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異文化への興味が深まる海外の絵本。国別に絵本を見てみよう
絵本が大好きな子を持つパパ・ママや、子どもに広い世界があることを知ってほしいと願うパパ・ママの中には、海外の絵本に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。海外の絵本には、日本の絵本とはひと味ちがった魅力を持つものもあります。子育てに取り入れることで、子どもにとってよい刺激になるかもしれません。異文化への理解が深まりそうな海外の絵本を、国別に見ていきましょう。
海外の絵本で異文化への興味を深めよう
海外の絵本には、日本の絵本とは異なる色使いや絵柄のものが多くあります。家に日本の絵本が多い場合、海外の絵本を取り入れるとバリエーションがより豊かになりそうです。
また、その国に伝わる話を題材にした絵本や、暮らし・食生活といった文化が垣間見えることも。お子さんが海外に興味を持ったり「外国がある」ということを理解したりするきっかけになるかもしれません。
子育てに取り入れたい海外の絵本を、国別に紹介します。
【国別に紹介】海外の絵本12選
オランダの絵本
【ブルーナの しかけえほん ミッフィーの まる さんかく しかく 】
オランダの絵本作家、ディック・ブルーナ氏のイラストによるしかけ絵本です。シンプルな線の輪郭や、厳選された6色の色使いで描かれた絵は、小さな子にも分かりやすいのではないでしょうか。
この絵本には、丸、三角、四角の形に穴が空いています。赤ちゃんが穴を触ることによって、形の概念を理解するきっかけになるかもしれません。
【あおくんときいろちゃん】
「あおくんときいろちゃん」はオランダ・アムステルダム出身の芸術家が作った絵本。青と黄色の丸が、かくれんぼをしたり飛んだり跳ねたり、いきいきと動く様子が描かれています。
ふたつの丸が仲良く遊ぶ場面では重なり合ってひとつの緑色の丸になるなど、芸術性の高い表現が特徴です。
イタリアの絵本
【ようせいたちのもり: ちいさなゆびで 】
「ようせいたちのもり: ちいさなゆびで 」は、スライド式のしかけを指で動かして、森に隠れている誰かを見つけたり、りんごの木に赤いりんごをたくさん実らせたり、雪を降らせたりと、さまざま遊べる絵本です。
子どもの小さな指が通る大きさで作られたしかけが特徴。「自分でやってみたい!」という子どもの気持ちに応えてくれるのではないでしょうか。鮮やかな色使いも魅力です。
【ねこのおせわをしてください】
「ねこのおせわをしてください」は、イタリア発でヨーロッパにて人気を博す「お世話体験型絵本」です。気ままな猫のお世話を体験できます。
毛並みがボサボサになっている猫をなでてきれいにしたり、ノミをつぶしてあげたり。かわいいだけではなく、生き物を飼うことの責任を教えてくれる絵本ではないでしょうか。犬とハムスターのバリエーションもあるので、お子さんの好きな動物を選ぶとよいでしょう。
アメリカの絵本
【ねこのピート だいすきなしろいくつ】
非常にポジティブな猫、ピートが主人公の絵本。「歌いながら楽しめる絵本」として、アメリカで人気を博しました。
新品の白い靴に喜び「白い靴、最高!」と歌いながら歩きますが、いちごの山に登って靴が赤くなってしまいます。しかしピートは落ち込まず「赤い靴、最高!」と歌います。他にもさまざまなハプニングが起こりますが、そのたびピートは歌って歩き出すというお話。
主人公のピートから、物事を前向きに考えるということを学べそうな絵本です。
【The ABC えほん】
作者は「色の魔術師」と呼ばれるブライアン・ワイルドスミス氏です。アメリカとイギリスでは1962年に、日本では1972年に発売されました。アルファベットA~Zの頭文字で始まる果物や動物などを、色の重なり合いが美しい絵で描いています。
2023年にデザインを変えて再登場し、ネイティブの発音を聞くことができる二次元コードもつきました。英語教育にも活用できるのではないでしょうか。
ウクライナの絵本
【てぶくろ】
「てぶくろ」は、ウクライナの民話をもとにした絵本です。
おじいさんが森で落とした手袋にネズミが住み、カエルやウサギ、キツネといった動物がどんどん集まり、手袋をすみかにします。最後は大きなクマまでやってきて、手袋はギュウギュウ詰めに。
精密に描かれた挿絵が美しく、ウクライナの寒い冬をイメージできそうな一冊です。
【うるさく、しずかに、ひそひそと: 音がきこえてくる絵本 】
「うるさく、しずかに、ひそひそと: 音がきこえてくる絵本」は、ウクライナを拠点に活動するアーティストの作品です。
「音」をテーマにした絵本で、さまざまな楽器が奏でる音や身近な生活音が、独特な色使いで美しく表現されています。音の単位である「デシベル」についての解説も。子どもが「聞くこと」を理解しやすくなる絵本かもしれません。
中国の絵本
【王さまと九人のきょうだい】
「王さまと九人のきょうだい」は、中国の少数民族に伝わる昔話です。
子どもがほしいと望む老夫婦に9人の兄弟が生まれ「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」という変わった名前をつけられます。
やがて成長した9人は、王さまが出す無理難題に挑みます。9人がそれぞれの特技をいかし、ピンチを乗り切るストーリーは痛快といえるでしょう。
「次はどうなるのかな?」とワクワクしながら読めるのではないでしょうか。
【モンゴルの白い馬 】
「モンゴルの白い馬」は、内モンゴル自治区の昔話を題材にした絵本です。
主人公のスーホという少年は、白い愛馬と固い絆で結ばれていますが、足の速さを気に入った王さまに馬を取り上げられてしまいます。馬がスーホのもとに帰ろうと逃げ出した時、兵士たちの矢に撃たれ、スーホの腕の中で息を引き取ります。
スーホは愛馬の骨を使って「馬頭琴(ばとうきん)」という楽器を作り、その音色がモンゴルの草原に暮らす人々の心を癒やした、というお話です。
美しくも悲しい物語ですが、動物との関わり方を考えるきっかけになるかもしれません
フランスの絵本
【シモンの落とし物】
フランスのパリを舞台にした絵本です。
主人公の少年・シモンはうっかり屋。パリのあちこちで、さまざまな落とし物をしてしまいます。その落とし物を探すお話。
セーヌ川やルーブル美術館、お菓子屋さんなどが精密に描かれており、街を行き交う人々の会話まで聞こえてきそう。パリに行った気分で絵探しが楽しめそうです。
【庭をつくろう!】
「庭をつくろう!」は、春に引っ越ししてから冬になるまでの、子どもたちと庭の草花の1年弱を描いたお話です。
主人公・バンジャマンが引っ越してきた家には広い庭があったものの、長らく空き家だったこともあり荒れ放題。「街一番の綺麗な庭にするぞ!」と、家族みんなで庭づくりを行います。
細かいイラストや、ちょっとした図鑑のような豆知識も載っており、まるまる楽しめる一冊です。
海外の絵本を子育てに取り入れてみよう
色使いがきれいな絵本や、知らなかった昔話を教えてくれるものなど、日本の絵本とは違う魅力がある海外の絵本。お子さんだけでなく、パパ・ママも思わず引き込まれてしまうことがあるかもしれません。家族のコミュニケーションを絵本がつないでくれるかもしれませんね。
海外の絵本を子育てに取り入れて、お子さんといっしょに楽しんでください。