英才教育で子どもの英語力を伸ばしたい。いつから、どうやって始める?

英才教育で子どもの英語力を伸ばしたい。いつから、どうやって始める?

2024.05.18

子どもの可能性を伸ばす英才教育。スポーツや芸術など子どもの得意を伸ばすなかでも、やはり英語は必要という結論にいきつく家庭は多いのではないでしょうか。今回は英才教育で英語を身につけるのに最適な年齢や、英語での英才教育の取り組み方、注意点などを見ていきましょう。

英才教育とは

英才教育とは、特に才能や能力が高いとされる子どもたちに対して、その潜在能力を引き出すことを目的とした教育を指します。


標準的な教育カリキュラムでは十分に対応できない高度な知識やスキルを提供することで、子どもたちの成長を促進する教育方法です。


早期教育と英才教育は混同されがちですが、両者には明確な違いがあると言われます。


早期教育とは、幼少期からの教育を通じて子どもたちの発達を促進し、基礎的な知識やスキルを身につけさせることを目的とした教育です。これは、すべての子どもたちに対して行われる教育であり、主に学習意欲の喚起や基本的な学力の向上を目指します


一方、英才教育は特定の才能や能力を持つ子どもたちを対象として、その才能をさらに伸ばすための専門的な教育を提供するといった違いがあるようです。


英才教育の重要性が特に認識されている国としては、韓国と米国が挙げられるでしょう。

韓国では、2002年から「英才教育振興法」と銘打ち、特別な才能を持つ子どもの早期発見とその能力を伸ばす教育の提供が法制化されました。


また米国では「ギフテッド教育」として知られる英才教育が長い歴史を持っています。米国では、才能ある学生を早期に発見し、その才能を伸ばすための特別な教育プログラムが充実しています。


このように、英才教育は特定の才能や能力を持つ子どもたちの可能性を引き出し、発展させるための教育です。日本では特に英語に関する英才教育に注目している保護者の方が増えているようです。


出典:~社会の持続的な発展を牽引する力の 育成に関する調査研究~ 調査/文部科学省
出典:5.児童生徒の発達の支援/文部科学省

何歳から始める?英語の英才教育

絵本を読み聞かせする親子
※写真はイメージ(gettyimages/maruco)

英語の英才教育を考える際、最適な開始時期について悩む保護者は少なくないようです。英才教育として英語学習を始めるのに適した年齢・時期について解説します。

幼少期に始める意味と利点

子どもの言語習得には臨界期があると言われ、人間は10歳から12歳頃に言語の音を聞き取る能力がピークを迎えます。この期間を過ぎると、新しい言語の音を完全に聞き分けることが難しくなるようです。


英語は周波数が2000~15000ヘルツと幅広く、日本語の1500ヘルツ以下に慣れている耳には聞き取りづらいとされています。したがって、幼少期から英語の音に親しんでおくことが重要です。


幼少期に英語を学ぶことの利点は言語習得がしやすいことにあります。0歳から始める英語教育は、子どもの耳が柔軟で、どの言語の音も聞き取れる状態にあることから、非常に高い効果が期待できると言われています。


また、言語学習にはリズム感も重要です。日本語は「スタンピングリズム」、英語は「バウンシングリズム」と異なるリズムを持っています。幼少期から英語のリズムに触れることで、将来的にネイティブの発音に近づけることが期待されます。


早期の環境づくりがカギ

0歳から始める英語教育の方法はさまざまですが、重要なのは、家庭内で英語の音にできるだけ多く触れる環境を作ることです。これにより、子どもの耳が日本語の音だけでなく、英語の音にも慣れ、聞き取りや発音が自然に身についていきます 。


言語習得の臨界期を迎える前に、英語の音に慣れ親しんでおくことで、将来的に英語を自然に使いこなせるようになる可能性が高まります。

英語の英才教育は早い段階から始めるほど、子どもの将来にとって大きな財産となるでしょう 。


出典:英語を学ぶのは早ければ早いほどいい。遅くなるほど不利になるその理由は?
出典:日本語が先か、英語が先か。0歳から子どもに英会話を習わせる効果的な順番
出典:幼児期ならまだ大丈夫!英語教育の専門家が考える「子どもが英会話を始める最適な時期」とは

家庭で行う英語英才教育

英語英才教育を家庭で始めることで、自然な形で言語を習得する基盤を作ることができるかもしれません。家庭で行う英語英才教育の具体的な方法と、その効果について紹介します。


