ビジネスセンスのある人はわかる「帝国ホテルVSエクシブ」コロナ禍のホテル業界で独り勝ちだったのはどっち

ビジネスセンスのある人はわかる「帝国ホテルVSエクシブ」コロナ禍のホテル業界で独り勝ちだったのはどっち

ホテル業界はコロナ禍で業績に大きな影響を受けた。中京大学教授の矢部謙介さんは「ホテルの稼働率やレストラン・宴会需要の落ち込みで大きな営業赤字を計上した帝国ホテルに対し、エクシブを運営するリゾートトラストは安定した利益を上げることに成功した。それはあるものの販売が好調だったことが大きい」という――。 ※本稿は、矢部謙介『見るだけでKPIの構造から使い方までわかる 会計指標の比較図鑑』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

売上高営業利益率は「儲ける力」を表す

売上高営業利益率は、本業での「儲ける力」を見るうえで最も基本的な指標の1つです。売上高が営業利益に結びついているかどうかという視点に立った指標です。売上高営業利益率を見る際には、P/Lの構造を踏まえる必要があります。

「営業利益=売上高-売上原価-販管費」ですから、どの要因が売上高営業利益率に影響を与えたのか、切り分けて分析することが重要です。

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出典=矢部謙介『見るだけでKPIの構造から使い方までわかる 会計指標の比較図鑑』(日本実業出版社)

帝国ホテルとリゾートトラストの決算書を比較

ここでは、前述の売上高営業利益率を使って、ホテル2社(帝国ホテルとリゾートトラスト)の決算書について解説しましょう。

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出典=矢部謙介『見るだけでKPIの構造から使い方までわかる 会計指標の比較図鑑』(日本実業出版社)

コロナ禍で業績不振に苦しんでいたホテル業界ですが、行動制限の緩和や訪日外国人の増加、そして行政による旅行促進キャンペーン等により、2023年ごろには徐々にその苦境から抜け出しつつありました。

2023年3月期決算の状況を見ると、リーガロイヤルホテルなどを展開するロイヤルホテルの営業損益は29億8600万円の赤字(前期は82億1700万円の赤字)、ホテルオークラ京都などを運営する京都ホテルでは3000万円の営業赤字(同19億5900万円の赤字)、ここで取り上げる帝国ホテルは3億4800万円の営業黒字(同111億2100万円の赤字)となるなど、いずれもコロナ禍の業績不振からようやく回復してきていました。

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2025.04.11

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