英語を学ぶのは早ければ早いほどいい。遅くなるほど不利になるその理由は?

英語を学ぶのは早ければ早いほどいい。遅くなるほど不利になるその理由は?

2017.04.16

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平川裕貴

平川裕貴

幼児教育研究家

英語プリスクール「リリパット・リトルキンダー」経営者、「日本・欧米いいとこどり育児」を提唱する幼児教育研究家。経営者としての視点と教育者としての視点から、子ども達が生きる未来の社会を見据えて教育に取り組んでいます。 保育士、英語教師資格保有。

『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱している平川裕貴です。筆者は、1988年から外国人講師が教える子ども英会話スクールを、現在は英語プリスクールを運営しております。長年の子ども英語教育の経験から、英語教育に関するお話をさせていただきます。

先日、中国から日本の高校に留学した学生が、学校の授業で一番驚いたのは英語のレベルの低さだったと言っていました。中国では小学校で習うような英語を日本の高校で習っていたというのです。

日本ではようやく、2020年に、すべての小学校で5年生から英語が正式教科になります。さらに中学や高校では、「英語の授業は英語で行う」ことになっています。
小学3年生から外国語活動がスタートしますが、果たしてこれで、英語で行われる授業を聞き取り理解できるようになるでしょうか?

もし、小学3年生までに、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア人などの英語のネイティブスピーカーの英語を聞いたことがなければ、外国人の英語を聞き取り理解するのは、非常に難しいと言えます。今回はその理由をお話します。

言葉の周波数の違い

これまでの科学的研究により、言葉を聞き取る能力は、10歳~12歳頃に臨界期を迎えると言われています。

臨界期とは、母国語(私達にとっては日本語)以外の音を聞き取れるギリギリの限界です。その臨界期を過ぎれば、日本語以外の言葉を聞き取るのは非常に難しくなります。


その理由は、言葉の周波数の違いにあります。


周波数とは音の振動数のことですが、皆さんも色々な国の言葉を聞いた時に、「なんだかゆったりした言葉だな」とか「なんとなくうるさいな」などと感じたことはありませんか?

これは、音の周波数の違いなのですが、日本語は、1500ヘルツ以下と言われています。韓国語も日本語に近い周波数なので、韓国の人が話しているのを聞くと、一瞬日本語を話しているのかと思ってしまいます。

また、フランス語はちょっと優雅に聞こえませんか?フランス語は1000~2000ヘルツなので、日本語同様おだやかに聞こえます。

一方、英語はというと、2000~15000ヘルツなのです。幅が広いということは、低い音から高い音までバラエティに富んでいるということ。日本人にとって、聞き取りやすい英語もあれば、まったく聞き取れない英語もあるという理由がわかりますね。

すなわち、言葉の臨界期を迎える12歳頃までに、日本語にない1500ヘルツ以上の音を聞くチャンスがなければ、大きくなってその音を聞き取るのはほぼ不可能だということになってしまうのです。

言葉のリズムの違い

そして、もう一つ、日本語と英語の非常に大きな違いがあります。
それは、言葉のリズムです。

例えば、

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センテンスにするともっとわかりやすくなります。

I like pink というセンテンス。これを日本語式にカタカナにすると
アイ ライク ピンク  となります。
でも、これを棒読みしても外国人には通じません。

では、どう発音するかというと、

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違いがおわかりいただけましたか?

日本語は音を一音一音しっかり発音します。ちょうと足踏みするような感じです。一方英語は、音に強弱をつけますから、ちょうどボールが弾むようなリズムになります。

昔、童謡歌手「小鳩くるみ」として活躍された児童文学研究者「鷲津名都江」さんが、日本語は足踏みするような「スタンピングリズム」、英語はボールが弾むという意味で「バウンシングリズム」と表現されました。

子どもの頃から日本の童謡しか聞かずに育った子ども達は、スタンピングリズムで英語を発音してしまいます。日本人の英語が棒読みな感じになるのはそのせいです。

このリズムの違いから、日本人の英語がなかなか外国人に通じないのです。

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筆者は、幼児期に英語を聞いたことのない子に英語の聞き取りをさせるのは、「相撲しかやってこなかった子に、ヒップホップを踊れといっているようなもの」だと思っています。

英語に触れるのがなぜ早いほどいいのか、遅くなればなるほど不利になる理由がお分かりいただけたでしょうか?

幼児期にできることは、ネイティブスピーカーの英語をできるだけきいて、周波数の違う音を聞き取る能力を身に付けておくこと。そして、英語のバウンスシングリズムに慣れておくことです。具体的な方法については、また別の機会に詳しくお話します。


執筆:平川裕貴

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元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを開校。現在、英語プリスクールで、3歳から6歳までの子ども達を、幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルに育てている。また、スクール経営の傍ら、長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱する幼児教育研究家として活動。フジテレビ『ホンマでっか!?TV』 に子ども教育評論家として出演。また、英語やしつけに関する記事を多数執筆。著書に『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾン)

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英語プリスクール「リリパット・リトルキンダー」経営者、「日本・欧米いいとこどり育児」を提唱する幼児教育研究家。経営者としての視点と教育者としての視点から、子ども達が生きる未来の社会を見据えて教育に取り組んでいます。 保育士、英語教師資格保有。

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