胎教という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどのようなことをしたらよいのだろうと思っている人は多いでしょう。胎教とはどのようなことで、いつからはじめるのがよいのか解説します。また胎教にいいことと、胎教を行うときに気をつけることも併せてご紹介します。
胎教とは、お腹のなか赤のちゃんとコミュニケーションをとって、胎児によい影響を与えることです。妊婦さんがママになる自覚を持つことにもつながるといわれています。
お腹のなかの赤ちゃんによい影響を与えるためには、ママ自身がなるべくストレスがない環境のなか、穏やかな気持ちで妊婦生活を楽しむことが重要です。
胎教はいつからはじめるのがよいのか気になる人がいるでしょう。胎教をいつからはじめた方がよいのかはっきりした時期は決まっていません。
妊娠18週(妊娠5カ月)頃になると、ママやパパの声がお腹のなかの赤ちゃんに聞こえるようになるといわれています。また妊娠5~6カ月頃になると胎動を感じやすくなるため、お腹に触れたりお腹のなかの赤ちゃんに話しかけるなどの胎教を始める人が多いかもしれません。
しかし、胎教にはこうしなければいけないというルールはないので、興味を持って自分がやりたいと思ったときに始めるのがおすすめです。
胎教とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。
お腹のなかの赤ちゃんに「おはよう」や「おやすみなさい」などの挨拶をしたり、日常のできごとのうれしかった気持ちや楽しかったことなどを声に出して話しかけましょう。声に出さずに、心の中で伝えてもよいです。
なかにはお腹の赤ちゃんに胎児ネームをつけて、赤ちゃんに親しみを込めて話しかけたり、名前を呼んだりする人もいるようです。
赤ちゃんが成長するにつれて、ママの声を聞き分けることができるようになる場合もあるので、積極的に話しかけるとよいです。
胎動を感じ始めたら、赤ちゃんがお腹を蹴ったときに優しくたたき返したり、なでると赤ちゃんとのコミュニケーションがとれます。
ママだけでなく、パパやお兄さん、お姉さんもたくさんお腹をなでてあげて下さい。
お腹をなでて、お腹が張るときにはなでる以外の胎教を試してみるとよいでしょう。
音楽を聴くことも胎教になります。胎教にはクラシック音楽がよいといわれていますが、ママがリラックスできて好きな音楽であれば、クラシック音楽でなくてもよいです。
妊娠中は、身体をゆっくり休めた方がよいため、なるべく大音量は控えてママがストレス発散できる程度の音量にしましょう。
オルゴール調の音楽や海、風の音、鳥のさえずりなどの音は自然とリラックスできるので、胎教におすすめです。
胎教には絵本を読むこともよいといわれています。
ママやパパが好きな本を選び、感情を込めて読んだり、リズムの面白さを伝えるように読むとよいでしょう。
初めからストーリーのある本ではなく、擬音語で書かれている絵本だと、出産後に実際に赤ちゃんの読み聞かせができるのでおすすめです。
ストレッチやマタニティヨガなど妊婦さんでもできる運動も胎教になります。
ストレッチやヨガが難しい場合は、散歩でもよいです。ママがリフレッシュできて、気持ちよいと感じることが大切です。歩く早さやリズムは関係ないので、ママがストレス発散できて楽しめることが重要です。
胎教を行うときに気をつけることをご紹介します。
胎教を行うときはママがリラックスをしてストレスを感じていないことが大事です。
ママのストレスはお腹のなかの赤ちゃんにも伝わるといわれているため、イライラしてママの心拍数が上がると赤ちゃんの心拍数も上がる場合があります。
胎教で運動を取り入れるときは無理をしないことが大切です。運動中にお腹の張りや疲れを感じたら途中でもやめましょう。
体調が優れないときは、運動は控えて安静にすることが妊婦さんには必要です。
胎教とは、教育的なことだと思っている人も少なくないかもしれませんが、胎教はお腹のなかの赤ちゃんとのコミュニケーションをとることなのです。ママがリラックスをして妊婦生活を送ることで胎児にもよい影響を与えます。
胎教はいつから始めた方がよいのかについては決まりはなく、ママが始めたいと思ったときにいつでも始めることができます。妊娠がわかったときから始めてもよいです。
胎教にいいことには、お腹をなでることや赤ちゃんに話しかけることから、音楽を聴いたり、絵本を読むことなどさまざまありますが、音楽や絵本を取り入れるときは、ママがリラックスできたり、お気に入りの内容のものを選ぶことが望ましいです。
胎教を行うときには、ママがストレスにならずに楽しんで行うことがポイントです。楽しんでできる胎教で赤ちゃんとの愛情を深めましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年02月16日