英語教材

年齢に応じた英語教材を選び、子どもの興味をひく内容を選ぶことで、英語学習が自然と生活の一部になります。


まずはキャラクターや動物が登場する教材など子どもが楽しめる教材を選んでみましょう。子どもにとって親しみやす間口を提供することで、学習へのモチベーションを高めます。


また英語教材は、保護者も使いやすいものを選ぶことが重要です。

特に音声ペンを活用するもの、CDやDVDが付属しているもの、動画配信と連動した教材などを選ぶと、保護者が特別英語が得意でない場合でも、耳で聴く学習が楽しく進められるでしょう。


絵本

英語の絵本は、子どもの耳を英語に慣れさせるために非常に有効です。親子でコミュニケーションを取りながら楽しむことができ、英語学習への効果的な入り口となるでしょう。


英語の絵本の読み聞かせは、言葉の意味やストーリーの理解よりも、子どもが英語に耳を慣れさせることを目的にして行うとよいでしょう。絵本を通じて英語の音を耳にする時間を作ることが重要です。


保護者が英語の絵本を読み聞かせる際には、発音の正確さよりも音に慣れることを重点的に心がけましょう。繰り返し読み聞かせをすることで、子どもは自然と英語のリズムや発音に慣れていけるようです。


オンライン英会話

近年は、オンライン英会話を利用する家庭も増えています。インターネットでの会議用ツールなどを利用した英語学習は、時間や場所を選ばず手軽に始められることで急速に普及しているようです。


オンライン英会話は、自宅にいながらネイティブ講師と会話ができるため、非常に手軽です。忙しい保護者の方でも、子どもと一緒に学べる時間を作ることができそうです。


ネイティブ講師と実際に会話をすることで、子どもは正しい発音や自然な表現を学ぶことができます。また、英語を使って実際にコミュニケーションを取ることで、英語での会話に対する自信がつくという利点もあるようです。


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スクールを利用した英語英才教育

教室での先生と生徒
※写真はイメージ(gettyimages/twinsterphoto)

英語を早期に習得するには、家庭での学習に加え、専門のスクールを利用することも効果的です。ここでは、通いながら英語の英才教育が実現できるスクールの種類とそれぞれのメリットを紹介します。

英語教室

英語教室は、子どもが英語を効果的に学ぶための基盤をつくるのに最適といえるでしょう。教室では、年齢やレベルに応じたカリキュラムが用意されているところが多く、子どもたちは基礎から段階的に英語を習得することができます。


フォニックスや受験英語・英検用の学習など、内容は教室によって異なりますが、アルファベットの学習から始まり、簡単な会話やリスニングスキルの向上を目指すようなカリキュラムが一般的のようです。


ネイティブスピーカーが指導にあたる教室では、子どもたちは自然な英語の発音やリズムを学ぶことができます。これにより、早い段階で英語に対する抵抗感がなくなります。


また、クラスメートと一緒に学ぶことで、子どもたちは他者とのコミュニケーションスキルや協調性を自然と身につけることができます。


インターナショナルスクール(プリスクール)

インターナショナルスクールやプリスクールは、英語を日常的に使用する環境を提供し、子どもがバイリンガルとして成長するための基盤を作ります。


インターナショナルスクールは多国籍の子どもたちが集まる環境のため、授業は全て英語で行われ、英語が日常的なコミュニケーション手段となることが多いようです。このような環境に身をおくことで、子どもたちは自然と英語で考え、表現する力を身につけます。


また、さまざまな文化に触れる機会が多く、グローバルな視野を広げることができます。異文化理解が深まり、将来的に国際社会で活躍するための土台が築かれます。


バイリンガル幼稚園・保育園

バイリンガル幼稚園・保育園では、日本語と英語の両方を使って教育が行われることが多いようです。これにより、子どもたちは両言語を自然に使いこなす能力を身につけることができます。


日常生活の中で英語を使う機会が多いため、実践的な言語スキルが習得できるでしょう。たとえば、遊びや食事、日々の活動のなかで英語を使うことで、英語が日常に当たり前にあるものとして習慣化されます。


英語に慣れない段階では日本語でのサポートがあることも心強く、最初のうちは抵抗感なく英語の世界に入っていけるかもしれません。


海外で行う英語英才教育

英語学習を英才教育として行うのであれば、海外でと考える家庭もあるようです。海外での英語英才教育は、言語習得だけでなく、異文化理解や国際的な視野を広げるためにも非常に効果的と考えられます。

留学

留学は、海外で生活しながら現地の学校に通うことで、言語や文化を深く学ぶことができる教育方法です。


現地の学校に通うことで、日常的に英語を使う環境に身を置くことができます。これにより、教科書や教室内の学習だけでなく、友人や教師との交流を通じて、生きた英語を学ぶことができます。


