子どもの言葉遣いが気になる。子育て中に役立つ正しい言葉の伝え方とは

食事や片付け、支度時のシーン別の言葉かけ

子どもの言葉遣いが気になる。子育て中に役立つ正しい言葉の伝え方とは

子どもが汚い言葉や乱暴な言葉遣いをすると驚いたり、そのような言葉遣いをしてほしくないと思いますよね。言葉遣いを正しく直す伝え方のポイントを元幼稚園教諭の筆者がご紹介します。また、子育て中に役立つ子どもに伝わる言葉かけを食事や片付け、支度のシーン別に解説します。

言葉がけで子どもの姿が変わる?

子育て中のママは、毎日家事や仕事など時間に追われていますよね。

子どもの支度に時間がかかるとイライラして、つい「早くして」と言ってしまうときがあるかもしれません。

しかし、それだと子どもはもっと支度をする気がなくなってしまいます。

今までかけていた言葉を少し言い換えるだけで、子どもが自分でやってみようと自ら行動できるようになるかもしれません。

子どもに伝わる言葉かけが重要です。

子育てで使えるシーン別の言葉の言い換え

食事や片付け、支度の場面別に子どもに伝わりやすい言葉をご紹介します。


食事

食事中に子どもが遊びたい気持ちの方が大きくなって食事が進まないと「遊ばないで早く食べて」と声をかけることがあるかもしれません。

やってはいけないことを言葉にするのではなく「ご飯食べ終わったら遊びの続きしよう」と食べ終わったら遊びの続きができるという安心感を子どもが持てる言葉かけが大事です。

また、食事が残っているのを見ると「残さないで全部食べて」や「残すと大きくなれないよ」と言葉かけをする人がいるかもしれませんが「もうごちそうさま?」と子どもにどうしたいのか聞いてみるとよいかもしれません。

残さず食べてほしいときには「残さないで食べて」と伝えるよりも「〇〇(残しているもの)も食べられるとうれしいな」などママの気持ちを素直に伝えてみるのもよいでしょう。


片付け

部屋にある家具
New Africa/Shutterstock.com

ご飯やお風呂の前など、子どもが遊んだおもちゃをなかなか片付けないと「早く片付けて」と言いたくなるでしょう。

このように言われると子どもは余計に片付けをしたくなくなる可能性があります。

「片付けが終わったら、ご飯食べようね」や「片付けできたら公園に遊びに行こう」と子ども自身が片付けたあとの見通しを持てる言葉に言い換えてみましょう。


支度

朝の支度や出かける前など子どもの支度が遅いと「早くして」「まだ終わっていないの」と声をかけたくなるママもいるかもしれません。

早くと言われてもどのくらい急いだらよいのか、どうしたら早く支度できるのか子どもは分からない場合があります。

4歳頃になったら「時計の針が6のところになったら出かけるよ」と具体的な言葉で伝えると理解して動ける子どももいます。

言葉を少し言い換えたり工夫すると、子どもが自らやってみようと思えるようになるかもしれません。

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子どもの言葉遣い

子どもの言葉遣いが悪くなったり、乱暴な言葉を使うようになったと悩んでいるママがいるかもしれません。

子どもは、家族や先生、友達、テレビなど周りの人の言葉遣いをマネすることがあるでしょう。

幼稚園や保育園に入園したり、クラスが変わり、人間関係など環境が変わったときに言葉遣いが変化する子は多いようです。

子どもにとって今まで知らなかった言葉や、使ったことのない言葉は新鮮で面白く、言葉の意味を理解せずにマネして使っている場合もあるでしょう。

言葉遣いを伝えるポイント

男の子
iStock.com/KEN226

子どもの言葉遣いが気になったときにはどのように子どもに伝えるとよいのでしょうか。


理由を説明する

子どもが汚い言葉や乱暴な言葉を使ったときにその言葉をただ使ってはいけないと叱るのではなく、どうしてその言葉を使うとよくないのかを伝えることが必要です。

乱暴な言葉や命令口調などは、相手に嫌な思いをさせたり、傷つけるから使ってはいけないと教えましょう。

3歳くらいになると理由を説明すると理解できるようになる子どももいるので「その言葉は使っちゃダメ」と頭ごなしに叱らずに理由をしっかり伝えることが大切です。


正しい言葉を伝える

子どもは、乱暴な言葉遣いや汚い言葉の意味が分からずに面白がって使っている場合もあるでしょう。

「それは~っていうんだよ」と正しい言葉に言い換えて具体的に伝えると言葉遣いが直るかもしれません。

また、身近にいる親の言葉遣いを子どもはよく聞いているので、大人が正しい言葉を意識して使うことが大事です。


何度も伝える

何度伝えても言葉遣いが直らないと、伝えることをやめてしまう人もいるかもしれませんが、諦めずに繰り返し伝えることが重要です。繰り返し教えることで正しい言葉遣いができるようになるでしょう。


相手に伝わる喜びを実感させる

子どもが正しい言葉が使えたときや、正しい言葉で相手に伝えられたときには大いに褒めましょう。

正しい言葉で相手に思いが伝わったと子どもが実感できるようにすることがポイントです。

大人が子どもの見本になる言葉を使おう

ママに抱っこされている男の子
iStock.com/Satoshi-K

子育てをしていると、子どもに思いがうまく伝わらずにイライラしてしまう場面もあるでしょう。

「どうしてできないの?」「遊ばないで早く○○して」と言いたくなるときもあるかもしれませんが、言葉を少し言い換えて伝えるだけで子ども自身で行動できるようになるかもしれません。

まずは子どもにどうしたいかを聞いて、子どもが見通しを持てる具体的な言葉に言い換えてみましょう。子どもの行動や言葉も自然と変わってくるかもしれません。

また、環境が変わり、人間関係が広がると友達や周りの人のマネをして言葉遣いが悪くなったり、変化することが増えるかもしれません。

子どもが突然、汚い言葉を使ったり、乱暴な言葉遣いになるとショックを受けたり、正しい言葉遣いに直そうと思って「そんな言葉は使っちゃダメ」と言いたくなるかもしれませんが、子どもは意味を理解せずに使っている場合もあるようです。

使っちゃいけないとすぐに叱らずにどうしてその言葉を使うとよくないのか理由を説明して、正しい言葉を教えていけるとよいですね。

2019.04.10

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