そのサプライズは無意味かも?「この人と結婚してよかった」と思われる夫の行動とは【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

そのサプライズは無意味かも?「この人と結婚してよかった」と思われる夫の行動とは【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

2023.09.27

みなさんは「家族サービス」にどんな印象をお持ちでしょうか? 時代遅れなイメージも強い言葉ですが、一方で数か月前、X(旧Twitter)でトレンド入りしていたときには好意的な意味合いで取り上げられていたことも。そこで、KIDSNAでは「家族サービス」にまつわるアンケートを実施。さらには、漫画家おぐらなおみさんと子育て中のKIDSNAアンバサダー2名をお呼びして「家族サービス」にまつわる座談会を開催しました。全3回中2回目の今回は、パートナーにされてうれしかったことから考える夫婦のコミュニケーションについて。

サプライズプレゼントよりも大事なことは?

▼▽▼前回の記事はこちら▼▽▼

「家族サービス」は死語?夫婦が家庭を円満に運営するには【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

「家族サービス」は死語?夫婦が家庭を円満に運営するには【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

 
 
 

――前回、全員が「家族サービス」という言葉に抵抗をお持ちだとわかりました。なので、その言葉は一度置いておくとして、これまでパートナーにされてうれしかったことを伺いたいです。

おぐら 買い物ですね。私は好きじゃないので助かります。

自主的に行ってくれるわけじゃないけど、「〇〇ってお店のどの棚に△△っていうのがあるから」と細かくお願いをすれば、買ってきてくれます。まあ、そうやって動いてもらうようになるにも、時間はかかりましたが……。

 
※写真はイメージ(iStock.com/recep-bg)

――ちなみに、どのくらいかかりました?

おぐら 結婚してから10年くらいはかかりました。

――決して短くはない時間ですよね。

おぐら 自分の親はふたりでうまくやってるように見えたので、結婚して一緒に住んでしまえば、すべてスムーズにいくと思っていたけど、実際は……。

私たちは知り合ってすぐに結婚したので、お互いのことを深くは知らなかったし、「話し合う」って選択肢も浮かばなかったんです。だから時間がかかりました。

 

――両親が話し合っている様子を見たことがないと、そういう解決法も浮かばないものですよね。山本さんはどうでしょう。

山本 私は今育休中なんですが、そのうち共働きになる予定です。なので、食洗器やロボット掃除機を買うことになんの反対もなく「買おう買おう」と夫が言ってくれて、それはありがたかったですね。

――妻が「食洗器が欲しい」と言うと反対する夫がいる、という話を聞きますよね。一説によると、食洗器購入がモラハラの判断基準になるとか……。 寄田さんはいかがですか。

寄田 私がポロッと口に出したことをすぐにやってくれることがうれしいですね。細かい話だけど、洗面所にある備え付けの棚の間隔が空きすぎていて、「もう少し刻んであるといいなぁ」って言ったら、「じゃあやろうよ」ってすぐにホームセンターで板を買ってくれて。

 
KIDSNAアンバサダー250名を対象にしたアンケートから抜粋

――3人のお話を伺うと、こちらのニーズに応えてくれることが大事だってことが伝わってきますね。

おぐら そうだと思います。求めていないことをサプライズされてもちょっとうれしくないというか、「気持ちはありがたいけど、そうじゃない」って。

付き合ってる時ならそれでもいいのかもしれないけど、結婚して生活していくとなるとやっぱり違いますよね。日々の生活でちょっとしたことをやってくれたことはじわじわと貯まって、年齢が上がった時に「この人といてよかったな」って思えるんじゃないでしょうか。

――いいお話です! 「家族サービス」って言葉もそうですが、一度にまとめてドンっと何かをするよりも、日々の細やかなことの積み重ねが信頼関係につながるということですね。

こちらの記事も読まれています

入院中の不在で夫が家事育児の全体像を把握

――みなさんのパートナーは、お願いしたことはやってくれる、ということですよね。おぐらさんは今の状態になるまで10年というお話でしたが、例えば寄田さんの夫さんは最初からそういう方だったのでしょうか。

寄田 うちの夫は割と自発的にいろいろやってくれますね。

――その秘訣はいったい?