留学先から期間、ホストファミリー宅への滞在、ボーディングスクールへの入学などさまざまな選択肢があります。


特に小学生など早期のうちに留学を経験すると、早い段階で英語に慣れ親しむことができ、将来の進学やキャリアにも有利となることが期待できるでしょう。


留学は、子どもが英語を実践的に学び、異文化に触れる絶好の機会です。現地での生活を通じて、国際感覚を身につけることができます。


短期留学プログラム

サマースクールなどの短期留学プログラムは、夏休みや休暇を利用して海外で英語を学ぶことができます。短期間で英語力を集中的に向上させたい場合に効果的です。


非日常の環境で、短期間で集中して英語を学ぶことができます。英語の授業だけでなく、現地のアクティビティや文化体験を通じて実践的な英語力を養えることもあり、子どもにとっても、新しい環境での経験は貴重なものとなるでしょう。


期間や内容が柔軟に選べるため、日本の学校や幼稚園・保育園に通いながら、長期休暇を利用して参加することができます。費用も比較的抑えられるため、初めての海外経験としても最適です。


海外移住

家族全員で海外に住むことで、子どもが現地の学校に通い、日常生活の中で英語を習得するのが海外移住です。長期的な視野で見た場合、子どもの英語力や国際感覚を大きく向上させることができます。


現地の学校に通うだけでなく、日常生活の中で英語を使う環境に身を置くことができ、家族全体で新しい文化や環境に適応するための経験となります。家族の絆が深まり、子どもだけでなく親も新しい視点を得ることができるでしょう。


英語の英才教育を行う際の注意点

Lets study ENGLISHと書かれた黒板
※写真はイメージ(gettyimages/takasuu)

英語の英才教育を行う方法や手段はさまざまですが、どのように英語英才教育を取り入れる場合でも、共通して気をつけたい注意点について解説します。


楽しむことを重視

英語学習を無理に強制すると、子どもは英語に対して嫌悪感を抱き、学習効果が低下する可能性があります。親の期待が子どものモチベーションを上回ることにならないよう、子どもの興味やペースに合わせた学習環境を整えることが重要です。


ゲームや歌、絵本などを通じて自然に英語に触れる機会を作りましょう。子どもが好きなキャラクターやテーマを取り入れた教材を使用することで、学習への意欲が高まります。


もともと備わっている才能を活かすための英才教育ということを忘れずに、子どもの可能性の芽をつぶさないよう留意しましょう。


生活のなかで英語を使う

英語を見聞きするだけでは、言語の習得には限界があります。子どもが英語を使ってコミュニケーションをとる機会を増やすことが大切です。


家庭内で簡単な英会話を取り入れるなど、英語を話す機会を作ることが重要です。日常の会話の一部を英語で行う習慣をつけたり、英語での遊びや雑談を行ったりすることで、実際に英語でコミュニケーションを積極的にとる機会を増やしていきます。


また、配信サイトやDVDなどで海外のアニメや映画を見る際に、英語音声・英語字幕などで見ることも、英語の英才教育への手助けとなるかもしれません。


子どものペースや自主性を尊重

子どもの学習ペースや興味を尊重することが、英語学習を続けるポイントになるでしょう。無理なスケジュールや過度なプレッシャーは逆効果になる可能性があります。


保護者は、子どもが自然に学べているか、学習にストレスを感じていないかを観察する必要があります。興味を持たない場合や疲れている場合は、無理をせず休憩を設けたりほかの活動に切り替えたりできるとよいでしょう。


また、子どもが学習に対して主体的になるよう、学習内容を自分で選べる工夫も効果があるようです。

リスニングが得意なのかリーディングが得意なのか、アルファベットに興味があるのかなど、子どもの方向性を押さえたうえで、学習に対する主体性を促せるとよいかもしれません。


子どもの可能性を伸ばす英語での英才教育を

英語の習得は早期に始めるほど効果的で、特に幼少期から英語の音に触れる環境を整えることが重要です。しかし、子どもの英語力を伸ばすための英才教育の取り入れ方、最適な開始時期や方法は家庭や子どもの個性・状況によってさまざまです。


リズム感を意識した学習や家庭での英語教材の活用、オンライン英会話の導入など、多様な方法で英語学習を楽しく継続させることが大切になるようです。無理なく子どものペースに合わせた学びを提供することが、英語力向上の鍵となるでしょう。


子どもの才能を伸ばす英語英才教育は、あくまで子どものためのものとして効果的に実施できるとよいでしょう。

2024.05.18

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