ウイルスによって引き起こされる風疹は、免疫が十分にない人に対して強い感染力を持っています。妊娠時期に風疹にかかった場合、どのような影響があるか気になる人もいるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に風疹にかかった場合の影響、風疹の予防接種後に妊娠がわかったときの対応、妊娠中の風疹の感染対策などについて解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
女性の体にさまざまな変化が起こる妊娠初期。この時期、どのような食べ物に注意したらよいのか気になる人もいるかもしれません。今回の記事では、妊娠初期の食べ物や、食べ物から摂りたい栄養素、妊娠初期のつわり対策などについて紹介します。
妊娠中はホルモンバランスの乱れやつわりなど体にさまざまな変化が現れますが、なかでも気になるのが体重の増加。急激に体重が増えた場合、ダイエットをするべきか迷うこともあるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に体重が増える原因や影響、体重管理のコントロールについて解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
子どもを出産したいと思ったときに後悔しないように、今から知っておきたい妊娠・妊活の正しい知識。前編では、妊娠・妊活にまつわる誤解についてお伝えしました。後編では、結婚適齢期がなくなっても、妊娠適齢期は変わらずにある現状をテーマに、新しい不妊治療の技術などについてお伝えします。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
「いつかは出産したい」「いつかは2人目がほしい」と考えている女性は多いのではないでしょうか。今回は、そんな「いつか」のために知っておきたい、妊娠・妊活の正しい知識をお伝えします。前編のテーマは、妊娠・妊活にまつわる誤解について。どのような誤解があるのか、なぜ誤解が生まれるのかを、産婦人科専門医の浅田先生にお話いただきました。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
卵子の質や数は妊娠に大きく関わる大きな問題。妊活において、自分の卵子はどのような状態なのか気になることもあるでしょう。今回は、卵子の老化やサイン、年齢との関係、妊娠率への影響などについて紹介します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊活をスタートさせたとき、まずは妊娠の確率を上げるために排卵日を予測しパートナーとの営みに取り組むタイミング法を試す人は多いかもしれません。基礎体温を測る以外に排卵日を知る方法はあるのでしょうか。排卵日の予測の仕方や過ごし方について詳しく解説します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊活のために病院で検査を受けるタイミングはいつがよいのでしょうか。いざ病院に行こうと思っても、妊活の病院選びについて悩むことがあるかもしれません。この記事では、いつから病院に行ったらよいのかや、妊活の病院選びのポイント、女性と男性それぞれ病院でどのような検査を行なうのかなどをご紹介します。
浅田義正(浅田レディースクリニック院長)
妊娠がわかったとき、母子手帳はいつもらえるのかやどこでもらうのかを知りたいという方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、母子手帳の交付時期や交付場所、交付に必要な持ち物と母子手帳の活用法について紹介します。
妊活中にカフェインを摂取しても大丈夫なのか気になる方もいるのではないでしょうか。コーヒーや紅茶などの飲み物を飲んでリフレッシュしたいということもあるでしょう。カフェインの作用や妊活中にカフェインを摂取するときの注意点、妊活中の男性のカフェイン摂取について解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
将来出産することを考えて、妊活を考える方もいるでしょう。妊活の準備をすることをプレ妊活と言いますが、具体的に何をすればよいのでしょうか。プレ妊活で行うことや妊娠前に受ける検査、準備で男性が心がけることや2人目について解説します。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
お腹の赤ちゃんの性別によって、つわりの重さやお腹の出方など体調に違いはあるのか気になるママもいるかもしれません。今回は、妊娠中に女の子だといつわかるのか、女の子のママたちが妊娠中に感じていたこと、体調の変化や特徴などの体験談をご紹介します。