「家族サービス」は死語?夫婦が家庭を円満に運営するには【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】
みなさんは「家族サービス」にどんな印象をお持ちでしょうか? 時代遅れなイメージも強い言葉ですが、一方で数か月前、X(旧Twitter)でトレンド入りしていたときには好意的な意味合いで取り上げられていたことも。そこで、KIDSNAでは「家族サービス」にまつわるアンケートを実施。さらには、漫画家おぐらなおみさんと子育て中のKIDSNAアンバサダー2名をお呼びして「家族サービス」にまつわる座談会を開催しました。アンケートと座談会から見えてきた、現代の家族が抱える課題と希望とは?
普段から取り組んでくれたら「サービス」は要らない
――まず、単刀直入に「家族サービス」の印象から伺いたいです。おぐらさん、いかがでしょう。
おぐら うーん、古い言葉という印象がありますね。団塊世代で仕事第一のお父さんが、普段家事や育児にかかわれない分の帳尻合わせに「今日はサービスしちゃおうかな」みたいな。最近は聞かない言葉ですよね。
寄田 私も「そういえば、そんな言葉もあったなぁ」と思いました。私は使ったことがないし、夫も言わないです。
山本 聞いたことはあるけど、使ったことはないですね。
――全員にとって死語ということですね。
おぐら 家族にまつわることに対して「サービス」と言ってしまうこと自体に違和感がありますね。日常から取り組んでくれよっていう。
山本 家族の生活の一部のことをあえて「サービス」と言ってる感じが引っかかりますよね。
寄田 日ごろから仲良く過ごして、たまにみんなで旅行や釣りに出かけたりする方がうれしいです。
家事育児の分担、夫婦間のバランスは?
――埋め合わせとして「家族サービス」という考え方があるのでは、と先ほどおぐらさんがおっしゃっていたことに関連して、みなさんのご家庭の普段の様子について伺いたいです。日々の家事育児の夫婦間の分担に公平感や納得感はありますか?
山本 正直なところ公平感はないですね。私は育休中で、主人は普通に働いているので、家事育児の比率はどうしても偏ります。息子が寝てから主人が帰ってくることも多いから、平日の分担は10:0。
休日は子どもの面倒をみたり遊んでくれたりもするけど、ご飯の準備とかは基本的に私がしてるから、6:4くらい。私が仕事に復帰したら色々変わってくるとは思うんですけど、現状はそんな感じです。でも、私が「やりたがり」な面もあるのかも……。
――女性の側が家事育児に対して責任を感じるケースってきっと多いですよね。寄田さんはいかがですか。
寄田 うちは5:5くらいです。ご飯は私がメインで作るけど、仕事に行く前、乾燥機にかけた洗濯物を出して畳んでくれたり、仕事から帰ってきて夜に子どもをお風呂に入れたりするのも主人です。
――それは追って秘訣を伺いたいですね。おぐらさんはどうですか。
おぐら うちはもう子どもの手が離れているので振り返ってお話しすると、家事も育児も10:0でしたね。私がずっと自宅で仕事をしていたからなのですが、本当に許せなかったです(笑)。
だけど、今冷静になってみれば夫は夫で大変だったのかなって。家族を養わないといけないプレッシャーや「絶対に会社を辞められない」って辛さがあったんじゃないかって思うと、それはそれでキツかっただろうなと……それでもやっぱり許せないものは許せないけど(笑)。
――(笑)。許せないと言いつつも、夫さんのご苦労にも思いを馳せるおぐらさんは素敵です。
おぐら どうですかね(笑)。
――今日は弊社の既婚男性(編集部員)にも同席してもらっているのですが、家事育児の分担についてはどうでしょう。
M(編集部員) 分担はしてるけど、やっぱり不公平ではあると思います。なんとかしたいと思いながらも、時間的になかなか難しい部分はあって……。埋め合わせのつもりで家にいるときにいろいろとやってみるのですが、「調子に乗るんじゃない」ってすぐに釘を指されますね。
――頑張ってはいるものの、という感じなんですね。
M(編集部員) ただ、妻が職場復帰していろんな方とお話しするようになってから、「あれ? うちのは割とやってくれてる方かも」と思ってくれたみたいで。少しは認めてもらえたようだとうれしいのですが……。
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おぐらなおみ
<取材・構成>KIDSNA STYLE編集部
<漫画>おぐらなおみ