外国人の子も30%を占めており、出身国は約30ヵ国と多様なバックグランドを持っています。
将来、本当に役立つスキルが身につくカリキュラム
アオバジャパン・インターナショナルスクールのカリキュラムは、一般的な公立学校とは大きく異なります。
国際バカロレア教育
同校では、国際バカロレア教育(PYP、MYP、DP)が3才~18才まで継続的に提供されています。すべての生徒がIBカリキュラムに則って順調に学習を進められるよう、言語などのコミュニケーションやカリキュラムをサポートする学習支援プログラムや、日本語非ネイティブ向けのJAL(第二言語としての日本語)プログラムも設けられています。
唯一の正解を求めようとしない学習プロセス
アオバジャパン・インターナショナルスクールが大切にしている「Learning Inquiry Cycle」では、各課題に機械的に取り組むのではなく、どのような知識や情報が求められるのか、それらをどう掘り下げて相互に結び付けるのかを主体的に問い続けることで、唯一の正答とは限らない自分なりの答えを導くプロセスを重視しています。
この学習プロセスにより、生徒は行動力、リサーチ力、批判的思考、チームワーク、プレゼンテーション力などが向上し、社会に出てもそのまま通用するスキルやマインドセットを養うことができます。
試験のためではなく「自分のために学ぶ」
アオバジャパン・インターナショナルスクールの教育方針は、これからの時代に本当に必要な力を育むだけでなく、「何のために学ぶのか」という根本的な問いに対して明確な姿勢を示しています。
カレンさん
アオバでは、それぞれの生徒が普段の暮らしの延長線上で学びに取り組むことができるような授業を設計しています。例えば、実際にスーパーで買い物に行くと、算数を学ぶ必要性を感じるでしょう。さらに、将来もし起業をしたいと考えたら、算数の知識の必要性をより強く感じると思います。
このように、アオバの子供たちは、実際の必要性を念頭において学ぶので、どんな教科に対しても、その知識やスキルを使う理由を必ず明確にした上で学びます。
試験のために勉強するのではなく、自分のために学んでいると意識することで、子どもたちの努力を引き出すことができるのです。
次回の記事では、アオバジャパン・インターナショナルスクールの教育内容について先生方にインタビューした内容をお伝えします。
■アオバジャパン・インターナショナルスクール
当校では、変化が大きい社会の中で国際的視座を持つ力に焦点を当て、社会に変革を起こせる人材を育てる教育を行っています。その指針となっているのが「5つのコアバリュー」で、アオバで学ぶ子どもたちが目指す人物像です。