寄田 もしかすると、夫が長くひとり暮らしをしていたせいかもしれないです。ご飯は作らない人なんですけど、それ以外の家事はなんでもできますね。

 
「育児休暇は“休暇”なんかじゃない!」妻と夫が見ているコソダテ/パパ編

「育児休暇は“休暇”なんかじゃない!」妻と夫が見ているコソダテ/パパ編

寄田 あと、私が出産後に体調を崩してしまって、半月くらい入院していたことがあって。そのあいだは必然的に夫がすべてやることになったので、その経験が大きいのかも。考えてみたら、それまではオムツ替えはしてくれてなかったですね。私も私で、体が元気な時は責任感があるから、自分でなんでもやっちゃってたのかも、って。

――半月入院されていた時のことは大きいかもしれませんね。よく、家事の全体像を把握してもらうために、女性が家事の項目をすべてリストアップして男性に共有する、という話を聞きますし。

M(編集部員) あ、僕はまさにリスト化をお願いしました。察して動くのが理想だとは思うけど、全体像がわからないからそれができないんです。妻にはリストアップの手間をかけてしまって申し訳なかったけど、書きだしてもらったことで理解できたことがたくさんありましたね。

 
※写真はイメージ(iStock.com/Liudmila Chernetska)

山本 「察してほしい」だとやっぱり難しいですよね。私は育休中で家にいて、朝から晩まで子どもといるからするべきことがわかるけど、主人にはわからない。だから、やってもらうにはちゃんと伝えるしかないと。

感謝もお願いも、すべては言葉にすることから

――パートナーに何か伝える時に気を付けていることはありますか?

山本 お願いごと以外にも、感謝や挨拶は必ず口にするようにしていますね。「おはよう」「おやすみ」「いってらっしゃい」とか、ちゃんと口にして。

育休前、私はシフト勤務だったので、泊まりで家を空けることもあったんです。そうすると放っておけばすれ違いになってしまうから、ポイントポイントで必ずコミュニケーションを取るようにしていました。

 

――いくら夫婦と言えども、関係性に甘えないで言葉にするということですよね。

寄田 今「口にする」というお話聞いて気づいたのですが、私もしてほしいことをけっこう口に出してるかもしれないです(笑)。

「ちょっと今この子抱っこしてほしいな」「買い物行かなきゃな」みたいに、ひとりごとっぽく口に出すと、「ああ、じゃあ俺は風呂洗っとくよ」と動いてくれて。

おぐら あ、それで言うと、うちの場合は猫ですね。

――猫ですか?

おぐら 「猫が掃除してほしいって言ってるよ」とか「猫がビール買ってきてって言ってる~」って夫に話しかけると、「猫が言ってるなら仕方ないな」って動いてくれます。

――ほのぼのします(笑)。

 

おぐら だけど、山本さんや寄田さんのお話を聞いていると、夫さんと向き合ってる感じがしていいなと思います。「自分だけ我慢すればいい」って考え方はよくないし、後々響きますから。

今はまだお二人ともお子さんの手が離れる時のことを想像できないと思うけど、いずれは夫婦二人になる時が来ますし。

――子どもが独立するまでは我慢して、もうその後はひとりで生きていきたい、という女性もいますよね。夫婦がずっと一緒にいることだけが幸せとも限らないけど、男性にとっては寝耳に水、といった形で離婚を言い渡されるパターンも少なくはないですしね。

▼▽▼続きはこちら▼▽▼

「自分の家族が好きじゃなくても」結婚や家族をあきらめなかった理由【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

「自分の家族が好きじゃなくても」結婚や家族をあきらめなかった理由【漫画家おぐらなおみと子育て中のママが語る】

Profile

おぐらなおみ

おぐらなおみ

漫画家&イラストレーター。こどもは長女長男のふたり。趣味は散歩というか道草。知らない路地をガンガン歩いてよく迷子になってます。東京在住。著書に『働きママン(シリーズ続刊あり)』など多数。
画像

<取材・構成>KIDSNA STYLE編集部

<漫画>おぐらなおみ

2023.09.27

取材レポートカテゴリの記事

天才はどう育ったのか?幼少期〜現在までの育ちを解明

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。ぜひご覧ください。
てぃ先生が見守る!卒園生たちの”チャレンジダンスプロジェクト”

入園当初にコロナ禍となりリアルイベントが少なかった園児たちが、卒園を迎えるシーズンとなりました。園児たちのかけがえのない思い出を作りたいという想いから、”チャレンジダンスプロジェクト”が始動。子どもたちが「卒園ダンス」に取り組む様子から、てぃ先生に子どもの成長を促進するコミュニケーションを教えていただきます。コナミスポーツクラブの全面協力のもと、ダンス未経験の園児たちが一生懸命取り組み、イベント当日を目指す様子を密着取材しました。