教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
2023.05.08
子育て、家事、育児と慌ただしい毎日を過ごしていると、心に余裕がない日や、なんとなくしんどい1日もあると思います。そんな、がんばりすぎているママに読んでほしい精神科医の藤野先生による「ゆるゆる子育て」についてのお話です。
ママからの相談
子育てと仕事、家事、毎日とにかく忙しくて、まったく自分の時間がとれなくて、いっぱいいっぱいです。子どもが小さい今だけだとわかっているのですが…。
毎日そんなにがんばっていると、物理的に時間がとれないでしょうね。
こればっかりは、もう、自分の時間なんて言わずに(笑)、とにかく休むための時間を確保しましょう。
「私が生んだ子どもだから」「ママだからぜんぶやらないといけない」と考えてしまって、限界までがんばってしまうのは、世間の風潮やSNSからの情報が気になっているのかもしれません。
堂々と休むための「ポジティブな言い訳」をいっぱい探してほしいです。
あなたが倒れたら家族がもっと困る、とか
仕事だって昼休みがあるのに、子育てには休憩時間がないのはおかしい、とか。
残念だけど僕らは完璧な人間じゃないから、ぜんぶ完璧にがんばるなんて無理だし、そもそもぜんぶできなくて当たり前なんです。
だから、それを受け入れて、ポジティブな言い訳をたくさん探して、休むときはちゃんと休んでください。
休む時間は必要です。
それから、甘えちゃいけないと思っている人が多いみたいですが、甘えるのは悪いことじゃないのを再認識してほしいです。
出産、子育てという初めてのこと(何度目かの人もいますが)を経験しているんですから、そりゃ大変に決まってます。
そんな中、よくやってるじゃないですか。
だから、パートナーや周囲の人に堂々と、権利として、甘えちゃっていいと思いますよ。
ママからの相談
子どもがまだ小さいので、子どもを預けて自分の時間を持つことに罪悪感を感じてしまいます。以前は普通のことだったのに。ママになった自分とそれ以前の自分と、うまく折り合いがつけられません。
ママである前に「ひとりの自分」であることを意識してみてください。
そして、子どもも「ひとりの人」であって、分身ではありません。
みんな基本は「ひとりの自分」です。だからママになる前も、なった後も自分のための時間が大事なんです。
自分の時間を持つことに罪悪感があるのですね。
その正体は「母親はこうあるべき」「ママは自分を犠牲にすべき」みたいな社会の風潮を感じ取ってしまっているのかもしれません。
SNSで見て「あのママはできているのに」と思ってしまっているのかもしれません。
でも、他人と比べなくていいんです。誰かができていても、あなたはできなくてもいい。
「ひとりの自分」を大切にしてくださいね。
藤野先生の「ゆるゆる子育て#02」は、近日公開です。お楽しみに。
<取材・執筆>KIDSNA STYLE編集部
2023年5月26日発売。藤野先生の新刊
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