大切なのは「話のネタ」でも「オチの面白さ」でもない…「人前で堂々と話せる人」がトーク中に考えていること
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人前で堂々と話せる人と、そうでない人がいる。何が違うのか。ネタ作家の芝山大補さんは「他人に対する見方がまったく違う。芸人時代、人前で力を発揮できないと悩んでいたとき、友人が放った一言に救われた」という――。 ※本稿は、芝山大補『お笑い脳』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「人と話すのが怖い」の対処法
人前に立ったときに、「自分の力をうまく発揮できなかった」経験はないですか?
実はその悩みを解消するヒントは、自分の考え方にあるんです。
5年ほど前、コミュニケーションの悩みを解決するコンサルをしていたとき、「人前が怖くてうまく話すことができない」という悩みを持った女性と出会いました。その女性は「誰も私の話になんて期待していないし、みんなから喋るなと思われているはず。だから話すのが怖い」と言うのです。
「誰もそんなこと思ってないよ」と伝えたら、
「……気を遣わないでください。本当はあなたもそう思っています」とのこと。
「どうして僕があなたに対して『話すな』と思うの? 理由がないでしょ」
「……私がブスだから。『ブスが喋んな』って思っているはずです」
僕は「あなたはブスではないし、そもそも容姿の好き嫌いで『話すな』なんて思わないよ」と返しました。
しかし、彼女は納得がいかないようで、話はずっと平行線のままでした。
「他人も同じ考えを持っている」と思い込んでいる
そのとき、僕はふとあることを思いついて、こう尋ねてみたのです。
「もしあなたが自分より容姿が劣っている人を街で見かけたら、どう思う?」
するとにらんだ通りの回答を口にしたのです。
「『ブスが街を歩くな』って思います」
僕はこの考え方に、人が力を発揮できなくなる法則があると思いました。
人は「他人も自分と同じ考えを持っている」と思い込みやすい生き物です。
だから、誰かに放った言葉は「自分にも同じ言葉で返ってくる」ように感じてしまう。
昔から「人に悪口を言うと、自分にも返ってくる」と言いますが、まさにその構図だと。